二世帯住宅へリフォーム!費用・間取り・利用できる補助金は?

結婚、出産、両親の退職などをきっかけに、二世帯住宅にリフォームすることを考えてはいるものの、「費用がいくらになるのか」や「間取りをどうするのか」、「賃貸でも二世帯住宅にリフォームできるのか」などで悩んでいませんか? 今回は、そんな二世帯住宅のリフォーム方法や費用、施工事例について紹介していきます。


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【事前に確認】一軒家or賃貸で二世帯住宅リフォームするには

まずは、二世帯住宅にリフォームする前に確認しておきたいことについて解説します。ここでは「賃貸マンションで二世帯住宅する場合」と「一軒家で二世帯住宅にする場合」を分けて紹介していきます。

一軒家のリフォームで確認したいこと

はじめに、一軒家のリフォームで確認しておきたいことを見てみましょう。

まず確認するのは、お互いのプライバシーが守れるかどうかですよね。どれくらいプライバシーを保ちたいかは人によってさまざま。家族でどの程度のプライバシーを保護するのか話し合っておくことが大切です。

また、リフォームする際にはまとまった費用が必要になります。費用の負担はどのようにするのかも事前の話し合いが必要です。見積りをもらった段階で、支払方法についてもしっかり確認しておくようにしましょう。

さらに、家というのはたとえリフォームであっても非常に大きな資産です。相続についても考えておく必要があります。住んでいた子が家を相続することになりますが、子がいない場合の相続はどうなるのでしょうか。相続トラブルを防ぐために、話し合っておきましょう。

なお、親世代の将来や介護のことを考えて、バリアフリーの必要性についても検討しなければなりません。手すりやスロープはあとからでもつけることができますが、最初からリフォームの一環として組み込んだほうがスムーズですよね。

賃貸を二世帯住宅にするには大家さんに確認

賃貸物件は無断でリフォームすることができないため、必ず大家さんに確認しましょう。もし許可を得ても、退去時に原状回復しなければいけない場合があります。原状回復にもリフォーム費用がかかるため、慎重に決めましょう。なかには、築年数が数十年経っているからといった理由から、原状回復なしでもリフォームできるところがあります。

また、同居人数が増加するときは大家さんへの報告が必要です。特に断りもなく、登録されていない人が住み始めると規約違反となってしまう可能性があるので注意してください。

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二世帯住宅リフォームでできる3種の間取りを確認

二世帯住宅には、主に3種類の間取りがあります。家族の生活スタイルに合わせて大まかに間取りを決めましょう。

間取り①「完全同居」の特徴

完全同居は、二世帯が浴室やトイレなどの設備や生活空間を共有するいわゆる「ひとつ屋根の下」タイプの間取りです。親と子世帯が同じ空間で過ごすことになるので、賑やかな家庭になるのではないでしょうか。子供がいる場合は親世帯に手伝ってもらえたり、親世帯が高齢になると子世帯が介護のサポートをしたりと助け合える関係を築くことができます。

また、完全同居の場合は、他の間取りタイプと比べて工事部分が少ないため、費用を抑えることが可能です。一方で、プライバシーを保ちにくいことがデメリットとなり、それにストレスを感じて同居を断念する人もいます。特にデリケートな人には、おすすめできない間取りかもしれません。

間取り②「完全分離」の特徴

完全分離の間取りは、外から見るとひとつの建物ですが、内装は完全に仕切られており、内部から行き来することができなくなっています。

プライバシーを保ちやすく、どちらかの世帯がいなくなった後は賃貸にすることもできるので、将来のことを考えると使い勝手のいい間取りです。

しかし、キッチンやユニットバスなど、同じ設備をふたつずつ揃えなければいけないので、ある程度の広さも必要ですし、費用も倍かかってしまいます。

間取り③「部分共有」の特徴

部分共有は、生活空間は別々ですが、玄関や浴室、洗面所など一部を共有する間取りです。完全分離型とは違い、ある程度のコミュニケーションスペースが生まれるため、プライバシーと家族とのバランスが取れやすくなります。また、共有部分が多いほど費用を抑えることができます。
しかし、共有部分をしっかりと話し合って決めないとプライバシーを保ちづらくなり、家具や家電の使い方をめぐってトラブルになりやすいので注意が必要です。

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二世帯住宅リフォーム内容と費用


具体的にリフォームの計画を進めようとするとき忘れてならないのが、どのくらい費用がかかるかという点です。工事の内容ごとに、費用相場を紹介します。

間取りの変更

二世帯住宅のリフォームでは、間取りの変更を行うケースが多く見られます。費用の目安は次のとおりです。

間取りの変更リフォームと費用

部屋の増築(木造) 約70万円/坪
玄関の増設 100万円~250万円程度
間仕切りの設置・撤去 10万円~25万円程度

部屋の増築は、2階への増築だと1階よりも費用が高くなる傾向があります。ここで紹介している金額は1階に増築する際の目安ですので、2階への増築を希望している場合は少し予算を多く見積もっておくと良いでしょう。

