玄関土間のある家の魅力とは?

昔の家によく見られた玄関とつながった土間。 その「玄関土間」が、現代の暮らしをより快適にする空間として注目されています。 収納、趣味の空間、子どもの遊び場など、その用途は尽きません。 今回の記事では、玄関土間の魅力について探ってみました。


この記事は約7分で読み終わります。

玄関土間の魅力とは?


屋外と室内をつなぐ空間として人気を集めている「玄関土間」。どんなところに惹かれるのでしょうか。

玄関土間とは?

土間とは、家の内にあって土足のまま使える空間です。床板を敷かずに地面のままか三和土(たたき※)で仕上げたものが多く、玄関を広くした「玄関土間」が一般的といえます。
※土、砂利、消石灰、にがり等を混ぜたものを塗って叩き固める仕上げ材のこと

■昔、玄関土間は、何に使っていたの?
昔の日本家屋ではよく見られた玄関土間ですが、今でも郊外の農村、漁村の家屋にも残っています。
屋内なのに土足で歩けて雨風をしのげるので、農機具や漁具の手入れをする作業場、保管場所として、また、かまどを置いて炊事したり、食事をしたり。
多少汚れても掃除がしやすく、水や火も使いやすい。そんなとても重宝する場といえます。

玄関土間のメリット・デメリット

玄関土間を作られたお宅を参考にメリットとデメリットを見てみましょう。
〔メリット〕
・大きな物を収納できる絶好のスペース
自転車やベビーカー、お子さんの野球道具もそのまま玄関土間に収納。
また、部屋に持ち運ぶのはためらってしまうようなゴルフバック、ガーデニング道具、アウトドア用品なども玄関の土間収納へ。盗難防止にもなります。

・汚れを気にせず趣味を楽しめるスペース
屋外の趣味を屋内でも楽しめるのが玄関土間です。ガーデニングや家庭菜園など、土がついた野菜、観葉植物等を気兼ねなく置けますし、手入れなどの作業もできます。
また自転車やオートバイも収納だけでなく、整備もできるので趣味の時間が広がります。

・子どもやペットの遊び場に重宝
雨の日にはお子さんが遊び場として三輪車に乗ったり、縄跳びしたり。玄関土間なら雨が続いても元気いっぱいに体を動かせてストレス軽減。もちろん家の中なので安全です。
さらに床が汚れたり、傷がついたりするのを心配せずにペットを遊ばせることもできます。

・室内と屋外をつなぐ空間として来客時に活用
玄関土間は外と中をつなぐ空間です。例えばご近所さんがいらした時、靴を脱いで上がるのはお互い気を使いますが、玄関土間に簡単なテーブルとイスを置けば、気楽にその場で対応ができます。

〔デメリット〕
・居住スペースが狭くなる
土間を設けるためには、玄関につながる廊下や、玄関横の部屋を削ってスペースを確保することに。その分の居住スペースが狭くなります。

・寒さ対策や湿気対策が必要
コンクリートやタイルといった素材が使われる土間は、夏は涼しくても冬は足元が冷えやすくなります。そのため、断熱材や床暖房を入れたりして寒さ対策が必要です。薪ストーブは玄関土間との相性がよく、しゃれたインテリアにもなります。
また、水を扱うことがあれば大きめの窓や換気扇を設置するなどの湿気対策も必要です。

・土埃がたまらないよう日頃のお掃除も
外から入った泥や土をそのままにしておくと、溜まった土埃が玄関を開けた際の風で居室に入ってくることも。そのため日頃からこまめなお掃除が必要です。

目次へ

玄関土間の作り方


一戸建てだけでなく、マンションでも作ることのできる玄関土間。作る際のポイントをしっかりと把握しておきましょう。

玄関土間の取り入れ方

■大収納スペースとなる土間収納
生活道具、アウトドア用品、趣味で使うアイテムなどが置ける土間収納を設けてみましょう。
靴やオフシーズンのブーツ、雨合羽、傘、ヘルメット、上着、レインコートなどにはシューズクローゼットやコートクロークを。さらに趣味の家庭菜園の道具や工具などは圧迫感の少ないオープンラックを造作してみましょう。
玄関に土間収納を設けることで、外で使う物の出し入れが楽にでき、家の顔でもある玄関をいつもすっきりした状態にできます。

