張り替えだけではもったいない、フローリング床のリフォームのポイント

新築の時は艶やかだったフローリングの床も、10年・15年と使っていくことで、どうしても色褪せや傷が目立ってきます。 特に、傷がささくれ立ってきたり、軋んだり、へこみが気になるという場合はリフォームを検討すべきかもしれません。 今回は、そんなフローリングリフォームの方法について解説。 新しいフローリングに張り替える場合の費用や注意点に加え、床材の選び方なども併せてご紹介していきます。


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フローリングのリフォームの基礎知識

フローリングの張り替えのタイミングは?

家族が毎日その上を歩くフローリングは、私たちが考える以上に酷使されています。ものをちょっと落としたりといった小さな傷であれば、ホームセンターなどの補修グッズなどで補修可能ですが、フローリングが大きくへこんでしまったり、剥がれたり、褪色してしまった際はやはり、床材そのものの張り替え・交換が必要です。
一般的にフローリングの耐久年数は10〜20年と言われており、特に無垢の床材よりも合板フローリングの方が、早く劣化すると言われています。
皆さんがお住まいのフローリングも、この耐久年数を超えている場合はまずは一度、問題がないかチェックしてみましょう。

フローリング床の張替えには2つの方法がある

フローリングのリフォームは一般的に「張り替え」と「重ね貼り」という2種類の方法で行われます。

■フローリングの張り替え
張り替えは既存の床材を取り去って新しいフローリングを貼り直す方法です。
張り替えを行う際のメリットとしては、床だけでなく床下の状態も確認できるという点。表面の傷やへこみではなく、床下からくるたわみや軋み、シロアリによる被害など、フローリングに起きている問題の原因を探ることができるのが大きなポイントです。
ただし、既存の床を剥がすという工法上、工期はやや長くコストはやや高くなります。

■重ね貼り
張り替えよりもお手軽なのが重ね貼り。これは既存の床の上に接着剤などを塗布し、新しい床を重ねる方法です。重ね貼りの場合は、工期、作業費用も共に抑えられることがメリットです。既存の床に大きな問題がなく、見た目を変えたいという場合には適した方法です。ただし、張り替えのようにフローリングの下で起きている問題を確認・解決することはできません。また、この工法はフローリングの種類や状態によっては対応できないことがありますので注意が必要です。

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デザイン・費用・住み心地から、フローリング張り替えのプランを立てよう


傷んだフローリングをリフォームするのであれば、同じ床材を交換するだけでなく、お部屋のイメージを一新するために今までとは違う材質のものを選ぶのも良い方法です。こちらでは、代表的な床材の種類と、そのメリット・デメリットについて紹介してきます。

フローリングの種類を知ろう

お部屋の印象は床の素材によっても大きく異なってきます。

■無垢材(単層フローリング)
フローリングは、「単層」と「複合」の2種類に分類され、無垢材とよばれるものはこの「単層」のフローリングのことを指します。これは木材をそのまま切り出して使用するもので、メリットとしては見た目の年輪が美しく、質感に優れている点や耐久年数が長い点。また程よい調湿作用がある点でも、心地よい室内環境づくりに貢献してくれます。
その反面、天然の木材をそのまま使用しているため、乾湿の激しい環境では縮みや反りが発生してしまうことも。
さらに、選ぶ木材の質によっては費用が大きくかかってしまうこともあります。
一般的に用いられる素材としては、パイン材、スギ、ヒノキ、アカシア、オーク、チーク、ウォルナットなどが挙げられます。

■複合材(複合フローリング)
複合フローリングは2〜3mm程度の木材を貼り合わせて作ったもの。また、この複合材はさらに「挽き板」「突き板」「シート」に分かれます

「挽き板」は最も一般的な複合材のフローリングで、2mm〜3mmの板を基板に貼り合わせたもので、比較的安価で反りやゆがみが起きにくいのが魅力。

「突き板」は、基板の上に0.3mm程度のごく薄い木材を貼り、塗料で固めたもの。天然木に近い風合いが感じられ、単層フローリングと比べて安価なのが強みですが、貼られている木材などが薄いため傷に弱いのがネックです。

「シート」とは木目調のプリントを施した樹脂や紙などのシートを基材に貼り合わせたもの。安価でお手入れしやすいのがポイントですが、あくまでプリントであるため、単層のフローリングのような使い込むことで生まれる風合いの変化などはありません。

