意外と機能的!?今見直される和紙壁紙の魅力

壁紙はその名前の通り、もともとは紙を素材としていましたが、現在ではその多くが樹脂などを使ったものに変わってきています。しかし近年より環境と人に優しく、温もりある素材として、往年の紙製の壁紙の人気が再燃し始めています。 今回は壁紙の中でも和紙を素材として用いた壁紙について、機能性や価格、施工の難易度などの観点からクローズアップ。樹脂やビニールの壁紙などの比較も併せて行ってまいります。


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壁紙の素材にはどのようなものがあるの?


壁“紙”といっても、現在多くの住まいで使われているものには紙が使われているものはあまりありません。和紙系の壁紙のメリットの解説とともに、それぞれの素材の特徴も併せて押さえておきましょう。

壁紙の素材

■紙系壁紙
日本よりも西洋で需要が高いのが紙を素材とした壁紙。材料としてはパルプが一般的ですが、日本ではコウゾやミツマタなどの伝統的な和紙の原料を使用したものも。その他にもケナフなどの草を素材に使ったものなどもあります。模様などがつけやすく、吸音性や通気性に優れているため、寝室などに使用するのが一般的です。

■繊維系壁紙
綿や麻など布系の素材や、レーヨンなどの合成繊維から作られる壁紙です。風合いが柔らかく厚みもあって、高級感のある雰囲気を作り出すこともできます。壁紙と同様に通気性があり、吸音性や調湿効果も期待できます。また水にも強く破けにくいため、ホテルや美術館にも用いられています。

■樹脂系壁紙
塩化ビニールなどの樹脂を使用した壁紙の特徴は、安価で汚れに強く、お手入れの手間もそれほどかからないという点。さらに、消臭や防カビなどの機能が豊富なのが特徴です。また、加工やデザインもしやすいため、カラーテクスチャのバリエーションが高いのも特徴です。

■無機質系壁紙
珪素土やセラミック、ガラス繊維を用いた壁紙。なお漆喰もこの無機質系壁紙に含まれます。
最大の特徴は耐火性に優れている点。また、壁の全てを無機質系素材とせずとも、手頃な価格で土壁や砂壁のような風合いを獲得できるのも魅力です。

■その他の壁紙
この他にもプラスチックや木質系素材を用いた壁紙が存在します。プラスチック系の壁紙は、塩化ビニルと同じ汚れや水に強いのが特徴ですが、樹脂と違い燃焼時にダイオキシンや有害なガスが生じにくいので環境の優しい点がポイント。さらに木質系の壁紙は、コルクを使ったものや銘木シートと呼ばれる木材を薄くスライスしたものを壁紙として使用するものがあります。木質系の壁紙は木の柔らかい印象を住まいの中に与えることができますが、反面水に弱いためトイレやキッチンなどに使いづらいのが難点です。

古くから愛され続ける和紙壁紙の魅力

壁紙にはさまざまな素材があり、長い歴史の中で新しい機能を追加しながら進化を続けてきています。その中において、「和紙」という古来の素材が今もなお愛用されているのはなぜなのでしょうか。

■美しい模様と立体的なデザインが作り出せる
和紙には凹凸からなる美しい模様がありますが、これは和紙を漉く工程で上から水を落として模様を描く落水という技法。落水による模様は、水の落ちる勢いなどで2つとして同じものはないのが特徴。こうした和紙を壁紙として使うことで、お部屋に柔らかで温かい風合いが生まれます。また、仕上げに刷毛による色付けを行うことで、落ち着いた空間から、お客さまをお迎えする華やかな空間まで、さまざまな表情を作り出すこともできます。

■調湿性に優れ、身体にやさしい
和紙という素材の特性上、壁紙が空気中の湿気を吸収しお部屋の中の湿度を一定に保ってくれます。また、樹脂系の壁紙の一部で懸念されているような、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドが発生しないのも魅力のひとつです。

和紙壁紙を選ぶ際に注意したいこと

さまざまな利点がある和紙壁紙ですが、施工を依頼する前に知っておいた方が良いデメリットも存在します。

■水に弱い
和紙壁紙はある程度の調湿作用はあるもの、直接かかるような水には弱いのがデメリット。
そのため水回りに使用することはできません。また、油などがかかるとシミとなってしまうため、食卓の近くやキッチン周りへの施工も不向きです。

■施工に技術が必要
和紙壁紙は、表面に糊がつくと拭き取るのが難しく施工時には細心の注意が必要。また下地が甘かったり糊付け時にムラがあると、シミとなって壁紙の表面に現れてきてしまいます。そのため、施工ができる業者が限られ、施工価格も上がってしまうという難点があります。

■日に焼けやすい
直射日光が当たるような壁では和紙壁紙が焼け、茶色く変色してしまうことがあります。

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和紙壁紙の施工方法・向いている部屋とは?


