カビやダニの温床に?劣化したカーペットやフローリングは早めのリフォームを! リード:

住まいのデザインを決める大きな要素の一つである床。 そこに敷かれるカーペットや床は、さらにデザイン上の役割だけでなく、防音のためのクッションや、冷気を遮断する断熱、転倒時の身体保護などの役割も持っています。 しかし、その大切な床材も長年使用し続けると徐々に劣化し、美観を損ねるだけでなく、健康的な被害を及ぼすリスクを抱えてしまうことがあります。そこで今回は、長年使い続けた床材のリフォーム方法について、リスクの解説からリフォーム費用の詳細まで詳しく解説してまいります。


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カーペットやフローリングが劣化する原因


カーペットや床は長年使用することで劣化していきます。まずはその劣化の原因や劣化の放置によって起こるトラブルについてお話してまいります。

カーペットの劣化要因

カーペットの繊維は、主に以下のような原因によって劣化していきます。

◼︎摩耗
カーペットの上を頻繁な歩行する場所では、足裏との摩擦によって繊維が擦り切れたり、つぶれていったりします。カーペットの耐用年数7〜10年ほど。ただし、こうした摩擦に強い「重歩行」対応の製品がありこの製品では10〜15年の使用が可能です。

◼︎汚れの蓄積
日常生活の中でカーペットに食べこぼしや飲み物、足裏の汚れ、ホコリ、皮脂などの汚れが染み込むことで、見た目が悪くなるだけでなく、カビやダニの発生など衛生面の問題が発生していきます。洗うことができるカーペットを使用することでこの問題はある程度軽減することができますが、やはり7〜10年以上経つと清掃しきれない汚れが目立ってくることもあります。

◼︎日焼け
直射日光が当たる場所に敷かれたカーペットの場合、紫外線によって本来の色が褪せてしまうことがあります。また紫外線が当たり続けることによって、繊維の劣化も進み破損につながることがあります。

◼︎湿気
水場に近い場所や通気性が悪い場所のカーペットには、湿気がこもりやすく、カビやダニの温床となることがあります。

フローリングの劣化要因

フローリングには天然木または複合材が使用された床材です。フローリングも使用し続けることで以下のような原因で劣化が進んでいきます。フローリングの耐用年数は無垢材であればおよそ10~30年、複合材であれば10〜20年とされています。ただし、この期間以内でも表面の傷や音鳴りが目立つようであれば、リフォームを検討する必要があります。

◼︎傷やへこみ
硬いフローリングですが、その上を何度も人が行き来することで少しずつ表面に小さな傷がついていきます。また椅子や机、タンスなどの家具の移動や、重いものや硬い物が落下することでダメージが蓄積します。傷がついたフローリングはささくれ上に劣化してしまうこともあります。

◼︎ワックス剥がれ
フローリングに施されたワックスは、日々の摩耗や水分の付着によって少しずつ剥がれていきます。このワックスは定期的に塗り直すことが必要ですが、メンテナンスを怠ると、ワックスが剥がれ、フローリングに光沢がなくなり、表面もガサガサとして保護機能が失われていきます。

◼︎湿気による反りや浮き
フローリングは木材であるため、湿気や水分を含むと変形します。特に、水場に近い場所や湿度の高い床下の上に敷かれている場合、木材がゆがんだり反り返ったりすることで、きしみや隙間が発生します。

◼︎紫外線による色あせ
窓際など、日差しの強い部分のフローリングは、経年劣化で色が変化していきます。一部のみ色が異なってしまうことで美観を損ねる元となります。

劣化を放置すると起こる問題とは?

カーペットやフローリングといった、床材の劣化をそのまま放置してしまうと、次のような問題が発生する恐れがあります。

◼︎ダニ・カビの繁殖
主にカーペットの汚れや湿気の蓄積は、カビやダニの発生とそれに伴うアレルギーや喘息といった健康被害につながります。

◼︎歩行時の転倒リスク
フローリングなどの床材がゆがんだり反り返ったり、ささくれ立っていると、歩行中につまずきやすくなったり、破片が皮膚に食い込んで化膿したりと思わぬトラブルを引き起こします。

◼︎床の軋み
フローリングが歪んでしまうと、その上を歩くときにギシギシといった不快な音を立てることがあります。また軋んだ隙間に汚れや水分が溜まることで、衛生的な問題も発生します。

◼︎建築物の躯体への影響
床の水分や湿気は、床下構造の腐食や劣化につながります。これを長期間放置すると、大掛かりな修繕が必要になるだけでなく、室内の見た目が悪くなり、資産価値が低下する恐れもあります。

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カーペット&フローリングの張り替え方法にはどのようなものがあるの?


