屋根裏を活用! 屋根裏収納スペースリフォーム&注意点について

快適な住まいには、収納スペースがしっかり確保されていることは絶対条件といえるかもしれません。 それにはできるだけデッドスペースをなくしたいと思うわけですが、そこで検討したいのが「屋根裏を収納スペースにできないか?」ということです。 メリットはたくさんありますが注意点もありますので、確実に実現させるリフォームについて述べていきたいと思います。


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屋根裏を収納スペースにするのはあり? なし?


リフォームで屋根裏に収納スペースを作るのは本当に後々の暮らしの中で役立つのかを検証してみましょう。

屋根裏を収納スペースにする方法

法律上「屋根裏」とは正式名称は決まっておらず、小屋裏も、天井裏も同じ意味として使われています。

・作れない住まいもある
そもそも屋根裏は、屋根の勾配(傾斜)の下にできる空間のことです。したがって勾配のない屋根や特殊な外観・形状の住まいには屋根裏に収納スペースが作れないケースがあります。また、ログハウスなどは勾配があっても天井部分がないので作れません。

・広く収納スペースがとれる急勾配な屋根
屋根裏のスペースは、傾きがゆるやかな場合は狭くなりますが、屋根の勾配がきついほど広くなります。屋根裏をのぞいて確かめてみましょう。

・屋根裏の使用目的を決めよう
建築基準法では、屋根裏を「物置」として利用するのなら問題はありませんが、「部屋」とみなされると後述しますが税金や保険料に影響してきますので注意が必要です。
ですからここでは「物置」としての収納スペースにすることをおすすめいたします。

屋根裏収納のメリット・デメリット

リフォームで設置後に後悔しないためにもメリットとデメリットはきちんと把握しておきましょう。

〈作って良かったメリット〉
■延床面積に含まれない
お住まいの土地には、敷地に対する延床面積の上限として「容積率」が決められており、床面積を広げることはできません。ところが屋根裏は延床面積に含まれないのです。
つまり、建築基準法上の条件を満たしていれば延床面積に含まれないので、屋根裏に収納スペースを作った分が広くなり、しかも固定資産税がかからないのです。

■デッドスペースを有効活用
延床面積の話でもう一つ。屋根裏は延床面積に含まれないので何もしないとデッドスペースになってしまいます。つまり、収納スペースとして利用するのなら、デッドスペースを有効活用していることになるのです。

■我が家の収納力が格段にアップ
住まいの収納スペースが格段に増えるのは大きなメリットです。
普段は使わない布団、アウトドア用品、趣味の道具、お子さんの思い出の品(教科書や作品)、備蓄品などを収納するといいでしょう。

■大きなアイテムもしまえる
収納力で言えば普段使わない物の他に、イスやチェストなどの家具、暖房器具や扇風機、クリスマスツリー、楽器、スキー板などのスポーツ用品等々、押し入れやクローゼットにしまうにはかなりかさばる大きなアイテムも収納できるでしょう。

■雨漏りや家屋の劣化も簡単に点検できる
収納物を出し入れするごとに屋根裏の状態を目視することになり、雨漏り、柱や梁のカビの発生、腐食を早期発見できるので屋根裏の収納スペースを設けることのメリットになるでしょう。

〈作って後悔しそうなこと〉
■荷物の出し入れはハシゴでの昇り降りで大変
収納物の出し入れはハシゴなどを使って昇り降りするので、大きな物や重たい物を運ぶのはなかなかの重労働です。少しでも負担を軽減するため、収納の間口を広くとったり、手すりを付けたりすることも考えましょう。

■夏は蒸し風呂になる
屋根裏の弱点のひとつが、直射日光の影響を強く受けること。特に夏場は室温が高くなり、蒸し風呂状態になります。断熱材や換気でいくぶんかは抑えられますが、ゴルフクラブなどのカーボン製品、熱や湿気に弱いゴム製品などは収納しないほうがいいでしょう。

■大人は立てる高さはない
屋根裏をあくまでも物置として使うのなら高さは1.4m以下と定められています。大人が立てる高さはないので、腰をかがめての収納作業となります。

■子どもやペットに気をつけて
屋根裏は子どもにとっては魅力的な遊び場に見えることでしょう。ハシゴから落ちる危険もあるので大人の監視下であることが必要です。
また、ペットの猫なども知らぬ間に昇ってきたりします。猫がいるのに気づかずに折り畳みのハシゴを畳んでしまう可能性もあるので気をつけてください。

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屋根裏に収納スペースを作るため法律上クリアすべきポイント


屋根裏に収納スペースを設けるには、税に関わってくる法律上の条件も知っておく必要があります。

建築基準法における「屋根裏」の条件

建築基準法によると、「屋根裏を物置」として作る場合の条件や禁止事項は、以下のように定められています。
・床から天井までの高さが1.4m以下であること。
・屋根裏の面積は、階下の床面積の2分の1未満であること。
・取り外し可能か折り畳み式のはしごであること(階段を設置すれば部屋として扱われます)。
・窓のサイズは、屋根裏の床面積の20分の1であること。
・扉などの建具を取り付けて屋根裏の出入口を塞ぐのは禁止。
・屋根裏にバルコニーの設置は不可。
自治体によってはこの条件が多少異なる場合があり、例えば「窓は0.2~0.3㎡のみ物置とみなす」など、事前に確認しておきましょう。

屋根裏収納と税金の関係

すでに触れていますが、屋根裏が「部屋」としてみなされてしまいますと延床面積に含まれてしまい、固定資産税に影響が出てきます。さらには住宅の保険料アップの可能性も出てきます。
ちなみにウォークインクローゼットや押入れは延床面積に含まれるため、固定資産税を計算する評価額に影響します。屋根裏が物置であれば、固定資産税の対象にはならないというわけです。

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快適で大容量の収納スペースを設ける前に費用面等、考えておきたいこと


屋根裏に収納スペースを設けるリフォームは空間を整備するだけでなく、オプションについても検討しておく必要があります。そのことも併せて費用相場を見ていきましょう。

屋根裏の収納リフォームに必要な費用

屋根裏の広さを6畳ほどと想定して費用相場を調べました。
・天井の開口、ハシゴ取付:7万~12万円
・屋根裏床フローリング施工:9万〜15万円
・照明、コンセント取付:4万〜6万円
・窓の取付: 15万~40万円
・開口部手すり取付:5万~10万円
・廃材処分・諸経費:4万〜8万円
合計:44万〜91万円

屋根裏のリフォームでは、換気や断熱も重要

屋根裏は住まいの中でも夏は高温、冬は寒くなりやすい場所です。屋根の裏面や床、壁面に断熱材の追加をぜひ検討しましょう。また、夏の熱気を外へ出すために窓だけでなく換気扇や24時間換気システムの設置もおすすめします。
温度変化により収納している物が傷むのを防ぐためにもこうしたオプション施工は大切になってきます。
・換気扇本体+設置工事費:5万~10万円
・24時間換気システム本体+設置工事費:8万~15万円
・屋根裏の断熱工事費:20万~40万円

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まとめ

普段使われていない屋根裏を収納スペースとして活用することは、住まいの収納量アップを実現させる最適なリフォームといえます。法律上の制限もクリアして後悔しないためにも、ぜひ実績豊富なナサホームにご相談ください。現在の住まいの状況を確認しながら、ご要望がかなうようにご提案させていただきます。