スタイリッシュな空間のアクセント、モルタル室内壁

住まいの室内壁の素材は様々ですが、昔から日本の住宅では主流ともいえる「塗り壁」を検討されている方も少なくないでしょう。 塗り壁にも漆喰や珪藻土、土壁など、いろいろありますが、今回は都会的でスタイリッシュな色合いと質感が人気の「モルタル」ついて、その魅力をお伝えしましょう。


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モルタルを使った室内壁の魅力と注意点


室内の壁をモルタルで仕上げたときのメリットはいろいろありますが、注意点もあります。デメリットを解決し、洒落たインテリア空間を実現しましょう。

モルタルとは? コンクリートとの違い

よく比較されるコンクリートとの違いを、基礎知識としてきちんと把握しておきましょう。

■コンクリートとは
原材料:セメント(石灰石・粘土・石膏など)+水+砂+砂利
特性:圧縮力に強いが、引っ張る力に対しては弱い
仕上がり:ザラザラしている
コンクリートは強度が高いのですが、引っ張る力には弱く、それを補うために鉄筋を入れた「鉄筋コンクリート」が建物の構造体などに広く使われています。

■モルタルとは
原材料:セメント(石灰石・粘土・石膏など)+水+砂
特性:柔軟性・装飾性が高いが、ひび割れやすい
仕上がり:ツルツルしている
コンクリートの材料とほぼ同じですが、モルタルには砂利を入れません。ペースト状の柔らかさを活かして薄く塗ることができ、左官職人がコテを使って装飾をつけて仕上げることができます。

室内壁をモルタルにするメリットとデメリット

〔メリット〕
・継ぎ目のない美しい仕上がり
壁紙などやタイルは巧みに仕上げても継ぎ目は消せません。その点モルタルなら壁全面を継ぎ目なく塗り上げることができます。しかも壁の形状に合わせて自由自在に塗れるのです。

・メンテナンス費が抑えられる
壁の施工時に、隙間を埋めるコーキング剤は、劣化すれば補修しますが意外と費用がかかります。でもモルタルはその必要がないのでそのメンテナンス費を抑えられるといえます。

・自分好みのデザインにできる
凹凸のない滑らかな表面にしたり、刷毛で細かな線を付けたり、あるいはコテで模様を描いたり。左官職人さんにお願いして、自分好みのデザインに仕上げられます。

・耐火性能が抜群にいい
モルタルは建築基準法で最も火災に強い材料となる「不燃材料」として認められています。万が一燃えても有毒ガスも発生しません。

・長寿命
モルタル壁の寿命は施工する場所によって異なるものの、目安としては20〜30年。壁紙などと比べても耐用年数が長く、また日差しにも比較的強いのが特徴です。

・少し無骨でスタイリッシュな空間が作れる
モルタルの色や質感は、倒壊的な印象を与えてくれます。この少し無骨で、生活感を感じさせない趣は、近年人気の高いインダストリアルなテイスト、あるいはブルックリンスタイルの住まいの雰囲気をより深いものとしてくれます。

〔デメリット〕
・ひび割れが起こることもある
性質上、ひび割れを起こす可能性があります。施工時に対策用の塗装材を使用し、定期的な補修や塗装が必要となります。

・水分を吸収しやすい
モルタルそのものは防水性が低いので、濡れると吸収してシミになったりもします。

・施工費がクロスの1.5〜2倍
工程がクロス張りより多く、熟練の左官職人さんの人件費などを加味して、施工費は材料費込みでクロス張りと比べて1.5〜2倍は見ておきましょう。

・汚れが付きやすい
凹凸のある仕上がりにすれば、埃などの汚れが付きやすくなります。こまめなお掃除が必要となります。

・施工期間がやや長い
モルタルがを硬化させるためには、季節や天候によって異なるものの塗装してから12〜24時間ほどの時間をおく必要があります。また下地と施工に加え養生の時間も必要となるため、施工期間は10日~1ヶ月ほどかかります。

〔デメリットの解決策〕
ひび割れ防止や防水のための塗装材が開発されているのでリフォーム会社に相談しましょう。
◉壁の塗装材
環境、健康に悪影響を与えない「エマルジョンペイント」、「水性UVカットクリア」などがあります。
ちなみに床の場合は耐久性の高い「コンクリート用水系クリヤー(ユカクリート)」、「水性ガレージカラー」など。

