ナサホームの20年(12)

第3部

1. 組織づくりと仕組みづくり

創業10年を超えてからの3年間はそれまでの10年間と明らかに違っています。売上の10億円越えも達成しましたし新卒採用も始めました。社員数も急激に増え、ある意味全く違う会社になってきたといえます。一言で言えば「組織づくりの3年」と言えると思います。
ただ良かった点として人が増えいろいろな問題が起こってからその対処としていろいろ手を打ったのではなく意識せずに自然と事前準備が出来てきたことでしょう。そのため多くの異業種も含めた他社が『10億円の壁』といって10億円付近で足踏みすることが多い中で全くその壁を意識することなくブレークスルーできました。

2. 理念実践型経営の真髄

自然と組織づくりの事前準備が出来た理由に、あるCDとの出会いがあったことは大きいと思います。
SMBCコンサルティングから毎月送られてくる日経ベンチャー経営者クラブのCDでブリングアップ社長の国吉拡氏の「理念実践型経営の真髄」と言う講演が収められていました。このCDを聞き深くこの考え方に傾倒して行き、それがその後、大きくなっていく組織を束ねていける結果につながったと言えます。
そのCD自体は毎日の通勤の車の中で50回以上は聞いたでしょう。また国吉拡氏の講演も数回聴きに行きました。
内容はお金や物、待遇でスタッフを束ねるのではなく考え方、理念で人を束ねると言うものです。すなわち考え方や価値観を共有し全社員が基本的に同じ方向で考え行動することが必要であると言う考え方です。当時まだ組織運営で困っていたと言う状態ではなかったのですが、この先必ずそれが問題になることは判っていましたので本当に参考になりました。
もちろん自分ひとりで考えるだけではなく弊社の理念である「ナサホームに関わった全ての人を幸せにする」という考えを社員に定着させなければなりません。これに特別な何かを実施したわけではありませんが会議の場や事ある毎に価値観を共有できるように話したつもりです。これも時間は掛かりましたしまだその道半ばでありますが徐々に徐々に浸透してきていると思います。この考え方への気づきが無ければ今の弊社は無かったと思えるほど重要なことでした。

3.淘汰の時代

平成18年の終わり頃からそれまで弊社より先行していた同業者の倒産や大幅な規模縮小が相次ぎました。
先ず神戸の(仮称)ループ。早い段階からチラシ反響型営業で業績を伸ばし(仮称)大滝社長自身も(仮称)オールサポートというコンサルティング会社を立ち上げ中小リフォーム業者を元気にしたいと多くの講演をこなしておられました。私自身も何回か出席して多くの出会いや勉強の場を提供していただきました。しかし他業者を元気にさせるどころかその足元で自社が崩壊してしまいました。これと同時期に大阪の(仮称)システムコンストラクションも事実上の廃業となり、また同じ大阪の(仮称)ダイキョウホームも店舗の閉鎖、規模縮小に追い込まれました。
去年はなんと言っても横浜の(仮称)リモアの倒産が衝撃的でした。リモアの(仮称)西崎さんとは船井総研の坂本氏を通じて知り合い7~8年前からの友人で弊社より先行していたのでよく仕事を教えていただいていました。しかし西崎さんも途中からリフォーム業よりオーダーメイドキッチンのメーカーとしての運営に注力されていました。
これらの企業の倒産や規模縮小の原因には共通する部分があって経営者自身がリフォーム業より別の業態に力を入れだしたことが上げられます。
大滝さんも西崎さんも業界では目立った存在で同業者からある意味あこがれられ目標とされる存在でした。またお二人ともお話が上手で多くのセミナーを主宰されていました。このことも地味な本業が疎かになった理由のひとつであると思います。
何れにせよ友人である西崎さんがこの業界から退場されたことは寂しい限りです。