坪あたり70万円というと、8畳ほどの部屋を増築したときに280万円程度の金額がかかる計算になります。

玄関の増設は、完全分離の住まいへリフォームする際に行う工事です。世帯ごとに玄関を使いわけることで、居住スペースを完全に分けられます。2階部分に玄関を設置する家庭も増えており、玄関と階段の新設工事であれば100万円程度からが費用の目安です。

間仕切りの設置・撤去は、リビングを広げて大人数で集まりやすい空間にしたり、反対に仕切りを設置して部屋を増やしたりするときに用いられる工事です。この工事では、壁や天井のクロスおよびフローリングの張替え工事を伴うことが多いほか、ドアの設置が必要な場合もあります。

水廻り設備の追加

次に、水廻りの設備を追加するときの費用相場を見てみましょう。水廻りを別々にすることで、世代ごとに生活リズムが違っていても気を使うことなく使用できます。

水廻りリフォームと費用

キッチンの増設 100万円~200万円程度
ユニットバスの増設
トイレの増設 約70万円

キッチンの増設は玄関の増設と同じく、完全分離の住まいにする際に必要です。費用の幅は、簡易的なミニキッチンの設置か、本格的なキッチンの設置かによって異なります。キッチンの本体価格に加えて、取付工事や給排水管工事などの費用もかかることにも注意しましょう。

ユニットバスやトイレの増設も同様で、設備のグレードによって本体価格が大きく変わります。工事費用も取付・給排水管・内装・間取り変更などさまざまな項目で必要です。

水廻りの設備追加は、2階に新しく設置するケースが主流です。もともと1世帯が住んでいたところへもう1世帯が加わる際に、2階に設備を整える必要性が生まれるからです。

各家庭の生活スタイルによって、トイレのみ・もしくはバスのみの増設など、実際の生活をシミュレーションしながらリフォームの計画を立てましょう。

バリアフリーリフォーム

高齢の親世帯と同居をする場合は、バリアフリーリフォームを検討しましょう。

バリアフリーリフォームをすることで、高齢者の方だけでなく小さなお子さまも安全に生活を送れるようになります。費用の目安は次のとおりです。

バリアフリーリフォームと費用

手すりの設置 約1万円/一か所
段差の解消 2万円~15万円程度
開き戸を引き戸に変更 約15万円

手すりの設置は比較的気軽にでき、家の安全性を高められるリフォームです。階段や廊下だけでなく、トイレや浴室にも手すりをつけることで、家の中で転倒事故が起きるリスクを軽減できます。

高齢者の方は、日常生活において転倒によって大きなケガをしてしまうこともあるため、手すりの設置は優先度の高いバリアフリーリフォームといえます。

段差の解消は、部屋やトイレなど入り口でつまずいて転倒するのを防ぐための対策です。木を埋め込んだり、段差にスロープを取り付けたりする方法があります。

年齢を重ねると、身体機能が低下し歩行時につまずきやすくなってしまうため、家の安全性をより高めるために考えておきたいリフォームです。

開き戸を引き戸へ変更するのは、開き戸は足が挟まりやすい、車椅子での移動がしにくいなどのデメリットがあり、高齢者の方にとって負担が大きくなってしまうためです。引き戸にする際には、レールが不要である「上吊り引き戸」のタイプを選ぶと、床掃除の手間を軽減できます。

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二世帯住宅リフォームで受け取れる補助金を確認

二世帯住宅の特徴と費用をお伝えしてきましたが、費用が高くてリフォームすることを懸念している方もいるのではないでしょうか?実は二世帯住宅にすることで補助金を受け取れる制度があります。二世帯住宅に適用される補助金制度は以下になります。

①長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅の長寿命化や省エネ化等の性能向上、また子育て世帯向けリフォームが対象となる事業です。三世代同居のリフォームであれば、条件を満たすと150万円から300万円、または工事費の1/3が補助されます。

②地域型住宅グリーン化事業(令和2年度の実施は未定)

地域の中小工務店等による長期優良住宅等の整備と三世代同居対応工事を支援する制度です。業者に対して補助金が支給されるものですが、発注者に還元されるのが前提にあります。
ただし、令和2年度の実施は未定であるため、補助金の活用を考えている方は新着情報をチェックしておきましょう。

③エネファーム設置補助金

指定の家庭用燃料電池システムを導入すると、条件次第で3万円から20万円の補助金が支給されるものです。一回この補助金が採択されると6年間は家庭用燃料電池を使用することが条件なので、忘れないでおきましょう。

これらの補助金はいずれも国費なので、併用はできません。ほかの補助金制度でも国費でなければ併用できる場合があるので事前に確認するのをおすすめします。

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二世帯住宅リフォームのよくある失敗例

二世帯住宅は、家事や育児のサポートが受けられる、経済的な負担を軽減できる、家の中に人が多くいることで安心、といったメリットがあります。

しかし、メリットだけでなく、デメリットが存在するのも事実です。どのようなデメリットがあるのかを事前に知り、リフォーム方法を工夫してできる限りデメリットを解決しましょう。