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モルタル壁の作り方


スタイリッシュなお部屋にするためのモルタル壁の取り入れ方や、リフォームする施工方法を見ていきましょう。

モルタル壁の取り入れ方

・上質なインテリアテイストのお部屋に
モルタル壁は、手仕上げ独特の温かみや職人技が成せるタッチ、そして豊富な種類のあるカラーリングが魅力のひとつ。
例えばモダンスタイルと相性抜群の定番のグレーモルタル壁。家具をはじめ、天井、床をグレーに準ずるモノトーンカラーでまとめると上質なインテリアテイストが漂うお部屋になるでしょう。
また、レンガや石目調素材が多いインダストリアルスタイルも、モルタル壁とコーディネートしやすいです。

・家具選びを楽しむ
モルタル壁ならではの家具選びもインテリアのポイントになります。
白や黒、グレーといった無彩色系の家具に、素材はファブリック、レザー調の張地が合います。スチールやアイアン家具ならよりスタイリッシュな印象を与えるでしょう。
お部屋の雰囲気がどうしても硬質感が強くなるので、木質系の家具を選んでみるのもおすすめです。

・自由なカラーリング
室内を明るくしたいのなら、一般的によく使われるポルトランドセメントの鉄分を少なくして白色化した白色ポルトランドセメントが最適。
さらにお好みの顔料を混ぜて独自のカラーモルタルを作ることも可能です。また、墨を入れた墨モルタルは、濃淡や経年変化を楽しめるので人気があります。

・仕上げ方も個性的に
モルタルは施工性が高く、塗り方ひとつで個性的な仕上がりになります。
平らで滑らかな金鏝(かなごて)仕上げ、箒ではいたような模様ができる刷毛引き(はけびき)仕上げ、専用の器具で荒く模様を作る引っ掛け・叩き落とし仕上げなど、左官職人さんにどんな仕上げ方ができるか聞いてみましょう。

モルタル壁の施工方法

実際、どのような手順で室内壁をモルタルで仕上げていくのでしょうか。

1.壁紙をはがす
既存の壁紙をはがして撤去し、裏紙もきれいにはがします。

2.マスキングと養生
塗る箇所と塗らない箇所の境界線にマスキングテープを貼っていきます。zまた、エアコンと壁との設置面にもマスキング処理を施します。さらに畳や床にはビニールシートを貼り、窓、柱や鴨居の木部を養生していきます。

3.下地の点検、補修
下地に亀裂があったりしたらパテで埋めて補修します。

4.シーラー処理をする
シーラー(吸水調整材やモルタル接着増強剤といった下地処理剤)を下地に塗布します。

5.モルタルを練る
セメントと砂を1:3の割合で混ぜ、水を加えて練り合わせたモルタルを作ります。

6.モルタルを塗る
モルタルの種類によっては数回に分けて塗ります。

7.保護塗料で仕上げ
撥水効果のある保護塗料で仕上げて完成です。

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室内をモルタル壁にするための費用


どんな原材料を使うか、施工条件などにより費用は変わってきますが、一般的なモルタルをはじめとする塗り材と、6畳部屋の壁を塗り替えた場合(〔〕内)の目安です
・普通モルタル:3,000円/㎡〔9万円〕
・墨モルタル:3,500円/㎡〔10万円〕
・モールテックス(※1):20,000円/㎡〔60万円〕
・ジョリパット(※2):5,000円/㎡〔15万円〕
※1 耐久性、防水性、意匠性など高い機能性を持つベルギーBEAL社の左官仕上げ材。
※2壁面仕上げ用の塗材。豊富なカラーとデザインのバリエーションで、外装だけでなく近年では内装での使用が増えています。

気軽に取り入れるならモルタルブロック調タイルもおすすめ

モルタル調の塩化ビニルタイルなら、防水性に優れて施工もしやすいのでおすすめです。
モルタルブロック調タイル:3,000円/㎡〜8,000円/㎡

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まとめ

外壁に使われることの多いモルタルですが、その色や素材感がクールでしゃれていると、室内壁にも注目を集めています。特にインダストリアルスタイルやブルックリンスタイルなどにマッチするので人気です。そんなモルタル壁をさらに詳しくお知りになりたい方は、ぜひお気軽にナサホームにお声掛けください。施工事例を交えてご提案させていただきます。