父と自分の人生を重ねて

私の父はもう10年以上前に亡くなりましたが
ずっと鉄工所を経営していました。
最盛期には工員100名を抱え
第二、第三工場まであり
新聞の地方版とはいえ長者番付にまで載ったといいますから
ちょっとした成功者だったのではと思います。
積層乾電池という特殊な電池を作る機械で特許を取り
海外へも輸出していたと聞いています。

それが今から40年以上前のことですが
第一次石油ショックと言うのがあり
日本中の景気が急落したときがありました。
その折にご多分に漏れず不渡り手形をつかみ
会社は倒産しました。

当時私は4歳か5歳くらいのときです。
父はちょうど今の私くらいの年齢だったと思います。

それまでの父親の隆盛は今の私には足元にも及ばないくらいのものだったでしょう。
そこからの急降下した経済状態。
さぞ辛かったことでしょう。
父と私の人生、年齢を重ね合わせて考えてみると
この年齢になってどん底を味わうのは
あまりにも辛く惨めで
父の本当の辛さは想像する事すら容易ではありません。
またそれで苦労した母は今も私に
「会社大きくしたらあかん。いつ世の中がどないなるかわからんから。」と言います。
同じ環境で育った兄二人は公務員とサラリーマンになっています。
父と同じように経営者の道を選んだ私がいまだに心配なのでしょう。

私が物心をついた頃には既に父の鉄工所は倒産していました。
恵まれない経済状態の中で
友人達の家庭環境と比べて少なからず不満に思っていたのは確かです。

しかし、今、この年齢になって一番辛かったのは
父であると理解することが出来ました。

いまナサホームには沢山のスタッフや職人さんがおり
この会社で生計を立てています。
そのスタッフや職人さんの家族まで含めると
数百人が生計をたてていることになります。

父と同じ轍を踏まないように
日々、自分に戒めが必要であると感じています。