戸建でもマンションでも可能!憧れの縁側をリフォームでつくろう

昔ながらのレトロな日本家屋には付き物だった縁側。数十年ほど前から新築物件などでは見かけることが少なくなりましたが、その使い心地がまた見直されてきているようで、リフォームなどの際に縁側を設置したいという方もいらっしゃいます。また、珍しい例ではマンションのベランダに縁側を作りたいといった、ご要望も寄せられます。 今回はそんな再注目の集まる縁側の魅力について、そのメリットやデメリットとともに設置の工夫やポイントなどを詳しく紹介してまいります。


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昭和レトロな縁側は、実は現代の住まいにも最適


縁側のある家というと、昭和レトロな平屋の日本家屋を思い出す方も多いのでは?
あの昔の住まいにおいて縁側はどのような役割を果たしていたのでしょうか。また現代の住まいに縁側を設置するとどのような利点があるのでしょうか。

そもそも縁側とは?

縁側は建築物の縁(へり)部分に迫り出して設けられた、室内と屋外を繋ぐ役割を持った板張りの空間のこと。
かつての日本家屋には付き物だったこの縁側ですが、実はとても機能的な空間でした。

■屋内の温度コントロール
夏場であれば、室内と屋外の間に設けられた縁側が、室内に直射日光が差し込むのを防いでくれるため、室内の温度の上昇が和らぎます。
また、冬であれば二重窓のように縁側が冷気を遮ることで、室内の温度が下がりすぎること防いでくれます。

■コミュニケーションスペース
古い日本映画では、縁側に座った家族がお茶を楽しんだり、世間話に興じるシーンが見られます。庭がある家では、縁側は座って家族やご近所の方と会話ができるコミュニケーションスペースなのです。また、縁側は室内でも屋外でもない空間であるため、家の中に人を入れたくないという場合でも、相手と顔を合わせてゆったりと会話ができる格好の場所だったのです。

縁側の種類

一言で縁側といっても、その形状よって幾つかの種類が存在します。
住まいへの設置を考える前にそれらの種類について確認しておきましょう。

■濡れ縁
濡れ縁とは、家の窓や雨戸の外に設けられた縁側のこと。縁の下に沓脱石や土間があり、サンダルなどを履いて腰掛けるタイプの縁側は濡れ縁です。その名前の通り、雨の際は縁側が濡れてしまいます。

■くれ縁
母屋の外側、雨戸やガラス戸の内側に造られる縁側のこと。縁側の外はガラス窓となっていることが多く、内側にある母屋の居室とは障子などで隔てられることがあります。

■広縁
くれ縁の中でも比較的スペースを広く取ったもので、一般的な基準としては奥行き120cm(4尺)以上のものを指し、椅子や家具などを置くことが可能です。旅館の窓際にある椅子とテーブルのスペースというと想像しやすいでしょう。

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今の住まいに、新しく縁側を作るには?


「縁側がほしい」と思った際に、リフォームで縁側を設けるのであればどのタイプが向いているのでしょうか。

昔ながらの縁側を作るなら簡単に設置できる濡れ縁

庭のあるご家庭であれば最も簡単にできるのが、濡れ縁のリフォーム。
濡れ縁はいってみれば、軒先のある和風のウッドデッキですから、土間とデッキの施工を行うだけで比較的安価で素早く設置が可能です。
ただし濡れ縁はその名の通り、雨風に濡れる場所であるので縁側の材質には腐食に強い木材や樹脂製のものを選ぶことをおすすめします。

現代の住まいに縁側を作るなら、広縁がおすすめ

リビングなどから続くお部屋に縁側を作るのであれば、くれ縁や広縁が最適。近年ではリフォーム会社が、北欧風やエスニックなスタイルの縁側を作る事例も増えてきているため、和風な住まいでなくとも住まいの景観に調和する縁側スペースを作り出すことは可能です。また広縁であれば、その広さを利用して収納スペースを作ったり雨の日には、洗濯物を干すこともできます。

縁側を作る際の注意点

縁側は住まいの庭部分に屋根を延長して縁側を増築するため、地域によっては建物の延床面積が増えると判断されることがあります。
縁側であっても増築部分が10㎡を超える場合は、役所への確認申請が必要になるほか固定資産税も増加しますので、まずはリフォーム前にお住まいの地域の延床面積の算出方法を調べておきましょう。

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戸建や平屋でなくても縁側のある住まいは実現可能!


縁側のある住まいといって思い浮かぶのは、戸建ての住まいですが、マンションであっても場合によっては縁側空間のある住まいへのリフォームは可能です。

ベランダへの濡れ縁設置は難しい

マンションで縁側を設ける際、濡れ縁を作るとなるとどうしてもベランダ部分をリフォームしなくてはなりません。
多くの場合マンションのベランダは共用部となっており、個人の判断でリフォームを行うことはできません。
マンションで縁側を作る際はマンション内部の間取りを工夫して、縁側風の内装空間を作るのがおすすめ。

この場合は厳密には縁側というよりインナーバルコニーやインナーテラスと呼ぶべき空間ですが、板張りの空間に和風の建具などを設置することで、和モダンな縁側風空間を創出することが可能です。

縁側リフォームに必要となる費用

濡れ縁はくれ縁よりも比較的安価に設置が可能です。では実際に住まいの中にリフォームで縁側を作るとなった場合どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

■濡れ縁を作る場合
6畳ほどの部屋の外部に新たに濡れ縁を設置する場合の費用は15万円ほど。
8畳であれば20万円ほどになります。濡れ縁の場合は、床のみの増設工事となりますので、工期やコストも比較的抑えられます。

■くれ縁を作る場合
6畳ほどの部屋の外部に新たにくれ縁を設置する場合の費用は80万円ほど。
8畳であれば145万円ほどになります。くれ縁を作る場合は住まいの間取り変更や現状の壁や床の撤去工事が必要になるため費用と工期が大きくなりますが、その分、理想的な空間が実現可能です。

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まとめ

家の中と家の外を緩やかにつなぐ縁側。ゆったりとくつろぐだけでなく、収納スペースとして使ったり、趣味の部屋として活用したり、時には降り注ぐ日光を利用して植物を栽培するのにも適しています。
何より、縁側という情緒ある空間はきっと家族の生活にゆとりと潤いを与えてくれるはず。
縁側のある住まいへのリフォームをお考えであれば、年間8750件のリフォームを手掛けるナサホームにご相談ください。住まいに合わせたくれ縁・広縁などの提案はもちろん、縁側から続くお庭づくりに関してもお客様と共に考え、理想の住まい実現のお手伝いをしてまいります。