クローゼットの扉を引き戸にリフォームすることのメリット
クローゼットを引き戸にするリフォームを開始する前に、まずはクローゼットの扉の種類と基本的な知識について学んでみましょう。
クローゼットに使用される扉の種類
■開き戸
取手を左右に引いて観音開きでクローゼットを開ける開き戸。こちらも、一目でクローゼット内を見渡すことができるのが大きなメリットですが、その反面、扉の左右の端を軸にして扉を折ることなく弧を描くように開閉する弧を描い開閉するため、クローゼット前方に扉の可動域のスペースが必要になります。十分なスペースが確保できないお部屋では採用できない場合もあります。
■折れ戸
手前側の左右に引くことで屏風のように、扉が折りたたまれる構造の折れ戸。
主に壁面クローゼットなどで使用されています。折れ戸はクローゼットの開口部が広くなるため中を見渡しやすいのが大きな特徴。ただし、扉を折りたたむという特性上、開き戸ほどではありませんが、クローゼット前方に扉が飛び出るため家具の設置にはやや配慮が必要となります。
■引き戸
扉を開くのではなく左右にスライドさせて開閉するのが引き戸の特徴。
引き戸の魅力は、開閉に大きな力が必要ない点。また、折れき戸や開き戸のようにクローゼットの前方に扉を開閉するためのスペースを用意する必要もありません。その一方で、クローゼット内全体を見渡すのが難しいという短所もあります。また引き戸には、床と天井にレールがあるタイプと、上部だけレールがあるタイプ(上吊り型)があります。
■番外:扉なし
例外的な方法ですが、お部屋のデザインや暮らし向きによっては、クローゼットの扉をなくしてしまうという選択肢もあります。いわゆる見せる収納のひとつとなりますが、それだけに、常にクローゼット内を整頓しておく必要があり、また防虫や湿気対策には不向きな点も注意が必要です。
クローゼットの扉を引き戸にすることのメリット
それぞれに特徴のあるクローゼットの扉ですが、引き戸を選ぶことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
■お子さんやご高齢の方にも開け閉めしやすい
引き戸の場合、開け閉めに大きな力が必要ないため力の弱いお子さんや高齢者の方でも負担なく使用することできます。ただし、軽い力で開け閉めできるため、勢いよく閉めてしまうと指を挟んでしまうなど思わぬ事故につながってしまうこともありますので、特にお子さんが使用される際にはしっかりと、正しい開け閉めの仕方をご指導ください。
■省スペースで設置できる
開き戸や折れ戸は、扉を開け閉めする際にクローゼット前面に扉が移動するためのスペースが必要になりますが、引き戸の場合はこのスペースを取りません。そのため家具のレイアウトにこだわりたい場合や、お部屋にものが多い場合などに重宝します。
■吊り戸の場合バリアフリーが実現する
引き戸のレールを上部に設ける吊り戸の場合、下部にレールを設ける必要がないため凹凸 のない床面となります。そのためレールに埃などのゴミが詰まることもなく、掃除機をかけたり床を拭いたりするのも簡単。何より、床面に凹凸がないため、高齢者様や車椅子で生活される方の移動も妨げません。
クローゼットの扉のリフォーム方法
クローゼットの扉の交換リフォーム施工の方法
■既存の扉を撤去し、引き戸のレールを取り付ける準備を行う
まずは、既存の開き戸や折れ戸を撤去します。折れ戸の場合は、ヒンジ(蝶番)や金具を外して扉を撤去、開き戸の場合は、ヒンジや金具に加えてフレームも撤去する場合があります。扉を撤去したら、壁や天井、床の状態を確認した上で、レールを取り付ける準備を行います。特に重量のある扉を選ぶ場合や、吊り戸を採用する場合は床や天井に補強材を取り付けることで強度を高めます。
■引き戸のためのレールを取り付ける
