天然素材で環境にやさしいリノリウムで床のリフォームを!

近年、床材として再注目されつつあるリノリウム。ある程度の年齢層の方であれば、病院やバレエスタジオ、音楽や舞台のステージなどに使われる床材として馴染み深いのではないでしょうか。 現在、このリノリウムが環境にやさしく、機能的な素材として、一般のご家庭にも使用されるようになってきました。今回は、リノリウムの床材としての魅力と共に、リフォームで床を張り替える場合の方法や費用について詳しく解説していきます。


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天然素材で環境にもやさしいリノリウム


リノリウムは、亜麻仁油や、植物の繊維、松脂、木粉、石灰石、コルクなどを原料とする建材で、主に床材などとして利用されます。植物や鉱石などの天然素材で作られているため、環境や人体などに優しく、過去には病院や艦船などに多く利用されていました。

意外にも歴史が深いリノリウム

リノリウムが誕生したのは、今から160年以上前の1860年代のイギリスで、日本には幕末〜明治期にアメリカを通じて持ち込まれました。当初は、戦艦や学校・公共機関などの床材として、非常に重宝されましたが、第二次対戦後の高度経済成長期になると、安価なポリ塩化ビニルなどの素材に取って代わられていきました。

リノリウムのメリット

■環境や人体にやさしい
リノリウムは、天然素材であるため建材として利用した際に、シックハウス症候群の元となるホルムアルデヒドなどの化学物質を放出しません。また、廃棄した際も土に帰るため、環境への影響が少ない素材であると言えます。

■ウイルスや細菌に対して比較的強い
リノリウムの主原料である亜麻仁油には抗菌作用があり、黄色ブドウ球菌など人体に影響がある細菌の増殖を抑制します。またインフルエンザウイルスやノロウイルスなど一部のウイルスにも効果があるとされています。

■熱に強い
リノリウムは熱による膨張率が少なく、日光やライトの照射などによって変化しにくいのが特徴。また発火温度も高いため、火災時などにも燃えにくくなっています。
■傷や摩擦に強い
多くの人が行き来する公共施設やバレエのスタジオで使用されるように、リノリウムは傷や摩耗にも強いのが特徴。家具の重量や移動によって傷がつきにくく、床面を美しく保つことができます。

リノリウムのメリット

■価格はやや高めで製造に時間がかかる
ポリ塩化ビニルなどの建材と比べると、リノリウムの価格はやや割高。また、天然素材であるため製造に時間がかかり、流通量もそれほど多くありません。

■匂いが発生する
リノリウムに使われる亜麻仁油には独特の匂いがあるため、この匂いが苦手という方にとっては、やや不向きです。ただし、亜麻仁油の匂いは施行後の時間経過と共に消えていきます。

■アルカリ性の洗剤が使用できない
汚れや埃がつきにくいリノリウムはお手入れが簡単なのが魅力なのですが、アルカリ性の洗剤やワックスを使用すると、変質を起こしてしまい、元に戻らなくなってしまいます。そのためお手入れの際には水や中性洗剤を使う必要があります。

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自宅の床をリノリウムに張り替えるには?


お手入れや匂いなど、注意すべき点はあるものの、建材として非常に優れているリノリウム。
実際に住まいのどのような場所に使うのが良いのでしょうか?

キッチンの床をリノリウムにする場合

水に強くまたお手入れも簡単なリノリウムはキッチンの床材として最適。専門の業者によって、リノリウム専用の接着剤を使い、さらに表面に耐摩耗性のあるコーティングをすることで、ほこりや汚れのつきにくい床が実現します。また、耐久年数も10年以上と長期間にわたって使用できます。

子供部屋

成長過程にある子供が長い時間を過ごす部屋には、安全で安心できる素材を使いたいもの。シックハウス症候群になりにくいリノリウムは、子供部屋の床材や家具としても適しています。
また、おもちゃなどを使って元気いっぱいに遊んでも、床に傷がつきにくく、汚れも落としやすいのがポイントです。

洗面所・浴室などの水廻り

リノリウムは、水に濡れることが多い艦船の床や公共施設のトイレなどに利用されていたことからもわかる通り、水に強く滑りにくい床材です。この特性を活かして、一般的なトイレや洗面所などの水回りの床材に使用することで、滑ったり転倒しにくく、また汚れも落としやすい環境づくりにつながります。

その他

リノリウムは、熱による変形に強いことから日光の当たるインナーバルコニーなどの床材にも使用可能です。また、ご自宅で筋トレなどをされる方であれば、衝撃吸収性に優れているリノリウムをホームジムの床に選択されるという方も増えています。

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リフォーム費用はどのくらい必要?


環境にも人体にもやさしいリノリウムですが、他の床材と比べるとやや割高なものとなっています。では実際に、リノリウムによる床面のリフォームを考える際、どのくらいの費用が必要になってくるのでしょうか。

リノリウムの床に張り替える費用

リノリウムを使った床面のリフォームには2通りの方法があります。

ひとつは、既存の床の上からリノリウムを張る方法。
この場合の費用は1㎡あたり1,500〜3,000円と比較的安価に行えます。

もうひとつは、既存の床を剥がしてリノリウムを張り替える方法
こちらの場合は、床板を剥がすなどの施工が必要となってきますので、おおよその費用は1㎡あたり4,000〜6,000円となります。

素材費用の他に必要となる工事費

リノリウムを使ったリフォームを検討する際に、注意しなくてはならないのは施工するための下地。リノリウムは非常に耐久性があり、硬質なのが特徴ですが、傷んでいる下地の上から施工すると、施工後に変形などが起こる場合があります。
こうしたことにならないよう。施工前には業者による下地のチェックと必要であれば、補修工事を行いましょう。
下地の補修は、軽微なものであればおおよそ50,000円以下で行うことができますが、大掛かりなものになると30〜50万円ほどの費用がかかることも。
リフォームに際しては、信用のおける業者を選び、事前にしっかりと調査を行なってもらい、見積もりを提出してもらうようにしましょう。

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まとめ

長い一生のうち、多くの時間を過ごす住まい。その建材にはできるだけ安全で環境にもやさしいものを使用したいものです。現在、施主様の健康意識の増進やSDGsをはじめとした環境・社会への配慮を求める意識の高まりと共に、ナサホームにも「リノリウムを床材に使用したい」というご依頼が増えてきています。
現在、住まいの床のリフォームを検討している皆様も、この機会にリノリウムによる床面施工を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ナサホームでは、事前の床や下地の調査はもちろん、最適な床材のアドバイスまで皆様の住まいを快適な空間にリフォームするための総合的な提案・施工を行っておりますので、ぜひご相談ください。