フローリングの継ぎ目に起こる問題&対処方法

フローリングの表面のゴミやホコリは、モップや掃除機で手軽に落とせますが、問題はフローリングの継ぎ目(すき間)です。時が経つとゴミの汚れが溜まったままになったり、水をこぼした後の水分が残ってしまったり……すると、思わぬ住まいのトラブルの原因になることも。そこで今回はフローリングの継ぎ目に注目して問題点&対処法を考えてみました。


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フローリングの継ぎ目、意識していますか?


フローリングは一般的に、「無垢(単層)フローリング」と「複合フローリング」の2種類があります。

■無垢(単層)フローリング
天然素材の無垢フローリングは、木材の伸縮作用で大きく伸び縮みする性質があります。そのため冬場の乾燥する時期には継ぎ目が広がり、梅雨時など湿度の高い時期には逆に狭くなったりします。
これを見越して、あらかじめ名刺が1~2枚入る程度、すき間の余裕を持たせて施工しています。ですから冬場ではすき間が多少大きくても問題はありません。

■複合フローリング
複合フローリングはいくつかの木材を重ね合わせることで、無垢フローリングに比べ伸縮作用が小さくなるよう配慮されています。そのためすき間の伸び縮みも少なくなっています。

フローリングの継ぎ目の問題とその原因

フローリングの継ぎ目を一度チェックしてみましょう。しつこいゴミ汚れがあったり、水分が残っていたりしていませんか。

■ゴミやホコリが溜まるとカビの原因に 
フローリングの継ぎ目(すき間)に入り込んだゴミやホコリは見た目が悪いだけでなく、そのままにしておくとカビの原因にもなります。
食べ物のカスやペットの毛などはカビのエサになるので、増殖が進んでしまうおそれもあります。
こまめに掃除機をかけたり、飲み物や食べ物をこぼしたらすぐに拭き取るように心がけましょう。

■水漏れはフローリングの大敵
水漏れでフローリングが水浸しになると、色が黒ずむ、腐食する、湿気によってカビが発生する、板が波打ち、めくれが出るといった症状に加え、最悪の場合、下の階へ浸水などのリスクが出ることも考えられます。
フローリングが濡れたら、まずはできるだけ素早く水分を拭いて乾燥させることが大切です。ただし目に見える部分はすぐに乾燥させても、すき間から裏側に水が浸透すると大事に至るケースがあるので要注意です。

■フローリングの剥がれ
どんなフローリングでも剥がれのトラブルは発生します。その原因は大きく3つです。
①経年劣化
施工から10~20年も経つと、経年劣化で剥がれが出てくることがあります。
②摩擦
立ったり座ったりする際に椅子を引く、あるいはキャスター付きの家具を使用するなどを繰り返すと摩擦が加わり、剥がれやすくなります。特に継ぎ目部分に傷がつくと、そこから徐々に剥がれが広がることもあります。
③水分
ベランダの窓の近くなど結露が多い場所や、洗面台、キッチンなど水廻りスペースでは、フローリングの水分を放置していると、木材が浮いて剥がれることもあります。こまめに拭き取ることが大切です。

■床暖房ですき間が広がることも
床下に温水パイプなどを通す床暖房は、温度や湿度の変化によってフローリングに大きな影響を与えます。特に伸縮しやすい無垢フローリングの継ぎ目では、床暖房の使用で2mm以上の大きなすき間ができることもあります。
同様にホットカーペットを頻繁に使う場合も注意が必要です。

フローリングのすき間を放置するのは問題あり?

■無垢フローリングは状況をじっくり確認
晩秋から早春の時期ならフローリングのすき間が気になっても、湿気が多くなる梅雨時期まで待って、すき間の広がり具合を確認しましょう。
無垢フローリングは湿気が多いと膨らみ、湿気が少ないと水分を放出して収縮します。無垢材は呼吸して室内を上手に調湿してくれているのです。

■ひどいすき間は地盤沈下や建物の劣化などが原因の場合も
あまりにもフローリングのすき間が大きかったり、床の傾きが感じられれば地盤沈下や土台の劣化も考えられます。
地盤沈下の場合は、家の重みが原因なのか周辺を含めた地盤沈下が起きているのかによって対処が異なります。いずれにしても早急に専門業者に調査を依頼されることをおすすめします。

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対処方法にはどのようなものがあるの?


