クローゼットを快適に使うためのリフォーム
クローゼットのリフォームを検討する前に、まずはクローゼットにはどのような形状があり、それぞれのタイプがどのような収納ニーズに対応しているのか確認してみましょう。
クローゼットの種類
■壁面クローゼット
最も一般的なクローゼットが壁面クローゼット。その名前の通り、壁の中に窪みを作り収納空間とするものです。メリットは、狭い場所でも比較的容易に設置ができる点。また横一列にジャケットやコートなどを並べて吊るすことができるため、見やすく取り出しやすいという点が挙げられます。
ただし、収納面積などはそれほど広くないため、大きいバッグやスーツケースなどの収納にはやや不向きです。
■ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは、人がクローゼットの中に入り込めるほど大きなスペースを持ったクローゼットのこと。また、クローゼット入り口と出口はそれぞれあり、中を通り抜けるようにしたクローゼットはウォークスルークローゼットと呼ばれます。メリットはやはり、その収納力。大きめのトランクやバッグ、帽子、靴などをたくさん収納できるため、おしゃれ好きの方にとってはとても便利。ただし、このタイプは人が中に入る余裕が必要となるため、デッドスペースが生まれてしまうという
クローゼットのリフォーム方法
■扉の交換
クローゼットの扉を変えるだけでも、使いやすさは大きく変わってきます。リフォームに際して変更できる扉の種類は大きく分けて3種類。ひとつ目は左右にスライドする「引き戸」で、狭いスペースのクローゼットの場合は引き戸にすることで、開閉時に扉が収納物にあたることがなくなるため、中のものが取り出しやすくなります。ふたつ目は「折れ戸」タイプ。これは戸が折れ曲がりながら開閉するため、出入り口を広く取れるのが特徴・ただし、開閉時にスペースが必要となるためクローゼットの前などに、物を置くと邪魔になってしまうことも。最後が開き戸タイプで、これは折れ戸よりもさらに広い開口スペースを取ることができます。また、開戸の場合は戸の内側に鏡やネクタイラックなどを設置できスペースを有効活用できます。
■ハンガーパイプの設置
クローゼットによっては、ハンガーなどをかけるためのハンガーパイプが付いていないことも。こうした場合もリフォームで、ハンガーパイプの取り付けが可能です。ホームセンターなどにある突っ張り棒などを使うというアイデアもありますが、強度や壁へのダメージを考えると、専門の業者に取り付けを依頼するのが得策。また、ハンガーパイプの設置には、ロングコートなどが下に着かずにかけられるよう、170cm以上の高さに設置する必要があります。リフォームを依頼する前に、クローゼットの高さの確認はしっかりと行っておきましょう。
■鏡の取り付け
ウォークインクローゼットなど十分なスペースがあるクローゼット内や壁面クローゼットの開戸の内側に鏡を取り付けるのも代表的なリフォーム方法。大型の鏡は重量があり、安全性に考慮しつつ取り付ける場所や取り付ける金具を慎重に選ぶ必要がありますので、やはり専門業者に任せるのが安心です。
■可動棚の取り付け
クローゼットのデッドスペースをなくし、収納力をアップさせるのであれば棚(可動棚)の取り付けが便利。方法としてはクローゼット内壁に棚柱を取り付け、そこに棚受けと棚板を設置するのが一般的。ハンガーパイプの上につければ、バッグなどの小物の収納に。下につければ、シャツなどの衣類を畳んでしまって置けるスペースが確保できます。ただし可動棚は固定棚よりも耐荷重性が低いため、収納するものの重さには注意が必要です。
クローゼットを新設して収納力をアップさせるためのリフォーム
既存のクローゼットに手を入れるのではなく、新たに室内にクローゼットを設けるといったこともリフォームでは可能です。
クローゼットを新設する方法
■クローゼットを新設
