古くなったブロック塀……そのままだと危険かも!
プライバシーの確保や防犯などに役立つブロック塀ですが、住宅内の設備とは違って生活で使うものではないので、あまり意識されないかもしれません。
しかし、ブロック塀も住宅内の設備と同じように、定期的なメンテナンスが必要です。古くなったブロック塀を放置すると、倒壊するなど事故が起こる恐れがあります。
劣化したブロック塀は倒壊する恐れも
ブロック塀は屋外に設置されているため、雨風や直射日光の影響によって日々劣化していきます。劣化したブロック塀は耐久性が落ちているため、地震や台風で倒壊する恐れがあります。ブロック塀が倒壊したときに、近くに人がいたら大変危険です。
ブロック塀の耐用年数はおよそ30年とされています。しかし、耐用年数30年というのは、「基準を満たした設計・施工を行った場合」です。
なかには基準を満たしていないブロック塀も存在するため、耐用年数の範囲内だからと何もしないのではなく、そもそも基準を満たしているかチェックしておきましょう。
建築基準法の改正で耐震基準を満たしていないブロック塀もある
2000年の建築基準法改正時に、ブロック塀に関する耐震基準も改正されています。2000年以前に設置されたブロック塀は、最新の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、耐用年数を超えていなくても早めにチェックしたほうが良いでしょう。
また、2000年以後に設置されたブロック塀でも、1度耐震性をチェックしてみるのがおすすめです。
建設業法上、500万円未満の簡単な工事であれば、役所への届け出は不要とされています。つまり、500万円未満であれば、誰でもブロック塀の施工ができるということです。
届け出の必要がなくても基準を守らなくてはならないのですが、なかには基準を満たしていないブロック塀があるのも事実です。自宅のブロック塀が確実に基準を満たしていると断言できないのであれば、安全性を確認したほうが良いでしょう。
自宅のブロック塀は大丈夫?いますぐできる簡単チェック法
「自宅のブロック塀が安全か不安…」、そんなときは自分でブロック塀をチェックしてみましょう。チェックポイントは以下の6つです。
1.塀の高さ | 地盤から2.2m以下かどうか |
2.塀の厚さ | 厚さ10cm以上かどうか
※塀の高さが2m超2.2m以下の場合は厚さ15cm以上であること |
3.控え壁の有無 | 塀の高さが1.2m以上の場合、塀の長さ3.4mごとに、塀の高さの5分の1以上の突出した壁(控え壁)があるか |
4.基礎の有無 | コンクリート造の基礎があるか
※塀の高さが1.2m以上の場合、基礎の根入れが深さ30cm以上あること |
5.塀の健全性 | ひび割れや傾き、ぐらつきなどがないか |
6.塀内部の鉄筋の有無 | 塀の内部に直径9mm以上の鉄筋が、縦横ともに80cm間隔以下で入っているか。縦筋は壁頂部と基礎の横筋に、横筋は縦筋にかぎ掛けされているか |
基礎の根入れの深さや鉄筋の有無については専門家に見てもらう必要がありますが、それ以外の項目は自分でもチェックできます。
上記のポイントをチェックして、ひとつでも満たしていない基準がある場合は、ブロック塀のリフォームや撤去を検討しましょう。
ブロック塀のリフォーム方法と費用相場
自宅のブロック塀が耐用年数を超えている、基準に適合していなかったなどでリフォームや撤去をする場合、どれくらの費用がかかるのか心配になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ブロック塀のリフォーム・撤去にかかる費用の相場や、自分でもできるリフォーム方法についてご紹介します。
ブロック塀を撤去する場合
ブロック塀の解体・撤去には、最低でも5万円程度の費用がかかります。解体・撤去後に再度ブロック塀を作る場合は、追加で3万5千円から4万円程度の費用がかかるでしょう。
基礎の撤去や新たなブロック塀の設置のために、堀削工事が必要になった場合は、工事費として1㎡あたり1万円程度かかるのが一般的です。目安として、全体で5万円から7万円程度は必要と考えておきましょう。