使う場所やライフスタイルに併せてフローリングを選ぼう

単層フローリング、複合フローリングそれぞれに長所や短所がありますが、住まいや家族構成を考えた際、どの場所にどのタイプのフローリングを選べば良いのでしょうか。

■赤ちゃんやペットのいるご家庭のリビングには単層フローリングが最適
肌触りがよく、塗料などを使用していない無垢材は小さいお子さんやペットのいるご家庭でも安心して使用できます。またパイン材などの柔らかな素材のフローリングであれば、転倒時の怪我のリスクも軽減。
また、単層フローリングは塗料などでコーティングされていないため、わんちゃんや猫ちゃんが走り回る際に滑りにくく、足腰への負担がかかりに食いことも嬉しいところです。

■寝室や応接室は単層フローリング向き
お客様をおもてなしする場所や、ゆったりと落ち着いて過ごしたい空間には、木の温もりが生きる単層フローリングがおすすめ。高級感ある木目は、家具との取り合わせもしやすく、お部屋全体の空間コーディネートが美しくまとまります。

■元気いっぱいのお子さんがいるご家庭は複合フローリング
育ち盛りのお子さんがいるご家庭の多くは、お父さん・お母さんも働き盛りのことが多く、どうしても床のお手入れに時間が割けないもの。こうしたご家庭の場合は、傷や汚れに強い複合フローリングが最適。特に耐久性の高い挽き板のものがおすすめです。

■キッチンをはじめとした水回りは表面加工をした複合フローリング
キッチンやトイレ、洗面所などは常に水に濡れる可能性があるため、水に濡れたり湿気たりすると反りが生じてしまう単層フローリングは不向き。油汚れに比較的強い表面加工が施された複合フローリングを選ぶのがおすすめです。

■床暖房を入れるなら複合フローリング
単層フローリングで、耐熱性の高い素材はコストがかかり、また対応できない素材も大いため、床暖房をフローリングの下に入れるのであれば、比較的安価で耐熱性に優れた複合フローリングが適しています。

■フローリング選び&デザインに迷ったらリフォームの専門家へ
上記でご紹介したのは、あくまでフローリング選びの一例です。家族構成やライフスタイルによって、適したフローリングの素材や種類、そしてデザインは異なってきます。例えばキッチンは水を使うことが多いため、表面加工をした複合フローリングがおすすめですが、立ち仕事をする際の足の負担を軽減したいと考えるのであれば、柔らかな単層フローリングの方が良いという場合もあります。
また、現在お使いになっている家具や建具などによっても、適したフローリングの素材やカラーは異なります。迷った際は、リフォーム業者に相談してみましょう。床材の見本などを見ながら相談をすると、具体的なイメージも湧きやすくなります。

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フローリングの張り替えにかかる費用は?


フローリングのリフォームを行う際のコストはどのくらいになるのでしょうか。

張り替え&重ね貼りでの費用の違い

■張り替える場合
単層フローリングの床に張り替えリフォームをする際の費用は、6畳程度の部屋であれば18〜21万円、8畳であれば21〜26万程度が価格帯の目安。ただし、単層フローリングの場合は、選ぶ材質によって価格が大きく異なるため注意が必要です。

複合フローリングに張り替えリフォームする際の費用は、6畳程度の部屋で14〜18万円、8畳であれば18〜23万円ほどとなります。

■重ね貼りする場合
単層フローリングの床に重ね貼りリフォームする際の費用は10〜14万円程度。8畳であれば13〜17万円程度です。

複合フローリングに重ね貼りリフォームする際の費用は、6畳程度の部屋で10〜13万円、8畳であれば12〜15万円ほどとなります。

フローリングの張り替えは専門業者に依頼した方が良い理由

フローリングの床を張り替える作業は、重労働ではあるもののそれほど大掛かりな施工を行わないため、DIYでできると考えられる方もいらっしゃいます。
DIYで床を張り替えると、コストを抑えることができるのですが、フローリングのカットしたラインや壁とフローリングの隙間の仕上がりにはやはり、職人とDIY作業では大きな違いが出ます。こうした隙間やフローリングの欠けや傷などは、やがてフローリングやフローリングの下の躯体に影響を及ぼすこともあるため、やはり専門技術を持つリフォーム業者に相談することが安全です。

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まとめ

フローリング・床材といってもその種類や選び方は非常に奥が深いもの。まして既存のフローリングに傷や色褪せが目立つ時点で、住まいの空間コーディネートまでを考える余裕があるという方はそれほど多くはないでしょう。
しかし、せっかくフローリングを新しくするのであれば、今よりも良い空間・住み心地にして欲しい、とナサホームは考えます。
フローリングのリフォームで悩んだ際は、ぜひ私たちにご相談を。
年間8750件を超えるリフォーム実績を持つ、ナサホームのスタッフが皆さんと共に最適なフローリングの張り替えを考え、最適なプランを提案いたします。