地球環境にも貢献する!? EVコンセントの設置リフォーム

毎日のようにテレビやネットでは地球環境の改善についての報道が流れています。そうしたことに敏感な方は、次の車に買い換えるのなら、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)を購入したいとお考えかもしれません。 EVの場合は自宅に充電設備を設ければ、かなりの遠出をしない限り、スタンドに行くことはありませんし、燃料費の節約にもつながります。そんな自宅の充電設備として気軽に設置できるのが「EVコンセント」なのです。


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地球環境を考えた自動車EV・PHEVに必須のEVコンセント


そもそもEVやPHEVは自宅で充電するのが大前提の車です。充電するには専用の設備として「EVコンセント」が必要です。まだお持ちでない方にはこれからの自動車がどうなるのかについても少し解説いたします。

脱炭素化に向かうこれからの自動車について

地球温暖化の大きな原因であるCO2が作られる割合は石油などの化石燃料によるものが大半を占め、その削減は全世界の共通課題として脱炭素化に向けて動いています。
脱炭素社会の実現には、自動車のあり方を大きく変える必要があると言われています。つまり、ガソリン車はかなり多くの温室効果ガスともいえるCO2を排出し、EVをはじめとするCO2を排出しないZEV(ゼロエミッション車)の開発と普及が急ピッチで進められているのです。
・日本や世界の今後の動き
日本では2035年にはガソリン車の新規販売を停止し、それまでに新車販売で電動車100%を実現することが国の方針として打ち出されています。
ドイツやイギリス、フランスでも2035年までにガソリン車・ディーゼル車の新車販売禁止を決定しています。
特にイギリスでは新車販売に占めるZEV割合を2024年は22%、2030年に80%まで引き上げて、ZEVの販売を義務付ける計画です。

EVコンセントとは

これからの脱炭素化社会には必需品ともいえる車、EVを自宅で手軽に安く充電できる設備が「EVコンセント」なのです。
・自宅で充電するメリット
通常、普通充電用ケーブルはEVやPHEVに標準装備されていますから、EVコンセントを自宅に設置すれば充電できます。安全設計で操作も簡単、お休み中に充電できるので安心です。
しかも電気代はガソリンよりも安く、一般的な電気契約で年間約4万円も安いとの試算もあります。確実にランニングコストを抑えることができます。
・自宅以外の増えている充電スポット
自宅以外でも最近では身近な場所に充電スタンドが増えています。
大規模商業施設、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、カー用品販売店、役場、高速道路のサービスエリアや道の駅など々。今や全国に21,000箇所以上もあり、これはガソリンスタンドの数の6割に匹敵すると言われています。

わが家にはどのタイプのEVコンセント? そして注意点もチェック


自宅での充電用のEVコンセントには大きく分けて3つのタイプがあります。
「次に買い換えるならEV」という方や、すでにEVコンセントがあるけれど、最新の使い勝手のいいものに設置し直したい方のためにご紹介しましょう。
また、設置を考える場合、注意点もあるので確認しておいてください。

■コンセントタイプ
100Vと200Vの2種類あります。使い勝手がよくデザイン製に優れているのが特徴です。
100Vはお住まいの部屋にある通常コンセントと同じですが、200Vにするなら専用回路を敷かなければならないので分電盤と配線工事が必要です。
ただ、200Vは、100Vよりも充電時間が約2~3倍早いというメリットがあるので、200Vをおすすめします。
例えば日産リーフの場合、100Vでフル充電に16時間前後かかり、200Vだと約8時間が目安と言われています。
いずれも車載充電ケーブルを使いますので駐車場とお住まいが近い必要があります。

■スタンドタイプ、壁付けタイプ
スタンドタイプは、商業施設や公共施設などでよく見られるタイプです。駐車場とお住まいが離れていても問題ありません。
壁付けタイプは、壁面に取り付けるタイプの充電器。カーポートの壁などに取り付けるのをイメージされるといいでしょう。
スタンドタイプには充電ケーブルが付いており、壁付けタイプもボックス・ケーブル付なら、車載の充電ケーブルを使わないのでかなり便利です。というのは車載の充電ケーブルは重さが約3〜5kgあるので結構な重量となり、女性や年配の方には車からの出し入れが面倒といえます。
200V・3kWが一般的ですが、それにより1/2の時間で充電できる6kwタイプもあります。

■V2H(充放電器)
V2Hとは、ビークルトゥホーム(Vehicle to Home)のこと。
充放電器なので、停電時の非常用電源としても使えます。つまり、EV・PHEVの大容量バッテリーに蓄えられた電気を住まいに使えるのです。
安い夜間の電気を車に貯めておいて、他の時間帯に車に貯めた電気を使うという効率的な電気の利用方法の手段とし購入されるケースが増えており、最近注目を集めています。