プライバシーの確保ができない

完全同居や部分共有をしている住まいに多く見られる悩みです。

親世代は子世代よりもどうしても家にいる時間が長くなるため、常に誰かがいることで、ゆったりくつろぐのが難しいと子世代は感じてしまうかもしれません。ひとりでのんびり過ごしたいと思っても、なかなかできないこともあるかもしれません。

また、お互いの生活空間に頻繁に行き来してプライバシーが守られないといったことがあれば、世帯間でストレスを感じやすくなるかもしれません。同じ家に住んでいても、世帯ごとの生活スタイルやプライバシーにはしっかり区切りをつけたいものです。

これらの悩みを解決するには、完全分離でリフォームすることがおすすめです。完全分離にすることで、家の中から行き来できなくなるため、お互いが必要以上に干渉することなく生活できます。

予算などの都合で完全分離にするのが難しい場合は、住み始める段階でルールを設け、お互いが気持ち良く過ごせるようにしましょう。ルールの例として、断りなく部屋に入らない・お互いの生活スタイルに干渉しないなどがあります。

水道・光熱費の負担が不平等

親世代と子世代の在宅時間を比較すると、どうしても親世代の方が長くなるものです。しかし、完全同居にも関わらず水道や光熱費の負担を半分ずつにしてしまうと、在宅時間が短い子世代にとっては不平等だと感じる可能性があります。

二世帯住宅で生活を始める前に、あらかじめ負担額を相談し、お互いが納得の行く割合で負担しあうようにしましょう。

また、建物の構造上メーターを複数取り付けられるようであれば、それぞれの階ごとでメーターを設置し、使った分だけ自分たちで支払う方法もあります。

ただし、メーターを複数設置すると、工事費用が大きく膨れ上がってしまううえ、毎月の基本使用料もメーターの数だけ支払わないといけません。子メーターを設置し、使用割合に応じて負担を決める方法もありますので、どの方法が合っているかは相談して決めておきましょう。

収納が不足する

二世帯住宅では二世帯分の収納が必要なため、住む期間が長くなるにつれて押し入れやクローゼットの中身が増えていき、収納スペースが足りなくなってくることがあります。

完全同居や部分共有の二世帯住宅だと、それぞれの世帯ごとで収納スペースを分けていても、いつの間にか線引きが曖昧になってしまうでしょう。

特に、玄関は二世帯分の靴や傘が集まるうえ、いつの間にか収納場所が変わっているパターンも多く、収納不足になりやすくなりやすい箇所です。リビングを共有している家庭では、世帯ごとの収納範囲がさらに分かりにくくなってしまいます。

収納スペースを世帯ごとに決めておくことや、あらかじめスペースを多めに確保することが大切です。

水廻りが混雑しやすい

キッチンや洗面台などの水廻りは、家族が多いほど混雑しやすくなります。特に、朝家を出る時間帯が近いと、家族の行き来が多く使いづらいと感じることがあるかもしれません。ひとつの洗面台しかなければ、複数人が同時に顔を洗ったり歯磨きをしたりするのは困難です。

二世帯住宅では、できるだけキッチンや洗面台はふたつ用意することをおすすめします。キッチンはふたつあれば、互いが使う時間帯を気にせず料理を作れますし、ミニキッチンにすれば比較的予算は抑えられます。

さらに、家事動線を考慮することも大切です。家族が移動しやすいように、通路幅は広めにとっておきましょう。

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二世帯住宅用リフォームの事例を確認

最後に二世帯住宅のリフォームをすると決めたら、リフォーム業者の事例を確認しておくのがおすすめです。イメージを作るためにも、事例を見てみましょう。以下はナサホームの二世帯住宅による施工事例です。

リビングダイニングの一角に小上がりの和室

リビングダイニングは家族やお客様が集まるだんらんの場所。テーブルとイスを使って食事をするのが一般的ですが、やはり床に座ってもっとくつろぎたい…という方もいるのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、小上がりの和室です。和室を囲む扉の部分を開放的にすれば、圧迫感なく広いリビングダイニングを実現でき、三世代の大人数での食事もにぎやかに楽しむことができますよね。

フラットで快適な住宅

二世帯住宅にするときに、将来の介護などのことを考えて家中の段差をなくすという手もあります。フラットな住宅は高齢者だけではなく子どもにも安全です。

高齢になるとちょっとした段差でも転倒の危険があり、動くのが億劫になってしまうこともあります。そうならないために、手すりをつけたり段差をなくしたりするリフォームもおすすめです。

そのほかの施工事例はこちら
⇒ナサホームの施工事例

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まとめ

今回は二世帯住宅のリフォームについてご紹介しました。二世帯住宅にするには一軒家がおすすめ。一軒家なら自分たちの好きなようにリフォームすることができますよね。
完全同居、完全別離、部分共有など二世帯住宅の間取りは大きく分けて3つ。広さや将来の見通し、部屋数や予算、ライフスタイルなどを考慮しながら、家族全員が納得のいく間取りで二世帯住宅をつくりましょう。

リフォームなら関西圏で実績を重ねているナサホームにお問い合わせください!これまでの累計施工数は約62,000件にのぼり、信頼と実績はほかに引けを取りません。相談とお見積りは無料なので、まずはお気軽にご相談ください。