フローリングの継ぎ目が気になる場合は、補修またはリフォームを検討されることをおすすめします。

■すき間補修
フローリングのすき間が生活に支障をきたすようなら補修が必要です。
無垢は埋木で補修、複合材はパテやコーキング材ですき間を埋めるのが一般的です。すき間が大きく開いていたり、1部屋に何か所もすき間があったりする場合は専門業者に依頼し、まず補修するかリフォームが必要かを検討しましょう。
床の土台が傷んでいる場合は土台の傷んでいる部分を交換し、フローリング材を張り替えることになります。

■張り替え・上張りによるリフォーム
フローリングのリフォームは「張り替え」または「上張り(重ね張り)」が一般的です。
<張り替え>
既存の床を撤去したうえで新しい床材に張り替えます。古い床を撤去するため、下地の劣化具合が確認でき、腐食やシロアリ被害などがあった場合にも対応できます。
もちろん下地の補修工事が必要となれば追加費用はかかりますが、安心度はぐんと高くなります。
<上張り(重ね張り)>
既存の床はそのままで、新しい床材を上に重ねます。床の撤去が必要ないため、安価で工事期間が短いのがメリットです。
ただし、床材を重ねるため床全体が少し高さが出て、廊下や他の部屋との段差が生じる場合があります。特に高齢の方や小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。「見切り材」という部材で段差をカバーする方法もあります。

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フローリングのすき間補修、張り替えタイミングを見極める


長年使用したフローリングは、すき間が気になり、傷や汚れなども目立ってくるものです。使用年数や劣化具合によってリフォームのタイミングを見極めて対処しましょう。

劣化やトラブルは補修・リフォームのサインです

一般的に複合フローリングは10~15年、無垢フローリングは30年以上が耐久年数の目安と言われます。でもこれはあくまでも目安なので、実際に補修やリフォームを行うかどうかは状態を見て見極める必要があります。

■傷や汚れが目立ってきた
無垢フローリングは部分補修が可能ですが、複合フローリングは基本的には張り替えます。
傷やささくれを放置すると思わぬケガなどにつながるおそれもあるので、ぜひリフォームをご検討ください。
■日焼け・色褪せなどの変色
日当たりの良い部屋では、フローリングが日に焼けたり、色が薄くなったりします。
さらに状態が悪くなると板が浮いたり剥がれたりすることも。そうなれば張り替えのタイミングです。
■歩くとギシギシ音が鳴る
経年劣化で床板の状態が悪くなっていると、歩いた際に床が軋んだり音が鳴ったりするようになります。これは張り替えが必要なサインです。

フローリングの補修や張り替えにかかる費用は?

■フローリング補修の費用相場
補修の料金体系は、作業にかかる時間と傷の大きさと個数を基本に計算します。補修料金の相場は下記のとおりです。
<補修料金相場>
・線キズ・凹み・欠け(全長2cm以下)1か所あたり 0.4万〜0.6万円
・線キズ・シミ・剥がれ(〜25c㎡、全長20cm以下)1か所あたり 1.3万〜1.7万円
・線キズ・シミ・剥がれ(26〜100c㎡、全長40cm以下)1か所あたり 2.3万〜2.7万円

■部分補修(小規模補修)の費用(材料費+作業費)相場
・擦り傷の補修(1㎡あたり) 1万~3万円
・凹み補修(1か所) 1万~2万円
・剥がれ補修(1か所) 2万~3万円
・変色箇所の補修(1か所) 3万~5万円
・腐食箇所の補修(1か所) 2万~4万円
費用は実際の状態や補修する範囲、工事内容などで変わります。例えば、家全体で深い傷を埋める作業なら、1日単位で3万~5万円程度が相場になります。
逆に1時間程度で終わる軽微な補修作業なら1万~2万円程度で済む場合もあります。

■全面張り替え(大規模補修)の費用(材料費+作業費)相場
フローリング張り替え(6畳) 12万~20万円
フローリング重ね張り(6畳) 10万円~15万円
費用に幅があるのはフローリングの素材(無垢か複合)によるものです。一般的に「無垢フローリング」を使うと3万~5万円程度値段が高くなります。

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まとめ

本記事ではフローリングの継ぎ目(すき間)に注目して、補修やリフォームに踏み切る際の見極め所をご紹介しました。フローリングの状態によって工法や費用が変わるので、実際に施工される際は、業者に現場を確認してもらい、じっくり相談されることをおすすめします。もちろんナサホームならお気軽にご相談を承り、最適なリフォーム方法を提案させていただきます。