実際の金額は塀の面積、基礎の強度などによって異なります。自宅のブロック塀を解体・撤去した場合の金額を知りたい場合は、業者から見積りを取ってみてください。
ブロック塀を補修する場合
ブロック塀の解体・撤去はせずに、補修して使い続けたいという場合は、1㎡あたり1万3千円から2万円程度の補修費用がかかります。
やはり、塀の面積や補修内容などによって金額が変わってくるので、自宅のブロック塀を補修した場合の金額を知りたい場合は、業者から見積りを取ってみてください。目安として2万円から3万円程度はかかると考えておきましょう。
自分でもできるリフォーム方法
ブロック塀の耐久性には問題がなく、見た目が劣化している程度であれば、自分で補修することも可能です。
たとえば、ブロック塀についている緑色や茶色の汚れの正体は、ブロック塀に生えたカビや苔です。ブラシでこすったり、高圧洗浄機で洗い流したりすれば簡単に落とせます。
白い汚れはブロック塀に浸み込んだ水分が原因で発生する白華現象で、放置しても問題はありませんが、気になる場合は酸性の洗剤を使って落としましょう。
ブロック塀にヘアークラックという、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のヒビが入っている場合は、ブロック塀用の補修材を塗れば補修できます。ヒビがヘアークラックの基準よりも大きく、自分では補修できない場合は専門業者に依頼しましょう。
ブロック塀のリフォームを決めた!でも、また同じブロック塀にする?
ブロック塀をリフォームすると決めたとして、また同じブロック塀にしても良いのですが、別のエクステリア(外構)に変更するという手もあります。
コンクリートブロックを採用すれば価格は抑えられますが、見た目の圧迫感があり、暗いイメージになりやすいものです。新たにブロック塀を作る場合は、少し価格は上がりますが、色味やデザインが豊富な化粧ブロックを採用すると雰囲気が明るくなるでしょう。
また、軽量フェンスや植栽など、ブロック塀以外にも防犯対策やプライバシー保護に役立つアイテムがあります。ブロック塀のリフォームを決めたときに、その後のエクステリアをどうするかということも考えておきましょう。
ブロック塀以外にもさまざまなエクステリアがある
ブロック塀は外からの視線を完全に遮断できるため、プライバシー確保に大きく役立ちます。
一方で、暗い雰囲気になったり通気性が悪くなったり、倒壊した場合のリスクが高いなどのデメリットもあることから、最近はブロック塀以外のオープンなエクステリアが人気です。
軽量型フェンス
通気性やプライバシーを確保しつつ、デザイン性もアップしたいという方には、軽量型フェンスがおすすめです。
フェンスなので通気性が高く、ある程度外からの視界も遮断できます。素材やデザインも、豊富なバリエーションから選べるので、デザイン性もアップできるでしょう。軽量なので、万が一倒壊しても大きな損害が発生しにくいというメリットもあります。
植栽・ガーデニング
フェンスよりもさらにデザイン性をアップしやすいのが、植栽やガーデニングです。植栽は視覚的にも家全体の雰囲気を良くし、大きめの庭木を植えれば目隠し効果にもなります。
外観のスッキリ感を重視するのであれば、オープン外構にするのも良いでしょう。花壇で花を育てる程度なら、費用もほとんどかかりません。ただし、植栽やガーデニングは植物のメンテナンスという手間がかかる点に注意が必要です。
ブロック塀のリフォームやリフォーム後のエクステリアでお悩みの場合は、ぜひナサホームにご相談ください。プロのアドバイザーが現地調査を行い、最適なプランをご提案いたします。
ショールームに行ったり、現地調査に来られたりするのは避けたいという場合は、オンライン相談にも対応しています。お気軽にお問い合わせください。
まとめ
ブロック塀には耐用年数があり、耐用年数を超えたブロック塀は倒壊する恐れがあります。万が一のことを考え、できるだけ早めに状態をチェックして、必要であればリフォームや撤去を検討しましょう。
また、基準が守られていないブロック塀も存在するため、耐用年数を超えていなくても1度点検してみるのがおすすめです。
自分でブロック塀をチェックするのがむずかしい場合やリフォームの方法などで悩んだ場合は、専門業者に相談しましょう。