劣化した窓枠はリフォームできる?交換や補修のポイントとは?

住まいの採光や断熱、防音など様々な機能をもつ窓。こうした機能を考える時に、窓ガラスやサッシについて思い巡らすことが多いものの、ケーシング(額縁)やレールを含めた窓枠そのものについて考えることは、あまりありません。 しかし、この窓枠にも大切な役割があり、また窓やサッシのように経年劣化してゆきます。 今回はそんな、窓枠のリフォームについてのお話。気が付いたら、窓枠が傷んでいた、腐食していたといったことにお悩みの方に向けて、リフォーム方法などを詳しく紹介してまいります。


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窓枠はリフォームできる?

窓枠の役割

窓枠は、建物の開口部で窓を設置する場所の周辺にある、レールなどの部分の総称です。
室内側には、多くの場合木枠などで作られたケーシング(額縁)と言われる部分があり、これを含めて窓枠と捉えることもあります。
窓枠には、窓やサッシを枠内にきれいに収めるという役割があります。特にサッシは窓周辺に集まる水を処理するために、複雑な形状になっていることも多く、これを上手に隠して窓そのものを美しく見せることにも役立っています。

古い窓枠を放置すると・・・?

窓枠は常に紫外線や雨水にさらされています。また冬などに結露が発生するような窓であれば、結露の水分によって窓の額縁に水がかかってしまうということもあり得ます。紫外線をカットするカーテンを使用したり、こまめに水分を拭き取ることでこうした劣化は遅らせることができますが、いずれにせよ金属や木製のものであれば20〜30年。樹脂を用いたものでも、50年ほどで耐久年数の限界を迎えます。
窓枠やサッシは、使い続けていくと木製のものであれば、表面の塗装やシートがボロボロと破けたり、木材の部分が色褪せやささくれが目立つようになりますし、樹脂製のものであれば粉が吹いて、割れやすくなっていきます。さらにこうした問題を放置しておくと、建物の内部に水やカビが侵入してしまうといった大きな問題に発展してしまうこともあるのです。

窓枠を新しくすることで住まいは快適になる

窓枠は窓ガラスやサッシと同じく、窓がさまざまな機能・効果を発揮するために重要な役割を果たしています。窓枠に隙間があれば、音や湿気・冷気などが壁の中や室内に侵入しますし、窓枠が歪んだり劣化していると、窓ががたついたり、開け閉めしにくくなったりするだけでなく、防犯上のリスクも向上します。
家全体の防音や断熱・防犯を考えるのであれば、窓ガラスやサッシに加え、窓枠そのものの補修や交換を検討しておくと良いでしょう。

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補修?交換?窓枠のリフォーム方法


窓や窓枠をリフォームする方法としては既存の窓を残して化粧板などを取り付けるものと、窓枠を含めた窓全体を取り替えるものがあります。

古い窓枠の交換工事方法

■化粧板の取り付け
窓枠の劣化がそれほど激しくない場合は、窓枠部分に化粧カバーなどを取り付けることで、既存の木枠に水が染み込んだり、下地が劣化するのを防ぐことができます。化粧カバーは樹脂製のものが多く、水に強いのが特徴。また、施工も極めて簡単で、半日ほどで完了することができます。
また、場合によっては劣化した枠の表面を削り、防水性の高いペンキを塗装したり、ラッカー系の塗料塗料やパテで、元の木目を再現することもできます。しかしながら、これは一時的な補修に過ぎませんので、あくまで木枠の内部まで劣化が進んでいない場合にのみ選べる方法です。

■窓枠全体の交換
窓の木枠が割れたり、ヒビが入って水が侵入するなど大きな劣化が見られる場合は枠そのものを取り替える必要があります。この枠部分を交換する際は、サッシや枠に取り付けるためのビスなどを取り除き、場合によっては壁内部の石膏ボードに付けられたパテなども合わせて取り外した上で、木枠を外して、新たなものと取り替える必要があります。
この工法の利点としては、窓全体のリフォームも行えるという点。機能性の高い窓ガラスやサッシのリフォームと共に行うと、より高い断熱性や防音性を獲得することができます。

窓枠をなくすFIX窓も選択肢にしてみよう

窓の木枠部分は、水濡れや紫外線に弱いもの。西向きなどの日差しが強い部分や湿気多い場所の窓は、思い切ってFIX窓(はめ殺し)にしてしまうのも一つの選択肢です。
採光は開閉できる窓と変わりませんし、機密性が高く、落下事故の防止などにもつながります。

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窓枠のリフォーム費用と注意点


壁内部への水の侵入などにつながる窓枠の劣化。できれば早い段階でリフォームや補修をしたいものですが、こうした依頼をするためにはいくつか注意する必要があります。

窓枠を含めた窓リフォームの費用

■窓の塗装や化粧板の取り付けにかかる費用
塗装や化粧板の取り付け費用は、一箇所あたり2〜5万円程度とかなりローコスト。施工期間も半日ほどとなります。

■窓枠を交換する場合
窓枠を交換する場合は一箇所あたり5〜8万円程度となります。ただし、窓枠のデザインにこだわる場合はさらに費用がかかります。

■窓枠を含めた窓全体のリフォーム費用
窓枠と合わせて窓ガラスやサッシもリフォームする場合の費用は15〜35万円ほどとかなり幅があります。これは窓ガラスやサッシの機能やグレードによって異なるもので、断熱性・防音性に優れた二重窓や防犯性の高い窓の場合は費用が高くなる傾向にあります。

■足場の費用
窓が2階以上にある場合で、室内から作業ができず、また屋外に作業者の足がかりとなる場所がない場合は足場を組む必要があります。この場合の足場の費用は1㎡あたり1000〜1500円ほどが必要です。

マンションなどでは窓枠やガラスの交換には注意が必要

分譲マンションや賃貸物件の窓枠を交換する場合、窓枠やサッシは共用部分に該当することが多く、個人でリフォームを依頼することはできません。
この場合は物件オーナーや管理組合を通して、リフォームをする必要があります。これらはマンションの規約などに明記されていることが多いので、窓枠の劣化などが気になった場合は、まずこうした規約に目を通すか、管理組合や大家さんに相談してみましょう。

窓・窓枠リフォーム施工事例

お気に入りの景観を引き立たせたこだわりのリフォーム

1番のご要望でした「キッチンの景観を損なわないように」ということで、既存の格子を撤去して、開口の広さを活かしFIXと引き違い窓を組み合わせました。

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新設したFIX窓で自然光が降りそそぐリビング空間

3階建てを2世帯住宅へリフォーム。北側にあったリビングダイニングを西側へ移設したリフォーム事例です。FIX窓を新設するなど採光の工夫を考え、自然光が降りそそぐ明るい空間になりました。

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ガラスブロックの明るい窓

ガラスブロックの窓を造作しました。採光ができ、明るい空間になります。

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まとめ

窓の機能性は窓ガラス、アルミや樹脂のサッシ部分が重要と考えがちですが、実際にはサッシと壁をつなぐ窓枠部分にも重要な役割があります。窓枠部分が結露などで黒く変色していたり、紫外線によって色褪せたり脆くなっている場合は、窓枠の補修や交換を検討してみましょう。また、この窓枠の変更は窓全体の機能性を高めるためのリフォームのチャンス。
ナサホームでは、皆様のお住まいの状態に合わせて適切なリフォームプランを提案してまいります。窓枠の劣化にお気づきの場合は、まずはお気軽にご相談いただき、現地の調査やお見積りをご依頼ください。