格天井や竿縁天井、和室の天井の種類とそのリフォーム方法

ゆったりと落ち着いて過ごせる和室。リフォームの際などに、畳や壁、建具などのしつらいにこだわる方は多いのですが、天井にまでこだわりを持って作り上げる方はそれほど多くないようです。しかし、横になったり、明かりをつけたりする際に意外と天井は目につくもの。さらに天井は空間の広がりを演出するなど大切な役割を持っているものでもあるのです。そこで今回は、和室の天井とそのリフォームについて、ご案内いたします。 細部までこだわって、和室をリフォームしたいとお思いの方は、ぜひご確認ください。


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和室でよく見る天井の種類とは?


和室の天井のリフォームを検討する前に、まずよく使用される天井の種類とその特徴について知っておきましょう。

和室で使用されることの多い天井の種類って?

■竿縁天井

日本建築で最もよくみられるのがこの竿縁天井。和室の四隅の壁上にある周り縁に、竿縁という横木を通し、その横木の上に天井板を渡して支えます。すっきりとした見た目で天井板の合わせ目に適度な隙間ができるため、通気性が高いのも特長です。

■格天井

寺院建築や書院、数奇屋などに使用されることが多い天井で、格縁という木材を縦横に組んで正方形や八角形の区画を作り出します。時にはこの区画に絵画や装飾紋様が描かれることもあります。装飾性が高く、和室における格式の中でも最も高いものとされています。

■目透かし天井

天井を形成する天井板を継ぎ合わせず、6〜9mmほど隙間を空けながら貼っていくもので、「打ち上げ天井」や「底目張り」と呼ばれることも。天井板の間に隙間があるため、板同士の厚みや模様の差が目につきにくく、すっきりとした見た目となるのがポイントです。

■折上天井
天井の中央部分を、上部分に凹ませて一段高く仕上げた天井を折り上げ天井と呼びます。天井の高さが確保できるため、空間に奥行きや開放感が生まれるというメリットがあります。

■船底天井

天井の中央部分を高くし、左右の壁側に向けて傾斜を付けた仕上げの天井を船底天井と呼びます。船の底を反対にしたような見た目からこう呼ばれており、茶室などでよく使用されています。
船底天井のメリットも開放感が生まれる点。また意匠としても優れています。

■網代天井

天井板を木の一枚板ではなく、桐や杉、竹の薄板を互い違いに編んだものでつくった天井を網代天井と呼びます。編み方によってさまざまな紋様を表すことだできるため、ナチュラルモダンな現代風の和室にもマッチします。

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和室の天井をリフォームするためには?


では実際に、和室の天井を思い通りの構造やデザインとするためには、どのような手順を取れば良いのでしょうか。

和室の天井のリフォーム方法

格子天井や竿縁天井など板張りの天井のリフォーム&張り替えを行う場合は、まずは床や壁、建具の養生を行った上で、既存の天井板と桟、断熱材を撤去します。
その上で、垂木や梁、火打材などに腐食や劣化がないかを確認。必要があれば、天井を構成する木材の補修を行います。

天井が露わになったら、天井の幅に合わせて材木をカットして横木や桟を渡して、天井板を渡し、さらに再度断熱材を仕込み、必要に応じて釘などで固定すれば完成です。

天井をリフォームする際の注意点

和室の天井を板張りのものにする場合、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

■明るい色味を使う
天井は床と比べて目に見える面積が広いため、色が暗いと部屋全体が重いイメージとなってしまいます。ゆったりとリラックスできる空間を目指すのであれば、明るい色の無垢材や、明るい色彩で仕上げをおこなっている板材を選びましょう。

■無垢材を使用する際は注意が必要
無垢材は収縮しやすく、また割れてしまう可能性があるため信頼のおけるリフォーム業者に素材を選んでもらうように心がけましょう。

■空間を広く見せるのであれば、天井高は高めに
和室全体のリフォームを行う場合は、天井高も合わせて変更するのも良い方法です。
天井高が変えられないという場合で、高さを出したい場合は思い切って天井板を外し、梁を剥き出しにしたスケルトン天井にしてしまうという選択肢もあります。

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和室の天井をリフォームする際の費用&実例


和室の天井に使用される木材はさまざま。こちらではその木材の特徴と、実際に板張りの天井を張り替えリフォームした際の費用について紹介していきます。

和室の天井に使用される素材

■天井板の種類
無垢材:木の一枚板です。やや高価ですが、仕上がりが美しく経年で風合いが美しく変化します。
化粧貼り:無機材質性のボード表面に、木目のついた化粧単板を接着した合板でやや安価です。

■代表的な木材の種類
ヒノキ:調湿・防臭・防虫・殺菌効果があり、比較的耐久年数が高い高級素材です。
サワラ:加工しやすく、美麗ではないものの落ち着く風合いで、値段も手頃な木材です。
スギ:加工がしやすく、調湿効果があり、暖かい見た目で美しい木目が特徴です。
ヒバ:ヒノキと同じく防虫効果に優れ、不快な害虫などの発生を抑えます。

和室の天井のリフォーム費用

和室の天井を板張りにする場合の費用は、使用する天井板のグレードやあしらい、部屋の広さによって大きく異なります。

一般的な目透かし天井や竿縁天井を張り替えた場合:6畳程度のお部屋であれば、合板の天井板の場合は10〜17万円、無垢材を使用した場合は15〜25万円程度となります。

ナサホームでの和室の天井施工事例

■天井に黒竹をあしらったスタイリッシュな和室

天井に黒竹と、壁にアクセントクロスを使用した、スタイリッシュな和室です。天井などに黒竹のような異素材を用いたこだわりの和室です。

この施工事例はこちら

■格子組のデザイン天井が印象的な離れ

離れを新築する際、天井には濃紺のクロスを貼り、格子組のデザインに仕上げました。

この施工事例はこちら

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まとめ

こだわりが光る和室の天井は、長く住み継ぐことができる和の趣の住まいや和モダンの居室を目指す方には、ぜひ挑戦してほしいもののひとつ。ナサホームでも経験豊かな職人の手による、風情ある和室の板張り天井リフォームを数多く、ご提供してまいりました。
本記事と併せて、当社の施工実績などをご確認いただき、ぜひご相談ください。