置き型浴槽とは?
お風呂に浸かって疲れを癒し、心身の緊張をほぐす。入浴時間は、大切なリラックスタイムです。毎日のように利用する浴室は、綺麗で快適な空間にしたいものですね。
浴室の主役ともいえる浴槽には、設置方法や形、素材によってさまざまな種類があります。
それぞれの特徴やメリットをご紹介します。
置き型と埋め込み型、2つの浴槽のタイプ
浴槽は、置き型と埋め込み型の2種類に分けられます。
浴室の床に浴槽を固定せず、そのまま置くのが置き型です。数年前まで高級品でしたが、最近では手頃な価格のものも登場。旅館のような木製の浴槽を設置したり、浴槽を浴室の中央に配置したりと独創的なバスルームを設計するケースも増えています。浴室をリフォームする際、浴槽を交換しやすいというメリットがあります。
一方、埋め込み型は、浴室の床面と同じ高さまで浴槽を埋め込む設置方法。また、浴槽の3分の1程度の高さまで床に埋め込むものを半埋め込み型といいます。置き型よりも空間に広がりを持たせることができ、メンテナンスが簡単です。
置き型浴槽の種類と魅力
置き型浴槽の一番の魅力は、なんといっても洗練されたデザイン性の高さです。高級ホテルの洒落たバスタブのように、ラグジュアリーなバスタイムを演出してくれます。
置き型タイプの浴槽には、下記の2種類があります。
・フリースタンディング型
いわゆる猫足タイプの置き型浴槽。浴槽の床との間に空間ができます。
・エプロン型
浴槽の側面にエプロンと呼ばれるパネルが付いたものです。エプロンを設置することで浴槽の側面が2重構造になるため、浴槽に張ったお湯が冷めるのを防ぐことができ、内部の空間に追い炊き機能や排水口を設置することができます。
■置き型浴槽の排水方法
置き型浴槽は排水方法にも種類があります。
・開放式排水
フリースタンディング型は、浴槽の栓を抜くと排水管を通って洗い場へお湯が流れる開放式排水が採用されることが多く見られます。
浴槽の外で体を洗いたいという方は、洗い場に設置された排水口に浴槽のお湯を排水するこちらの方法がおすすめです。
排水管を接続する工事は不要ですが、浴室の床が汚れやすくなるのがデメリットです。
・直結式排水
浴槽と排水管を直接繋ぎ、浴槽のお湯をそのまま流せる排水方法です。海外ではこの排水方法が採用されているところが多く、浴室の床が汚れにくいのがメリットです。
ただ、この排水方法だと洗い場で体を洗うことができなくなります。浴槽で体を洗うことに抵抗がない方や、シャワールームを設置する場合は直結式排水を選択すると良いでしょう。
浴槽の素材とそれぞれの特長
浴槽は素材によって肌触りやお手入れ方法、耐久性が異なります。浴槽に使用される素材は主に次の5種類です。
人造大理石・人工大理石
粉砕した天然の大理石に樹脂やセメントを混ぜた人造大理石に対し、アクリルやポリエステルといった合成樹脂を原材料として、天然大理石のように作られた素材が人工大理石です。
人造大理石の浴槽は質感が良く高級感があり、人工大理石は耐水性に優れ、加工がしやすくカラーバリエーションも豊富です。
FRP
FRPとは、ガラス繊維強化プラスチック(fiber glass reinforced plastic)の略称で、浴槽の素材としては最も一般的です。
柔らかく温かみがある樹脂素材で、耐久性や耐衝撃性、保温性があり、軽量です。
カラーバリエーションも豊富で、価格も手頃。汚れがつきやすいという難点も最近では改良が進んだ製品があります。
ステンレス
浴槽の材質としては最もリーズナブルです。サビや傷に強いので、表面を清潔に保ちやすくなっています。
金属特有の触感やステンレスならではのシルバーの光沢が目立つため、好き嫌いが分かれる材質でもあります。
ホーロー
ホーローとは、鋳物や鋼板の表面をガラス質でコーティングした材質を指します。
保温機能に優れ、カビが生えにくいなどのメリットがあります。素材自体が重いため、2階には設置できない場合があります。
木製
木製の浴槽には、木ならではの香りや温もりが感じられる魅力があります。
木の種類にはヒノキやヒバ、マキなどがあり、なかでもヒノキは高い人気を誇ります。
腐りやすく、手入れが難しい一面がある木製の浴槽ですが、最近では特殊加工により改善された製品が出ています。