クローゼットの扉をリフォームする上で最も重要な作業となるのがレールの取り付け。床にレールを取り付ける場合、レールはクローゼットの幅に合わせてカットしてネジでを床面に取り付けます。この時、必ずレールが床面に対して平行になっていないと、引き戸がうまく開閉できませんので、水平器などを使用して入念に確認します。
吊り戸を設置する場合は、天井や壁面にネジでレールを固定します。先述の通り、壁や天井の強度が十分でないと判断される場合は、ランナーと呼ばれる補強剤を取り付けた上でレールを設置します。吊り戸のレールも床面の時と同様に水平に設置されている必要があります。
■引き戸を取り付ける
レールが取り付けられたら、いよいよ引き戸の取り付けです。扉にレールの上を移動するためのローラーを取り付け、レールの溝に合うように扉を取り付けます。その上で引き戸がスムーズに動くかどうかを実際に動かしながら確認し、ローラーの位置や高さを調整していきます。
■オプションの取り付け・最終確認
引き戸のローラーの調整が済んだら、オプションも合わせて取り付けます。引き戸の把手(ハンドル)や、閉める音の軽減や衝撃吸収のためのゴムパッキン、指を挟むのを防止するソフトクローズ機能のための引き戸クローザーなどが代表亭なオプションです。全ての扉・オプションを取り付け終わったら、実際に扉がスムーズに開閉できるかどうかを確認し、引っ掛かりがある場合は再度ローラーやレールを微調整してリフォームは完了です。
クローゼットの引き戸の選び方とリフォーム費用
引き戸を選ぶポイント
■扉のデザイン・材質で選ぶ
引き戸を選ぶ大きなポイントは、なによりお部屋の内装と統一感が取れているかどうか。
明るいお部屋であれば、ホワイトやライトグレーなど明るめの色味でメラミン化粧板やアルミのフレームを使用した引き戸。間接照明を使用していたり、ブルックリンスタイルやインダストリアルな雰囲気であったりといったお部屋であれば、木材を使用したブラックやウォールナットなどのシックな色合いの引き戸を。和モダンなお部屋であれば、木目調で装飾のついた重厚な引き戸を、といったようにお部屋全体との調和を考えて選びましょう。ナサホームでは、ご要望に合わせたデザインの引き戸選びに関してもご相談を承っておりますので、お気軽にお声がけ・お問い合わせください。
■オプションや機能で選ぶ
寝室など静かな開閉が求められるお部屋のクローゼットや、お子さんや高齢者様がいるご家庭であれば、デザインに加えて引き戸の機能も合わせて検討してみましょう。
静音レールやソフトクローザー、パッキンの有無、通気性を高めるルーバーのついた引き戸など多彩な製品が登場していますので、こちらもリフォーム担当とご相談の上お選びください。
引き戸リフォームのために必要な費用
引き戸のリフォームを行う場合、主に引き戸本体の価格によって、リフォーム費用は大きく異なります。
■シンプルな木の引き戸やメラミン化粧板を用いた引き戸の場合
本体価格:2万〜8万円 施工費用:3万〜5万円
■天然木や無垢材を用いた引き戸の場合
本体価格:7万〜15万円 施工費用:3万〜5万円
■アルミフレームを用いたモダンな引き戸の場合
本体価格:4万〜10万円 施工費用:3万〜5万円
※さらにオプションの選択によって、リフォーム価格が異なります。オプションの取り付けに関しては実際にナサホームにご相談の上、お見積りをご依頼ください。
まとめ
省スペースで、使いやすいクローゼットの引き戸。既存のクローゼットの扉が使いにくいと感じたり、破損してしまったりという場合は、引き戸へのリフォームを検討してはいかがでしょうか。ナサホームでは、クローゼットの扉のリフォームだけでなく天井や壁・壁紙、間仕切りお部屋の内装全体のリフォームも手がけております。ご用命きの際はぜひ、本記事内にございますお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。