目次
浴槽の水漏れはどこから?
浴槽で起こる水漏れとその原因
◼️浴槽本体のひび割れや劣化
浴槽は長年の使用で表面に細かいひびが入ったり、衝撃でクラックが発生することがあります。樹脂製浴槽では経年劣化による樹脂の硬化が進むと、目に見えない小さな亀裂から水が漏れ出すことがあります。特にFRP(繊維強化プラスチック)浴槽では、この現象が比較的多く見られます。
なお、従来工法の浴槽の場合、耐用年数は15〜20年ほど、ユニットバスの場合は15年ほどが耐用年数と言われていますので、この期間を過ぎている場合は、浴槽の劣化の可能性を検討しましょう。
◼️排水口まわりのパッキン劣化
浴槽の水漏れは浴槽以外からも起こり得ます。特に、排水口は金属部品と浴槽本体が接続されているため、パッキンやシール材が劣化すると隙間から漏水しやすくなります。普段は浴槽に水を張らないと気づかないため、発見が遅れることも多いポイントです。
◼️配管や給湯管の不具合
浴槽につながる給湯管や循環配管が劣化・破損すると、浴槽の外で漏水が進んでしまいます。この場合、浴槽内部に水が残っていても浴室の床下へと漏れてしまうため、発見が遅れると大きな被害につながります。
◼️シーリングやコーキングの劣化
ユニットバスの場合、浴槽と壁の接合部にシーリング材が充填されています。ここが経年で硬化して割れたり、剥がれたりしてしまうと、入浴時の湯が隙間から浸水し、床下に漏れる原因となります。
浴槽の水漏れを放置してしまうと?
浴槽からの水漏れを放置すると、床下や浴室外に水侵入し、カビやダニ、シロアリなどが発生を招くだけでなく、住まいの床下や基礎の腐食にもつながります。また、給水管や給湯器が水漏れの原因となっている場合、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性もあります。
お風呂の水が溜まりにくいと感じたり、自然と浴槽の水が減っていると感じたりする時は、まずその原因を突き止めた上で、早めに応急処置や交換の検討を始めましょう。
水漏れを発見したらどうする?応急処置と初期対応
浴槽の水漏れを発見したら、まずは焦らず以下の対応を行いましょう。
◼️水栓を閉める
まずは浴槽への給水を止め、被害の拡大を防ぎます。
◼️水を抜いて乾燥させる
水を張ったままにすると漏水箇所の特定が難しくなるため、一度排水し浴槽内部を乾燥させます。
◼️漏水箇所を確認
漏水している場所が浴槽本体なのか、排水口なのか、シーリングなのかを目視で確認します。ただし、床下や壁裏の配管トラブルは専門業者でなければ特定が困難です。
◼️応急処置は一時的なものと認識する
防水テープや補修パテで一時的に漏れを止められることもありますが、これらはあくまで応急処置となります。放置すると再発・悪化するため、必ず業者に診断を依頼しましょう。
浴槽の水漏れは修理で直る?交換が必要?
浴槽の水漏れが起きたときに何より気になるのはその交換費用のこと。
特に修理が難しく、浴槽の交換が必要になるとコストも大きくかかります。ここでは浴槽のトラブルが修理で対応可能なのか、交換が必要になるかの判断基準を提示していきます。
修理で対応できるケース
◼️排水口のパッキン交換
◼️コーキングの打ち直し
◼️浴槽表面の軽微なひび補修(FRP補修材や樹脂コーティング)
浴槽そのものではなくその周辺にトラブルがある場合、これらは比較的低コストで対応でき、自分で補修することも不可能ではありません。しかし水廻りは再発のリスクが高く、DIYでの修理はあまり推奨されません。マンションであれば管理会社、戸建てであれば水廻りの修理に長けた業者に連絡を取って早急に修理を依頼しましょう。
交換を検討すべきケース
◼️浴槽本体に大きな亀裂がある
◼️経年劣化で全体的に脆くなっている
◼️配管や構造部分からの水漏れが広範囲に及ぶ
浴槽そのものが劣化したり破損したりしている場合は、基本的に修理することはできないと考えましょう。特にユニットバスでは、浴槽単体の交換が難しく、浴室全体の工事が必要になることもあります
ユニットバスと従来工法の違いと修理・交換工法
◼️ユニットバスの場合
ユニットバスは、工場で成型された浴槽・壁・床を一体で組み合わせているため、部分的な修理よりも「ユニットごとの交換」が前提になります。浴槽だけを取り替えることが可能なタイプもありますが、構造上制限が多く、結果的に浴室全体のリフォームになるケースが多くなります。
◼️従来工法の浴室の場合
タイル張りの浴室(従来工法)などは、防水層や下地の劣化による漏水も多く見られます。浴槽単体を交換することも可能ですが、防水処理を含めた大掛かりな工事になることが一般的です。
浴槽の交換にかかる費用相場
では実際に浴槽の交換が必要になった場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
浴槽本体の交換費用(素材別)
◼️FRP浴槽:10万円〜20万円前後
◼️人工大理石浴槽:20万円〜40万円前後
◼️ホーロー・ステンレス浴槽:30万円〜50万円以上
ユニットバス全体の交換費用
◼️標準的なマンション用1216サイズ:50万円〜100万円程度
◼️ハイグレード仕様:100万円〜
◼️浴室全体をユニットバスに変更:80万円〜150万円程度
従来工法の浴室をユニットバスにリフォーム
◼️浴槽交換+下地防水補修:30万円〜50万円程度
浴室全体のフルリフォーム
浴槽交換だけでなく、壁・床・天井も含めて一新する場合、100万円〜200万円が目安になります。築年数が経過している住宅では、同時に給湯器や配管工事を行うケースも多く、トータルでの予算はさらに上がります。
まとめ
浴槽の水漏れは、放置すると建物全体の劣化や下階への被害につながり、修理費用も高額になります。軽微な症状でも、まずは給水を止めて応急処置を行い、専門業者に点検を依頼することが最善策です。
◼️軽度のひびやパッキン劣化 → 修理で対応可能
◼️本体の亀裂や構造的な問題 → 浴槽交換や浴室リフォームが必要
◼️ユニットバスか在来工法かで工事内容・費用が大きく変わる
修理か交換かの判断はプロの診断を受けて行うことが大切ですので、浴槽の水漏れの可能性があるようであれば、水回りの専門業者またはナサホームのとお問い合わせフォームなどからご連絡いただき、浴槽の状況確認や交換のご相談をおすすめします。