■空間をつなぐ通路を兼ねる
玄関土間を各室内部屋とつなげることで生活動線が楽になります。
〈キッチンと隣接させる〉
結構重たくなる買い出しの食料品も、玄関土間とキッチンが隣接していれば運ぶ手間は少しだけ。土間収納の一部をパントリーとして活用すればさらに便利です。
〈洗面所と隣接させる〉
スポーツをされる方や、お子さんがクラブ活動から泥だらけで帰ってきても、お風呂場や洗濯機のある洗面所が隣接されていれば、汚れた衣類もすぐに洗濯機へ。そしてそのままお風呂に入れば室内はどこも汚れずに衛生的です。

■一時的な仮置き場としても便利
例えば分別したゴミは、外に置けば放火やカラスによる散乱の心配があるので、ゴミ出しの日まで玄関土間に仮置きしておきます。

玄関土間を作るときのポイント

■玄関に隣接する部屋か廊下を取り込む
玄関土間には一般的に3畳以上の広さを確保したいところ。それには玄関に隣接する部屋の一部を使うか、玄関につながる廊下を使うケースが多いでしょう。
いずれも壁を壊したり、土間との高さを揃えたりするリフォーム工事が必要となります。

■使用目的やテイストを決めて統一感を出す
多目的空間な玄関土間とはいえ、「何をしたいのか」「何を置きたいのか」といった使用目的を明確にしておくことが大切です。例えば何を収納したいのかを書き出せば、どのくらいの広さが必要かも見えてくるでしょう。
そして、どんな雰囲気の玄関土間にしたいのか。例えばナチュラル調やアンティーク調といったテイストを決めれば、それに合う床や壁、棚の素材・色、設置するアイテムを選べば統一感のある空間を作れます。

■床材もいろいろ選べる
土間は面積が広いだけに玄関の印象を左右しますから、床材にもこだわりたいものです。
セメントや砂を原材料としたコンクリートやモルタルは安価で、都会的でスタイリッシュな印象を与えます。
色やデザインが豊富なタイルもおすすめですし、上品で高級感のある御影石や大理石も土間の床材として使われます。

目次へ

玄関土間のリフォーム費用はどの位?


玄関土間を作るリフォーム費用の相場は、どの程度のスペースに広げるのか、部屋や廊下を解体するのか、どんな床材を使うのかなど、工事内容によって費用は大きく変わってきます。

玄関土間の施工費用の相場

玄関に隣接する部屋や廊下を壊す場合、解体、廃材処分、造作、土間の仕上げ材、左官費用含めて、30万円~100万円が相場です。
◎土間(3畳を想定)に収納を作る
土間には、圧迫感を出さずに収納力を増やせる背の低いカウンタータイプから、床から天井まで一面に収納できるタイプ、ベビーカーやアウトドア用品等の大容量を収納できるオープンラックの土間収納などが作れます。
・カウンター収納:5万~10万円
・壁面収納:12万~40万円
・土間収納:30万~50万円

◎床材別施工(3畳を想定)費用の相場
・コンクリート:4万〜7万円
・モルタル:2万〜3万円
・タイル:8万〜16万円
・大理石、御影石:10万〜12万円

ナサホームの施工事例

■縁側をイメージした趣のある玄関土間

夫婦2人の生活に合わせた間取りへと全面リフォーム。「縁側のような玄関土間にしたい」とご希望をいただき、和室と調和するようスペースを広く設けた玄関土間をプランしました。

この施工事例の詳細はこちら

■使い勝手とデザイン性に富んだ便利な玄関土間収納

これまで賃貸として住まわれていたお家を買い取られることをきっかけに、リフォームのご相談をいただきました。収納の少なかった玄関に土間収納を造作しました。扉を設けない形にすることで、取り出しやすくオシャレなショップの雰囲気をつくることができました。

この施工事例の詳細はこちら

目次へ

まとめ

玄関土間は、DIYやガーデニング、アウトドアなど趣味を楽しむご家庭であれば、かなり便利に使える空間になるはずです。土間が欲しいとお考えなら、ぜひナサホームにご連絡ください。ご家族様それぞれの要望や現在の住まいの状況を確認しながら、最適な玄関土間のリフォームプランの提案をさせていただきます。