キッチンリフォームに掛かる費用内訳
キッチンのリフォーム費用の内訳は大きくは2つに分かれています。「キッチン本体に掛かる費用 」「工事に掛かる費用」です。
工事に掛かる費用は、さらに「解体(処分)・設置工事」「周辺の内装工事」に分かれ、工事の内容やリフォームを行う場所の状況によって掛かる費用も変わってきます。
では「キッチン本体に掛かる費用」「工事に掛かる費用」とはどういった内容なのでしょうか、詳しくご紹介します。
キッチン本体に掛かる費用
天板(ワークトップ)や扉の素材、柄・質感などや、ガスコンロ・IHなどの調理器具の機能など、選択するものによって価格は大きく変わります。キッチン各メーカーのウェブサイトにウェブカタログがあるので、そういったもので事前に価格を調べておくと良いでしょう。
同じ型のキッチンを、同じ位置・同じサイズへ交換する場合は、キッチンの交換工事費以外に掛かる費用はあまりありませんが、扉や天板などの選択、食洗機がオプションの場合に食洗機を追加したり、レンジフード、ガスコンロ(IH機器)のグレードを上げたりすることで、リフォームの費用は変化します。
本体価格の内訳
・システムキッチン本体の価格
・キッチンパネルの価格
・食洗機など、オプションの価格
・扉・天板・コンロ・レンジフードなど、グレード変更による価格(差額)
【タイプ/グレード別キッチン費用】
システムキッチンの価格は、キッチンタイプ(I型、L型、対面型など)やグレードによって異なります。
キッチンのグレードは主に3つに分かれており、機能や素材、価格帯などが異なっています。
基本的には、スタンダード・ミドルグレード・ハイグレードの3種類から選ぶことになりますが、メーカーによっては、商品グレードがなかったり、2つだったりする場合があります。
タイプ | スタンダード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
I型キッチン | 50万~80万 | 60万~110万 | 70万~120万 |
L型キッチン | 60万~ 90万 | 70万~120万 | 80万~130万 |
対面型キッチン | 70万~100万 | 80万~130万 | 90万~150万 |
※工事費込みの目安価格です。
工事に掛かる費用内訳
解体(処分)・設置工事に掛かる費用
キッチンリフォームを行う場合、必ず必要となるのが、解体(処分)・設置工事の費用です。 相場は約25~35万円 掛かります。
元々のキッチンから、型やサイズ・設置場所などをどう変えるかによって工事内容が異なり、費用も大きく変わります。
工事に掛かる費用を抑えたい場合は、同じ型・サイズのキッチンを同じ位置に設置することで、給排水管や排気ダクトを移設する必要もないため費用を抑えることが可能です。
解体・設置工事の内容
・養生工事
キッチンリフォームを行う際に、設備や工具を家の中へ搬入します。搬入の際に家を傷つけたり汚したりしてしまわないように、ビニールのシートで養生する(保護する)作業の事をいいます。
・解体工事
もともとのキッチンを解体し撤去する事を解体工事といいます。キッチンのサイズによって解体費用も変わります。また、解体・撤去したキッチンを廃棄処分するための費用も別途必要となります。
・システムキッチンの組み立て・設置費用
キッチンの大きさ、スイッチ・配線の位置を正確に計測し、キッチンの設置場所を決めます。そして、キッチンの土台を完成させるために、レンジフード・吊戸棚・キャビネットを組み立て、シンク・蛇口・ガスコンロなどを設置します。
また、後に説明する配管工事や電気工事で用意している、給水管・給湯管・ガス管・排水管や電源コードを接続し、動作確認としてシンクの給水や排水、コンロの着火、電気が来ているかの確認など、組み立て・設置に関する一連の作業が必要となります。
・配管工事
キッチンは、水やガス・電気が必要で、給水管・給湯管・ガス管・排水管と接続が必要です。また、排気ダクトの配管をレンジフードと接続しなければなりません。
もし、キッチンの設置場所を移動させる場合には、これらの配管を延長させる工事が必要です。また、もともと食洗機がなく新たに設置する場合は、給湯(水)管、排水管の工事(分岐工事)が必要となります。
これらの工事が必要となる場合には、配管工事費が高くなってしまうことも頭に入れておきましょう。
・電気工事
もともと食洗機がなく新たに設置する場合には、給排水管以外に専用のコンセントを新設する電気工事が必要です。
また、ガスコンロをIHに変更する場合や、IHを100Vから200Vタイプに電圧切り替えする場合にも電気工事が必要となります。
・諸経費
リフォームを進めるにあたっての図面作成・現場管理・申請作業など、リフォームを行うために必要な経費のことを言います。
周辺の内装工事に掛かる費用
キッチンの場所(位置)や向きを変える場合には、壁や床の工事も必要となる場合があります。これらの内装工事費用もリフォーム費用に含まれます。
壁の工事
キッチンの位置を変更する場合、壁材など内装材などの張り替えが必要です。また、キッチンを新しくするタイミングで壁紙の貼り替えもあわせて行う場合にも工事が必要となり、それらに掛かる工事が必要となります。
床の工事
キッチンの位置を変更する場合、床材などの張り替えが必要です。また、キッチンを新しくするタイミングで床材の張り替えをあわせて行う場合にも工事が必要となり、それらに掛かる工事が必要となります。