置き型浴槽を設置する際のポイント
置き型浴槽はさまざまなデザインがあるので、システムバスとは一味違うバスルームづくりが可能になるでしょう。
フルオーダーメイドの浴室なら、浴槽の形、材質から内装の仕上げ材の種類や色まで自由に選べます。置き型浴槽で、自分好みのバスルームを実現させましょう。
置き型浴槽の注意点
置き型浴槽ならではの気をつけておきたい点もあります。
■設置できるのは在来工法の浴室のみ
置き型浴槽は在来工法の浴室にしか設置できません。浴槽が既に組み込まれているシステムバスには設置できないので注意しましょう。
在来工法とは、床や壁に防水加工を施しながらコンクリートなどで床や壁を造り、モルタルとタイル等で仕上げる昔ながらの工法です。
■広さにゆとりが必要
デザイン性の高い置き型浴槽を設置するためには、浴室に十分な広さが必要となります。希望の浴槽を設置した場合、浴槽の周囲にどのくらい余裕があるかを確認しておきましょう。
■追い焚きに対応していない
置き型浴槽の中には、追い焚きに対応していないものがあります。購入する前に調べておくようにしましょう。
また、人造大理石の浴槽は表面が硬いという特性上、穴開け工事を行うのが難しく、「追い焚き機能」を後から追加できないケースが多く見られます。
置き型浴槽のデメリットをカバーするには?
置き型浴槽を設置する際、気になるのがお手入れ方法です。
システムバスと違い、浴槽の下に空間があるため、飛び散った水滴などが残ってカビが生えやすいのではと心配になる方も多いでしょう。
カビが生えにくくお手入れしやすい環境を整えるには、次のような点に注意することが必要です。
・水はけの良い床材を使用する
・防カビ性の高い床材を使用する
・しっかり換気をする
置き型浴槽を設置する浴室の床や壁にはタイルが使用されることが多いのですが、最近の浴室タイルは防水性、防カビ性の高い商品が揃っています。
また、くるっとひっくり返して裏側まで洗える浴槽も登場。お手入れしやすく、いつでも清潔さを保てます。
そして、大きな換気扇や窓を配置し、しっかりと換気ができるようにすることで、浴室内の湿気を翌日まで持ち越さないようにします。
置き型浴槽のある浴室実現に必要な費用は?
自分好みの置き型浴槽をあつらえた浴室を実現するには、どのくらいの予算が必要なのでしょうか。
置き型浴槽を設置するなら浴室全体をリフォームしよう
憧れのバスルームを叶えたいのなら、浴室全体のフルリフォームがおすすめ。浴槽だけでなく、浴室の壁や床、天井まで丸ごと一新しましょう。
浴室リフォームは内容の幅が広く、工事内容によって費用や工期は大きく変わってきますのでリフォーム会社によく相談をしてください。
〈在来浴室によるリフォームの費用相場〉
既存浴室の解体撤去・廃材処分:10万~20万円
浴槽本体価格:5万〜70万円
床・壁材費:10万~30万円
水栓・シャワー本体価格:10万~15万円
ドア本体価格:5万~15万円
照明本体価格:5万~10万円
施工費:15万~50万円(浴室部材の交換、張替、浴槽取付作業含む)
合計:60万〜210万円
工期:14日~1カ月
※システムバスを在来工法の浴室にリフォームする場合、既存システムバスの解体撤去・廃材処分費は15万~30万円が相場です。
〈浴槽のみ変更する場合の費用相場〉
既存浴槽の解体撤去・廃材処分:5万~10万円
浴槽本体価格:5万〜70万円
取付工事作業:5万〜20万円
合計15万〜100万円(浴槽サイズ/1,100mm)
※既存浴槽の撤去や防水工事を追加するとさらに費用がかかります。
置き型浴槽の本体価格の相場
浴槽本体の価格はその材質によって大きく異なります。
・FRP:5〜30万円
・人工大理石:5万〜40万円
・ホーロー:15万〜50万円
・ステンレス:5万~70万円
・木製:40万~70万円
まとめ
カビが生えないか、清潔さを保てるかなど衛生面が気になりがちな浴室。肌に直接触れる場所だから、リフォームすると心身ともにリフレッシュできそうです。おしゃれな置き型浴槽を取り入れて、理想のバスルームを手に入れましょう。まずはナサホームまでご相談ください。最適なリフォームプランの提案をさせていただきます。