レンガのような外観を作る、外壁用ブリックタイルの魅力

住まいの内壁だけでなく、外壁の素材としても人気の高いレンガ。 レンガを用いた内外装は、重厚感がありつつ、おしゃれで少しレトロな印象も与えてくれるのですが、本物のレンガを積み上げていくと、コストや長大な施工期間がかかってしまうもの。そこで、注目されるのが“レンガ調”の建材「ブリックタイル」です。今回は、このブリックタイルについて、外壁として使用することに主眼を置いて、その特徴や施工方法、注意点、費用相場などを解説していきます。


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ブリックタイルでレンガ調の住宅を実現してみませんか?

そもそもブリックタイルとは?

ブリックタイルは、“レンガ調”のデザインを施したタイル製品のことで、セラミックや陶磁器などを素材として製作されています。
タイル製品であるため、厚みは10〜15mm程度とレンガそのものと比べて圧倒的に薄く、また軽量な建材となっているのが特徴。また、この特徴からレンガのように積み上げて外壁そのものを構築するのではなく、既存の外壁の上から後貼りすることで手軽にレンガ調の外壁を実現できる点に注目が集まっています。

ブリックタイルの種類と選び方

ブリックタイルと一口に言っても、数多くのデザインや色、素材のバリエーションが存在します。以下ではそのバリエーションの中から代表的な種類をご紹介していきます。

◼︎素焼き風(テラコッタ調):
高温で焼成したブリックタイルで、素焼きであることから色むらが現れています。この偶然生み出された自然な風合いが人気を集めています。触り心地はややざらつきがあり、温かみのある印象であるのも、ブロックのタイルと似ています。

◼︎磁器質タイプ:
磁器として素焼きよりも高温で焼き上げるタイルです。表面はつるりとしてシャープな印象。その特徴から非常に硬く、また汚れに強く、吸水率も1%以下となっているため、風雨にさらされる外壁に適しています。

◼︎スクラッチタイプ:
焼き物や天然石から作られることがあるブリックタイルで、表面にスクラッチ(引っ掻き傷)と呼ばれる線状の模様が付けられています。これは伝統的なイギリスの建築で多用される歴史ある意匠となっています。

◼︎その他カラーリングタイプ:
レンガ調と聞くと、茶色系統の色味を意識しがちですが、実際にはさまざまな色味が存在します。大理石のようなマーブル模様や、重厚で落ち着いた天然石のような質感、海外のメトロ構内を彷彿とさせる、グレーやホワイト系など多彩なバリエーションが存在しますので、住まいのイメージに合わせて選んでみるのもおすすめです。

ブリックタイルの魅力と効果

では、ブリックタイルを実際に外壁に使用するとどのような魅力や利点を感じられるのでしょうか。

◼︎耐久性とメンテナンス性の向上
ブリックタイルの中でも特にセラミック素材を中心とした製品は、紫外線や風雨に強く、劣化しにくいのが魅力です。外壁の塗装のハゲなども少なく再塗装の頻度が減るほか、日々の外壁掃除の手間も軽減できるため長期的なメンテナンス費用の削減につながります。

◼︎素朴さや伝統的な趣を感じる外壁デザインが可能に
ブリックタイルを使った外壁は、無骨でシンプルなデザインが魅力のガルバリウムなどの素材と比べ、重厚で高級感があり、年月が経っても古びないクラシックな魅力を持っています。近隣の住まいに差を付けたい、永年理想だった洋風の住まいに住んでみたいといった思いを持った方におすすめです。

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外壁にブリックタイルを使用する前の注意点

ブリックタイルのデメリットと対策

見た目が良く、機能性にも優れるブリックタイルですが、いくつか注意点もあります。
◼︎エフロレッセンス(白華現象)が発生することがある
テラコッタ調のブリックタイルなどが水分を含んだ際、目地材などに含まれるカルシウム分が表面に出て「白い粉」として現れることがあります。これは「エフロレッセンス」と呼ばれます。この白い粉は、タイル自体の強度や性能自体には影響がないものですが、せっかく作った美しい外壁の見た目を損ねてしまう可能性があります。

【エフロレッセンスの対策方法】
・リフォーム業者と相談し通気性の高い工法を採用してもらう
・施工前に防水層をしっかり確保しておく
・目地材に吸水率の低い素材を選ぶ

◼︎重量が増加する
ブリックタイルは既存の外壁に後貼りするため、どうしても外壁そのものの重量が増えてしまいます。そのため、既存の外壁構造によっては施工できない場合があります。
特に木造住宅で耐震性能に不安がある場合はリフォーム業者に相談し、構造計算を依頼して施工可能かどうかの判断を仰いでみましょう。

施工前の注意点:既存の外壁をチェック

ブリックタイルには機能面やデザイン面でのメリットがありますが、いくつか事前に注意しておかなければならないポイントもあります。ブリックタイルは既存壁の上に直接貼り付ける「直貼り工法」という施工方法が採られるため、下地が劣化していたり不陸(平ら)でない部分が多い場合は、施工前に補修が必要になります。
なお、特に以下のようなケースでは注意が必要です。

◼︎外壁にクラック(ひび割れ)が存在している
◼︎既存のサイディングが浮いている、反っている
◼︎モルタル壁を採用していてかつその劣化が著しい

これらの症状がある場合は、タイルの接着強度が確保できず、後に剥離や落下の危険が生じてしまう可能性があります。そのため、下地の補強や下地ボードの張り替えが必要になることがあります。これらは、事前にリフォーム業者に現地調査をお願いするなどして、しっかりと確かめておくことをおすすめします。

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ブリックタイルの外壁を実現するための費用


ブリックタイル外壁を導入する際、材料費と施工費を合わせた費用相場を把握しておくことが重要です。

材料費(ブリックタイルの価格)

外壁用ブリックタイルの相場は

◼︎1㎡あたり約3,000〜8,000円程度

となります。
ただしこの価格は、タイルの種類やグレードにより上限します。特に、輸入タイルや特殊加工された製品は1万円を超える場合もあります。

施工費(張り替え・貼り付け作業)

後貼り施工を採用した場合の作業工程は以下の通り。

◼︎下地処理
◼︎タイル貼り
◼︎目地仕上げ足場設置(必要な場合)

この作業にかかるおおよその施工費用相場は
◼︎1㎡あたり約7,000〜12,000円程度

となります。
実際に150㎡の住まいの外壁全体をブリックタイルでリフォームする場合の費用相場は、約150万円〜300万円程度となります。

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まとめ

ブリックタイルは、見た目の美しさと耐久性を兼ね備えた非常に魅力的な外壁素材です。
また、既存の住宅に後付けで施工することも可能であるため、住まいのイメージチェンジにも役立ちます。
ナサホームではこれまで住まいの外壁・内壁を問わず多くのブリックタイルを使用したリフォームを手掛けてまいりました。

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上記の施工事例などをご参考いただき、ぜひ皆様の住まいのリフォームに関するご要望、ご相談をお寄せください。