その他工事
キッチンリフォームを行うために補修が必要な場合や、間仕切りの壁を追加したい場合など、それぞれの作業費用が掛かってきます。
収納やカウンターなど新しいキッチンにあわせて造作する場合にも、それらの造作に必要な工事費が必要となります。
知っておこう!キッチンリフォームの注意点
キッチンリフォームを行う前に、知っておいて欲しい注意点を紹介しています。お客様のお宅やキッチン周りの環境に当てはまる内容がないかご確認ください。
キッチンのサイズ変更
キッチン本体の間口(横幅)サイズに注意しておく必要があります。例えば、搬入する通路の幅などが狭く、搬入経路が確保できない場合など、キッチンを設置することができないという事も。
また、キッチンが広すぎてキッチン内の動線がかえって悪くなるという事も考えられます。
キッチンのレイアウト変更
壁付キッチンを対面式キッチンへとレイアウト変更を行う場合、給排水管の移設も行わなければなりません。この際にしっかりと排水ができるように勾配をつける必要があります。
キッチンを移動させる距離が長くなるほど勾配をつけられないため、キッチンの移動が難しくなる可能性が高いということも考えておく必要があります。
また、レンジフードも同様に排気ダクトを壁まで伸ばす必要があり、その際はダクトを壁や梁にはわせるのですが、それを隠すための工事も必要となります。
マンションなどの集合住宅でキッチンを移動させるには、構造的に排水管が通る床下のスペースに余裕が少ないため、床を高くする工事が必要となる場合もあります。
戸建でキッチンの位置を移動させるには、移動させる場所の壁や柱が撤去可能なことが条件となる場合もあります。撤去しても問題ない柱なのか事前の確認が必要となります。
キッチン周辺の梁
部屋の天井にある「梁」は、建物を支えるという重要な役割をしているため、梁を無くすことは厳しく梁を考慮したキッチンリフォームが必要です。
もし換気扇や吊戸棚などが梁と干渉する場合は、梁の分だけ切り欠くといったことが必要です。
このことで吊戸棚などは、収納量を増やしたいと考えていても、梁がある分収納可能なスペースを設けられないといったことが考えられます。
マンションの電力容量制限
マンションでは、マンション全体で使用可能な電力の容量に制限があります。このため各戸が電気容量の上限を変更することができない場合があるため、ガスコンロからIHクッキングヒーターへ変更をする際、大容量のIHクッキングヒーターへ変更できないなどといったことも。契約アンペア数の変更が可能なのか?管理規約などで事前に調べておく必要があります。
想定外の補修の発生
キッチンリフォームでは、キッチンの取り外しを行った後に、はじめて想定外の修繕が必要である箇所を見つけるといったことがあります。例えばキッチンの床板は、湿気が多い環境で十数年とキッチンを支えてきているため傷んでる可能性も少なくなくありません
こういった場合、修繕費用が追加で必要となることがあります。
キッチンリフォームの費用を抑える3つのポイント
キッチンリフォームの費用を抑えるには、ご自身のライフスタイルを考え、実現したいご要望に優先順位をつけ、必ず実現したいご要望のラインをしっかりと決めておくことをお勧めします。そして、次にご紹介する3つのポイントを参考にし、リフォーム会社に依頼しましょう。
不必要なキッチンの移動をしない
キッチンを移動させることで家事の動線がよくなる場合があります。しかし、現在の家事動線に問題がないのであればキッチンを移動させる必要はありません。
ご利用中のキッチンを異なる場所に移動する場合は、給排水管や排気ダクトの移動や間取り変更といった工事が必要となり、工事の範囲が広くなり工事に必要な時間・日数が増えてしまいます。工事の時間が増えるということは、その分余計に人件費が必要となってしまということです。
同じタイプのキッチンを選ぶ
壁付けのI型キッチンを、対面型やアイランド型のキッチンにしたいというご要望がなければ、ご利用中のキッチンと同じタイプの選ぶことをおすすめします。
例えば、壁付けのI型キッチンをアイランド型キッチンに変更した場合、キッチンの移動が必要となり、先にご説明した通り、移動に伴う工事費用の分費用は高くなります。
適切なキッチンのグレードを選ぶ
ご自身や家族で考えたご要望にあがっていた必要な機能やオプションなどを諦めてしまうと、後々リフォームを後悔してしまうことにも繋がりますが、優先順位の低い機能を諦めるたり、キッチンのグレードを抑えることができれば、費用を抑えることが可能です。
そのグレード(機能・素材など)やオプションが本当に必要なのか、リフォームのご予算を含めて見直しすることをお勧めします
まとめ
今回は、キッチンリフォームにかかる費用とその内訳について紹介しました。システムキッチンにはさまざまな機能がついています。あまり必要としてない機能にまでこだわってしまうと余計な費用が掛かってしまうことも。
限られた予算の中から、希望するタイプやグレード、機能を選ぶためにも業者選びは肝心で、信頼できる業者に任せましょう。
ナサホームでは、お客様のご要望やお悩みに耳を傾けながら共に考えるリフォームを行なっており、キッチンへのこだわりを実現するにはぴったり。まずは、一度ショールームに足を運んでみてはいかがでしょうか。