寝室は人生の1/3を過ごす場所だから
人の理想的な睡眠時間は一日に8時間と言われています。つまり、私たちは生活のうちの1/3を寝室で過ごしているわけです。そう考えると、寝室を快適で寝心地良くするのはごくごく当然のことのように思えます。特に就寝時に気になる「音」を効果的に遮ることができれば、寝心地はずっと良くなるはずです。
就寝時に気になる音とは?
住まいの中で「騒音」として挙げられるものには「空気音」「固体音」の2つの種類があります。
空気音とは?
空気音とは、発生源から空気を伝わって届く音のことで、代表的なものでは部屋の外にいる人の話し声や、車や電車・飛行機などの通過音などが挙げられます。
こうした空気音は、伝わるための空気をシャットアウトすることである程度軽減することができます。
固体音とは?
固体音とは、発生源から壁や床などの固体物を伝わって届く音のことで、代表的なものでは、洗濯機や冷蔵庫の振動音、上階の床などから聞こえる足音、壁の中を通る給水管の音などが挙げられます。固体音は、その住まいの構造体を伝わってくるため遮断することが難しく、リフォームで対処するよりも就寝時間帯にこうした音が出なくする工夫をとることが重要となります。
空気音と固体音の複合
床に接地していたり、壁に密着しているような音の出る設備からは、空気音と固体音の双方が生まれます。この複合的な音源には、テレビや掃除機などの家電やピアノなどの楽器が挙げられます。この音を遮る際は、空気音・固体音それぞれの対処が必要となりますが、どちらか一方でも一定の効果は見込めます。
目指すのは30dB以下
音の大きさはdB(デシベル)という単位で表現されており、世界保健機構が定めた基準によると、夜間に聞こえる騒音で睡眠に影響が出るのは30dB以上。これは図書館の中よりもやや静かな程度です。寝室の防音を考える際は、ひとまずこの30dBを基準に考えて見ましょう。ちなみに防音効果を謳っているドアや窓には、建具の場合はT値、建築物であればDr値という遮音等級が設けられており、定められた建具や建築物を設けることでどれくらい騒音が軽減できるかを知ることができます。リフォームを検討する際は、まず夜間の寝室の音をスマートフォンのアプリケーションなどで計測しておくと、どの等級の建具や設備を使うべきかがわかりやすくなります。
寝室の防音対策、具体的には何をすればいいの?
空気音と固体音、2つの音のうちリフォームによって軽減効果が出やすい空気音。リフォームを検討する際は、まずこの空気音の対処が肝心。寝室の中の空気が出入りする開口部は、ドア・窓の2箇所となります。
防音ドアの設置
防音ドアとは、3方向(上と左右)に戸当たりパッキンと下にゴムパッキンがついたドアのことで、ドア自体の素材も二重になっているなどして、音の伝わりをシャットアウトしてくれるドアのこと。防音ドアにはT-1〜T4までの遮音等級が設けられており、T-2のドアでは約-30dB、T-4で約-35dB、T-5で約-42dBほどの音の軽減が見込めます。T-5は、ピアノルームやスタジオ、カラオケルームなどに使われることの多いドアですので、寝室の防音レベルであればT-2〜T-3レベルのドアを選ぶと良いでしょう。
防音ドアは等級やデザインによって価格が異なりますが、スタンダードなものを選んだ場合のリフォーム費用は20〜30万円ほど。費用内には既存のドアの解体作業費なども含まれます。リフォームにかかる日数は1日程度と比較的素早く防音を図ることができるのも嬉しいポイントです。
防音窓や防音サッシの設置
窓からの騒音は、窓ガラスのやサッシの変更で軽減できます。
防音のために窓をリフォーム場合、二重窓にするのが一般的な方法です。
これは既存の窓の内側にもう一枚、気密性の高い窓(内窓)を設置するもので、2枚の窓ガラスの間に空気の層が生まれ、この空間の中で音の振動エネルギーが減衰することで防音効果を発揮します。
また、空気音はわずかな隙間からも侵入します。そのため通常の窓ではサッシ部分の隙間にある空気を伝わって音が部屋内に侵入することも。そんな時に活躍するのが防音サッシ。窓枠にピッタリと付き、気密性を高めて音の伝わる隙間を無くしてくれます。
防音窓とサッシのリフォーム費用は100cm×100cm程度の窓であれば、5〜8万円程度。工事費用も1ヶ所の窓であれば半日ほどとスピーディに防音対策が講じられます。
防音対策と合わせて行う、寝室の居住性UPのリフォーム
固体音の軽減に有効な施策
固体音を軽減するためには、家の構造そのものを変更する必要があり、戸建はまだしも賃貸マンションなどで気軽に行うことはできません。
こうした場合、わずかでも固体音を防ごうと思うのであれば、窓や天井に防音。吸音性能のある壁紙やパネルを貼るという方法も考えられます。
これらのパネルや壁紙にも最近はさまざまなテクスチャやカラーバリエーションが生まれていますで、 リフォーム会社に施工が可能か聞いてみるのも良いかもしれません。
また、寝室とは別の居室のドアの開閉音が気になるという場合は、ドアの閉まる速度を緩やかにして音を軽減する、ドアクローザーを使用するなどの対処をして見ましょう。
家族で話し合ってリフォームプランを立ててみよう
寝室で一緒に寝ている家族のたてる音がうるさいといった場合は、寝室の間にパーテーションを立てる、思い切って寝室を増やすといったリフォーム方法も検討してみましょう。家族が心地よく就寝できるお部屋づくりのために、リフォームと併せて家族のライフスタイルも見直してみませんか?
ナサホームの寝室施工事例
■ゆったりと寛げる寝室
寝室の内装をゆったりとくつろげるものにし、防音と共に家具や寝具とのデザインバランスにもこだわって施工させていただきました。
まとめ
人が長い時間を過ごす寝室。ゆったりと静かに睡眠をとるためにはやはり静かな空間であってほしいものです。寝室の防音リフォームは比較的短期間で行えその効果は長く続くため、騒音でお悩みの方には思い切ってリフォーム会社に相談してみましょう。
ナサホームであれば、数々の防音対策リフォームの実績を駆使して、ご家族様の寝室のお悩みを解決するためのオリジナルプランを提案いたします。