設置前に知っておくべき注意点

■資格がないならDIYでは絶対にやらない
「普段、家のコンセントならよくいじっている」という方で、自分でやってみようというのはとても危険です。
しかも、設置には「第二種電気工事士」以上の資格が必要です。資格を持っていないのなら違法となるので、必ず資格を持つ施工業者に依頼してください。

■住まいで使っている200Vで、EVは充電できない
家庭用コンセントで200Vを使っている場合、そのコンセントでEVの充電はできませんし、もし使えたとしても危険です。
EVの充電時には大量の電気が流れるために、専用のブレーカーに、太い配線、電圧に合ったコンセントの形状にする必要があります。専門の施工業者に依頼しましょう。

■住まいの環境次第で工事内容も変わる
基本的に、充電用コンセントを設置するのは戸建住宅です。マンションなどの集合住宅では家主や管理組合、他の住民との合意が必要になるので、かなりハードルは高くなります。
今回おすすめするのは200Vの充電用コンセントですが、工事には専用ブレーカーの設置、配線の敷設、充電用コンセントの設置の作業が必要です。
分電盤の状況、分電盤からコンセントを設置するまでの距離により工事内容も変わってきます。施工業者にしっかりと現地調査をしてもらいましょう。

■電力会社と契約をし直すことも視野に
電力会社と100V契約していても分電盤まで200Vが使える電線が引かれていたりします。200Vの充電用コンセントを設置するなら200Vの契約に変更することや、電流が足りなくなる場合はアンペア契約も変更する必要が出てきます。

自宅充電と外での充電の費用比較

自宅でフル充電した場合の料金と外で公共充電スポットを利用した場合の目安も知っておきましょう。公共充電スポットの場合、月額制の会員証「認証カード」が必要で、充電は時間課金制です。
・自宅充電
日産リーフ(40kWh)なら1,240円(1kWhあたり31円で算出)
・充電スポット
入会金・登録料:約1,500円〜
普通充電器の月額費用:500円〜2,500円
普通充電器での充電料金:70円〜150円 / 1時間
急速充電器の月額費用:1,500円〜5,000円
急速充電器での充電料金:250円〜600円 / 30分

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EVコンセント設置工事の流れや費用の相場は?


新しくEVコンセントを設置する場合、その工事の流れや設置費用の相場を調べてみました。

設置の工事の流れ

1.施工業者の選定
ポイントは、EV・PHEVの充電設備の施工経験が豊富なことです。
施工以外にも充電時に使い過ぎによる停電は起こらないか、お得な充電時間帯についてや、電気の契約容量、電気料金プランなどにも詳しいのがベストです。
2.施工業者の現地調査に立ち会う
施工業者が決まり、現地調査に訪れたら立ち会いましょう。施工業者は次のことを調べるはずです。
・駐車場での充電設備を設置する場所とスペース
・充電設備を設置する壁面の材質
・分電盤から駐車場までの距離と位置関係
・必要な配線の長さ
・分電盤の専用回路の空き状況
3. 見積り
要望と現場調査の内容をもとに、見積りを提案してもらいます。その際、100Vか200Vか6Kwの短時間充電器などの提案もしてもらいましょう。
4. 契約、工事日の調整、ご近所への挨拶
契約したならば正式な見積りをもらい、工事日を調整し、工事日の3日〜1週間前を目安位に、ご近所へ挨拶まわり。
5.設置工事の実施
EVの充電設備の設置工事は、専用ブレーカーの設置、配線の敷設、充電用コンセントの設置が主な内容で、半日〜1日で終わるでしょう。
最後に、実際にEVへ充電できるか確認をして完了します。

設置の工事の費用相場

どのような充電器にするかで費用は大きく変わってきます。およその目安です。
・200Vコンセント
本体価格:0.5万〜2万円
専用回路増設工事内訳
分電盤交換工事・電圧切替工事費:2万〜3万円
分電盤からの配線工事・アース工事・幹線張替工事費:2.5万〜5万円
充電用コンセント設置費:1万〜1.5万円
諸経費(設計、電気工事検査、申請費等):1.5万〜2万円
合計:7万〜13万円
・スタンドタイプ
本体価格:15万~35万円
専用回路増設工事(コンセントとほぼ同じ内容):10万〜20万円
合計:25万〜55万円
・壁付けタイプ
本体価格:15万~20万万円
専用回路増設工事(コンセントとほぼ同じ内容):10〜15万円
合計:25万〜35万円
・V2H機器
本体価格:60万~100万万円
専用回路増設工事(コンセントとほぼ同じ内容):30万~50万円
合計:90万〜150万円

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まとめ

EVコンセントの他に、便利で手軽に使えるスタンドタイプや非常災害時の電源として使えるV2Hも選択肢の一つとして検討する価値はあるかと思い、ご紹介しました。その選択の際、悩まれることもあるかもしれません。そんな時はぜひナサホームまでご連絡ください。現在の住まいの状況を確認しながら、最適の充電設備を提案させていただきます。