現在、クローゼットのない部屋に新たにクローゼットを新設する場合は、居室の中にクローゼットとなる空間を確保し、壁の下地を造作します。その上で、クローゼット枠を取り付け、さらに内部収納の造作や扉の取り付けを行います。クローゼットを新設する場合、リフォーム会社と相談しながら、収納棚や扉を自分好みに選べるのが大きなポイント。ただし、ウォークインクローゼットなどにする場合は、もともとの居室が狭くなってしまうことがありますので、依頼前に必要な収納スペースの大きさや、収納するものの量を確認しておきましょう。
■クローゼットを増設
既存のクローゼットを拡張し、より広い空間とするリフォームの場合、クローゼット内部の壁の撤去や補強、ウォークインクローゼットの場合は照明の取り付けなども必要となります。この方法であれば、壁面クローゼットをウォークインクローゼットに変更することも可能です。
押し入れをクローゼットに模様替えする方法
和室を洋室に変更した際になどに合わせて行われることが多いのが、押し入れクローゼットにするリフォーム。これは既存の押し入れ内の中段部分を外し、内壁を取り付けた上で扉とハンガーパイプを取り付けるなどの工事が必要です。
クローゼットをなくす方法
クローゼットの新設や増設ではなく、収納そのものを無くしてしまいたいというご要望もまれに寄せられることがあります。こうした場合クローゼット枠を撤去して天井・壁クロス張替、床の補修を行うことで、通常の居室と同じように使うことができます。
収納がデッドスペースになっており、かつ居住空間が狭いなどのお悩みがある場合はこうしたリフォームも有用な手段となります。
クローゼットリフォームの事例&費用例
クローゼットをリフォームする際に注意したいこと
■壁面クローゼットの奥行きは60cm程度に
人が最も効果的に荷物の出し入れができるクローゼットの奥行きは60cmほど。コートなどをかけておく場合、奥行きが深すぎるとデッドスペースが生まれてしまいますし、そもそもクローゼットの奥に手が届かないといったことにもなりかねません。
■リフォーム時には合わせて結露対策も
クローゼット内は室内との温度差が生じやすい場所です。空間の寒暖差が生まれると湿気や結露が生じ、これがカビの発生などにもつながります。クローゼットの増設や新設の際は、併せて断熱工事を行なったり、エコカラットなどの調湿素材を内壁に採用するなどの対策を講じてみましょう。
クローゼットリフォームに必要な費用
本記事内で紹介したクローゼットリフォームに関するおおよその費用は以下の通りとなります。
■扉の交換 費用:5〜15万円/工事期間:1日〜
■ハンガーパイプの取り付け 費用:3〜5万円/工事期間:1日〜
■鏡の設置 費用:5〜10万円/工事期間:1日〜
■可動棚の設置 費用:5〜8万円/工事期間:1日〜
■壁面クローゼットの新設 費用:15〜30万円/工事期間:2〜3日
■ウォークインクローゼットの新設 費用:20〜50万円/工事期間:2〜3日
■クローゼットの増設 費用:20〜50万円/工事期間:2〜3日
■押入れをクローゼットに変更 費用:10〜20万円./工事期間:1〜2日
ナサホームのクローゼットリフォーム事例
■押入れからクリアハニーのクローゼットに改装
既存の押入れを、背の高さに合わせた使い勝手の良いクローゼットに改装しました。カラーはクリアハニーを採用し、お部屋も明るくなりました。
■魅せる玄関クローゼット
元々トイレがあった玄関横に収納クローゼットを設けました。内部にアクセントとして可愛らしいクロスを貼り、収納ラックを小物によって配置しました。外出の際に、さっと取り出せます。
まとめ
住まい選びの重要な要素ともなる収納ですが、住み始める前にどのくらい収納が必要になるかという判断はなかなかつかないもの。家族が増えたり、趣味を始めたり、暮らしの中で新たな収納が必要となった場合は、ぜひナサホームにご相談ください。