和紙の壁紙の表情や機能を十分に活かすには、どのような部屋・場所に施工すれば良いのでしょうか。

和紙壁紙に向いている部屋・向いていない部屋

■和紙壁紙の施工に向いている部屋
和紙壁紙の施工に最適なのはやはり和室。襖や障子、調度品との相性も良く、特にお客さまをお迎えする応接室が和室となっている場合は、雰囲気のある美しい空間が出来上がります。
また、和紙の落ち着く風合いや調湿機能を発揮させるなら、寝室に使用するのもおすすめです。さらに、刷毛で色を加えた和紙壁紙であれば、フローリングのリビングにも最適。アクセントクロスのように色を切り替えると、和洋折衷のモダンな雰囲気となります。また、壁紙ではありますが、天井に施工することもできますので照明器具にこだわったリビングなどの天井を和紙にして、和紙表面で柔らかく光を反射させて楽しむという使い方もあります。

■和紙壁紙の施工に向いていない部屋
和紙壁紙は水に弱いため水廻りへの施工は控えましょう。また、汚れがつきやすいためペットのいるお部屋や子供部屋への使用も向いていません。また、トイレなどの匂いがこもりやすい場所も、壁紙が匂いを吸着してしまうので不向きです。

和紙壁紙の貼り方

実際に和紙壁紙を貼る場合にはどのような手順を取れば良いのでしょうか。

下地にパテ処理を行います。この時のパテは必ず下地材と同じ色を選びます
続いて壁紙の変色を防ぐためにシーラー処理を行います
壁に釘・ねじがある場合は、錆止めを行い、壁紙への色移りがないようにします
カットした壁紙を直張りしていきます
柔らかな刷毛を使って壁紙を均します
つなぎ目の余った紙をカットします
ウレタンなどの柔らかなローラーでつなぎ目が見えないように処理を行います

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和紙壁紙の費用&施工事例


ナサホームでも和室を中心としたリフォーム事例において、たびたび和紙壁紙の施工をおこなってまいりました。ここではその施工事例とおおよその費用についてご案内してまいります。

和紙壁紙の相場と、施工費用

和紙壁紙の場合、壁紙のグレードによって施工費用は大きく異なります。
特に、職人が1枚1枚漉いた高級品を用いる場合は非常に高価なものとなります。

【材料費・施工費の一例】
■パルプなどを用いた紙クロスの場合:1㎡あたり1,500円〜
■天然素材の和紙の場合:1㎡あたり2,000円〜
■撥水加工を施した和紙クロスの場合:1㎡あたり2,500円〜
■コウゾやミツマタを使った手漉き和紙の壁紙の場合:1㎡あたり15,000円〜

さらにリフォームによって和紙壁紙を貼る場合は、養生・既存壁紙の撤去・処分費用などが発生します。

ナサホームの施工事例

■ネイビーのアクセントクロスで和モダンな空間

リビングと一続きのオープンな和室を縮小し、ネイビーのアクセントクロスを貼りました。ダウンライトでスッキリとし、和モダンでおしゃれな空間になりました。

この施工事例の詳細はこちら

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まとめ

ビニールや樹脂を使った壁紙とは少し違い、繊細な技術が必要となる和紙の壁紙。
手間はかかるもののそれに見合った美しい風合いが実現できます。皆様もこだわり抜いた和室やゆったりとリラックスしたい寝室などの壁紙としてぜひ施工をご検討ください。
ナサホームには、和紙素材の壁紙の施工にも長けたスタッフも数多く在籍しております。施工はもちろん、ご予算に合わせた壁紙選びや空間のデザイン提案までトータルに行ってまいりますのでぜひご相談ください。