床のリフォームには、素材や施工条件に応じて複数の方法があります。それぞれの床材ごとの代表的な張り替え方法を以下にまとめます。

カーペットフロアの張り替え方法

◼︎一体型カーペットの張り替え
床全体を覆う形のカーペットを敷き直す方法には、グリッパー方式と接着剤方式があります。グリッパー方式ではまず既存のカーペットを撤去した上で、床の端に沿って針を設置します。その上でクッション材を敷き詰め、その上から部屋の形に沿ってカットしたカーペットを設置した針に固定した上で敷き込んでいきます。接着剤方式では、針の代わりに接着剤を使用してカーペットを敷き詰めていきます。

◼︎タイルカーペットの張り替え
正方形や長方形のカーペットをタイル状に敷き詰める方法です。既存のカーペットがタイルカーペットである場合は、汚れた部分だけを交換できるため、部分的なメンテナンスが可能です。また床一面のカーペットをタイルカーペットに変更することも比較的容易です。
タイルカーペットの裏面には接着剤や滑り止め加工が施されているので、既存のカーペットを撤去した上で、床を丁寧に掃除して汚れを取り去って床板上に直接敷き詰めるか、アンダーシートと呼ばれる下地を敷いた上でタイルカーペットを貼っていきます。

フローリングの張り替え方法

フローリングの張り替えにはいくつかの工法があり、カーペットと比べやるとやや複雑です。

◼︎直張り工法
既存のフローリングを撤去した上で、コンクリート下地などに接着剤を使ってフローリング材を直接貼り付ける方法です。マンションなどで採用されることが多く、施工が早いのが特徴です。

◼︎根太張り工法
既存のフローリングを撤去した上で、フローリングの板材を支えるため、下地に木材(根太と呼ばれます)を敷いた上にフローリングを張る方法です。床の強度を維持しつつ、床下に空間を生むことで通気性を良くし湿気が篭らないフローリングの張り替えを可能とします。ただし、この工法を採用した上でフローリングが耐用年数を超えると、きしみやたわみが発生しやすくなることがあります。

◼︎重ね張り(上張り)工法
既存のフローリングを撤去せず、その上に新しい床材を重ねて張る方法です。
解体工事が不要であるため、費用と工期を抑えられます。ただし、段差が生じてしまうことから施工箇所に制限があります。 また、既存の床が大きく沈んでいる場合や、著しい傾斜がある場合には、重ね張り工法は適さないことがあります

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カーペットやフローリングを張り替えるための費用はどのくらい?


劣化したカーペットやフローリングを張り替える際の費用は、床材の劣化具合や床材の種類・グレード、採用する工法によって異なります。
以下ではナサホームに施工をご依頼いただいた場合の目安となる費用について軽くご説明してまいります。

カーペットの張り替え費用

◼︎一体型カーペット(1㎡あたりの費用) 2,000〜4,500円
◼︎タイルカーペット(1㎡あたりの費用) 2,000〜5,000円

また既存のタイルカーペットの処分費が+5,000~10,000円程必要となるほか、フローリングや畳敷きの部屋をカーペットに変える場合、下地の調整などの費用として10万円程度が必要となります。

フローリングの張り替え費用

◼︎単層フローリング(無垢材)
無垢材フローリングへの張り替えリフォームをする際の費用は、6畳程度の部屋で18万〜21万円、8畳であれば21万〜26万程度となります。
※使用するフローリングの材質、グレードによって価格は大きく異なります。

◼︎複合フローリング
合板を使用したフローリングへの張り替えリフォームの費用は、6畳程度の部屋で14万〜18万円、8畳であれば18万〜23万円ほどとなります。

◼カーペットからフローリングへの張り替え
・カーペット撤去費:5,000〜1万円
・フローリング張り替え費:18万〜26万円(6〜8畳のお部屋の場合)
※この場合も、使用するフローリングの材質によって価格が大きく異なってきます。

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まとめ

カーペットやフローリングの床材は、毎日肌に触れ、足元を支える暮らしの基盤です。目立った損傷がなくても、年月とともに見えないダメージが蓄積していきます。リフォームは「見た目を美しくする」ためだけでなく、健康・安全・快適性の維持、そして住まいの資産価値を保つため劣化が目立つようであれば、早めのリフォームを検討しましょう。