お部屋のエレガントなアクセント、モールディングを使ったリフォーム

皆さんは、西洋建築の内装や家具などに額状や帯状の飾りがあるのを見たことはありますか?この装飾はモールディングと呼ばれるもの。 現在では一般の住まいにも、住まいのアクセントとしてリフォーム時に選ばれることが多くなってきています。今回はこのモールディングの基礎知識と共に、どういった場所に設けることで趣ある住まいの内装ができるのか、また設置する際の注意点などについても詳しくご紹介してまいります。


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モールディングの基礎知識

モールディングとは

欧米の建築の中でもややアンティークなものであったり、伝統的な建築物に見られることが多い装飾、モールディング。その発祥は古く、ギリシア時代やローマ時代にまで遡ります。当初は絵の額縁として生まれたモールディングは、次第に室内の装飾などに使われるようになりました。古い時代のモールディングは、大理石などを使って作られるものが多かったのですが、現代では木材やプラスチックを使用したものも多く、一般の住まいにも気軽に使用できるようになっています。

モールディングの魅力

モールディングの魅力はなんといってもその装飾性。モールディングをつけることで、平面だった扉や建具に陰影が生まれるため、空間にエレガントな表情が生まれます。
その種類も、さまざまにあるため調度品などと合わせた雰囲気の統一も図りやすいのが特徴です。また通常の住まいの場合、どうしても天井と壁や、ドア枠などには接合部が生まれますが、この接合部をすっきりと覆い隠してくれるのもモールディングの魅力となります。

モールディングの付け方のポイント

手軽に品の良いデザインが作り出せるモールディングですが、設置の際にはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

■異なったデザインのモールディングを使いすぎないように
モールディグは、天井廻り縁や、腰見切り、巾木、ドアなどに使用されますが、その際場所ごとに異なったデザインのものを設置するとチグハグな印象になってしまいます。
モールディングを設置する際は、すべての箇所で雰囲気の統一が図れるように、同じデザインもしくは似通ったデザインのものを選ぶようにしましょう。

■モールディングのサイズとお部屋の空間のバランスを整えよう
10畳以上あるやや広いお部屋であれば、小さなモールディングを使っても存在感が感じられないため、大きめのモールディングや小さなモールディングを重ねるように使うようにしましょう。反対に、狭い部屋に大きなモールディングを用いると、モールディングにばかり目がいってしまいますので、小さなものを選びましょう。

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場所ごとに見るモールディング取り付けのポイント

天井のモールディング

壁と天井の境目に使われる見切りのことを天井廻り縁と呼びます。日本家屋などの場合、この廻り縁には木材や、茶色系統のものが使用されることが多いようです。
反面モールディングは白いものが多のですが、これは海外ではカラフルな壁紙が多用されるため、白いモールディングがアクセントとして機能するため。

天井付近にモールディングを設置する際のポイントとしては、大きさとデザイン。
天井高がある場合は太いものを、やや天井高が低いお部屋なら細いものを選びましょう。さらに、空間に奥行きを感じさせたいならシンプルな陰影のもの、ゴージャスな雰囲気を演出したいなら、彫刻調のデザインのものを選ぶと良いでしょう。さらに天井に、シーリングメダリオンなどを配するとより雰囲気がアップします。

壁・腰壁のモールディング

住まいの壁面に使われるモールディングの代表的なものとして挙げられるのが腰壁。
腰壁のモールディングを設置する際に注意したいのは壁紙との相性。
まずは壁紙と腰壁、モールディングそれぞれの色味を統一できるものを選ぶことが大切。その上で、絵画調の壁紙であれば、あえてシンプルなモールディングを選び壁紙の印象を際立たせたり、反対にシンプルな壁紙に、装飾の多いモールディングを選んでメリハリをつけるなどバランスを整えてみましょう。
腰壁の上の壁紙部分に同じデザインのモールディングを合わせたり、濃い色の壁紙であればその上や巾木部分に額縁や柱状のモールディングを配して、空間にメリハリを付けるのもおすすめです。また、腰壁だけでなく床面との見切り部分のモールディングのデザインバランスを考慮しておくのも忘れずに。

その他のモールディングの種類

そのほか、リフォーム時に用いられるものとしては造り付けのドアや本棚や収納棚に設置するモールディングもあります。これらは造作家具のデザインに合わせて、リフォーム会社にデザインを選んでもらいましょう。
また、姿見や壁に取り付けられた鏡、窓枠や窓の桟に使用されることもあります。

モールディングの取り付け方

モールディングを設置する場合、まずは壁にベニヤ板や石膏ボードなどの下地を作り、そこに墨出しをした上で変成シリコンやエポキシ樹脂系の接着剤を使って接着していきます。接着剤が乾燥しモールディングがしっかりと接着できたら、必要に応じて汚れや埃の付着を防ぐ仕上げ塗装を行い、それから壁紙の貼り付け、壁の塗装を行います。

また、現在では粘着テープで簡単に接着できる樹脂素材のモールディングも登場してきており、こうしたものは必要な長さに切断して壁紙の上から取り付けることができます。現状復帰などが必要なマンションにモールディングを設置する場合はこちらの方がおすすめであることもあります。

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エレガントなモールディングでリフォームしてみよう

モールディングの施工費用

モールディングは、使用する長さやモールディング本体の価格、お部屋の面積によって費用は大きく変わります。

巾木や廻り縁に使用されるモールディングであれば、1mあたりの価格は3000円〜15000円ほど。これを6畳ほどのお部屋に配し、さらに壁紙を含めたリフォームを行う場合の、工事費を含めたリフォーム価格は、25万円〜となります。

上記はあくまで概算の費用となりますので、リフォーム会社に施工依頼をする際は使用する素材やデザイン、使用する箇所などに合わせて見積もりを取るようにしましょう。

ナサホームのモールディング施工事例

■華やかなモールディングでリビングをエレガントに演出

リフォーム前は壁が板貼りで、リビングに暗い印象をお持ちであったことから、明るいリビングを目指しました。施主様がお持ちであった家具に合わせて、装飾性の高いモールディングを提案しながら、ホワイトをベースとしたリビングを目指しました。

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■モールディングと框扉で住まいをエレガントにトータルコーディネート

施主様のご希望により、折り上げ天井や洗面化粧室の壁と天井の見切り部分にモールディングを施工しました。立体的な線や模様がクロスを華やかに引き立て、シンプルなコーディネートで仕上げた空間には、さりげないアクセントにもなりおしゃれに演出してくれます。

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まとめ

住まいの中の抜群のアクセントとなるモールディング。施工も比較的安価かつ短期間でできるため、お部屋全体や壁紙のリフォームの際に合わせてご依頼される方もいらっしゃいます。これまでのお部屋の雰囲気をより一層、上品で華やかなものにしたいと思われる方はぜひ、モールディグの設置をご検討ください。