光と一緒に風も取り込もう!居室の採光リフォーム

リビングや寝室・玄関や廊下。 大切な毎日を過ごす住まいのお部屋は、できれば自然光が溢れる明るい空間であってほしいものです。お部屋の中に十分光が回ることは、そこで過ごす毎日が明るいものとなるだけでなく、心身の健康にも大きく関わってきます。では、明るいお部屋を実現するためにはどのようにすればよいのでしょうか。 今回の記事では、お部屋に光を呼び込むポイントや一般的に「明るい」と言われるお部屋の明度の基準などを詳しく紹介してまいります。


この記事は約7分で読み終わります。

居室が快適になる明るさって??


「明るいリビング」や「明るい寝室」など、多くの人が理想とするお部屋のあり方。
その明るさには基準があるのでしょうか?

居室と採光の関係、そもそも採光とは

実は人が暮らす部屋は「ある程度の自然光を取り入れなければならない」と建築基準法によって定められているのです。また基本的に住まいの中に自然光を取り入れるのには、窓からとなりますので、建築基準法ではこの光を取り入れる基準を「採光のための窓の面積」などから求められます。
この窓の面積は、最低でも居室の床面積の7分の1以上が必要とされています。さらに、この窓の面積に対して窓がどのくらい光を取り入れられるかという数値(採光補正係数)を掛け合わせたものが、居室の明るさの基準となる「有効採光面積」とされます。

これは
窓の面積×採光補正係数=有効採光面積
として求められ、この有効採光面積の数値が床面積の1/7以上であること(7畳の部屋であれば1畳分)であることが求められます。

また採光補正係数は、窓を設ける高さや軒先までの距離、建物のある都市計画区域内の用途、さらに建具などの有無などによって細かく規定されます。

これらの計算に関しては、リフォーム会社などに依頼すれば、現地調査を行った際に調べてくれることもありますので、まずは「自分のお部屋が暗い」と感じたら、お部屋の明るさと共に、有効採光面積の算出も依頼してみましょう。

実はこんなに大事!住まいに入る自然光

十分な採光を取ることができない、いわゆる「暗い部屋」に暮らすとどのような悪影響があるのでしょうか。

■生活リズムが崩れる
私たちは体内時計という、時間の流れを自分の体で体感し、整体リズムを整える機能を持っています。この体内時計は日光(朝日)を浴びることでリセットされるとされており、暗い部屋に長時間いることで、この体内時計のリズムが崩れ、心身の不良になりやすくなると言われています。

■カビや湿気・埃の温床に
光の入らない部屋は気温なども上がりにくく、また窓の面積が少ないことから風通しが悪くなり湿気が溜まりやすくなります。こうした部屋では湿気によるカビやダニが発生しやすく、体調不良やアレルギーを発症する原因ともなります。

■光熱費がかかる
太陽光はお部屋を暖めるのにも役立ちますし、風を通すことでお部屋を涼しくするためにも活躍します。窓の小さい部屋ではこうした熱の交換が十分に行えず、快適な室温を維持するためにエアコンや冷暖房器具を必要以上に稼働させる必要があります。

目次へ

お部屋の明るさをアップするリフォームのポイント


お部屋を明るくするためには照明の設置も重要ですが、それ以前に自然光をしっかりと取り入れることを考えておくべきです。こちらでは住まいの中に自然光を取り入れるための方策についてお伝えします。

居室の採光を高めるためのポイント

■窓の変更
リビングや寝室が暗いという場合、そもそも窓が小さいという原因が考えられます。高い隣家が後から建築されて日当たりが悪くなってしまった場合や、窓のある方角によっても採光の効率は変わってきます。これらを解消するためには、窓の大きさを変えるのが一般的。
ただし、窓を大きく変えてしまうことで、外部からの人の視線が気になってしまうという場合は、窓の数を増やし高窓や腰の高さのFIX窓を用いることで解消できることがあります。また、採光の効率はやや下がるものの窓ガラスを乳白色のものとすることで周囲からの視線を遮るといったリフォーム方法も考えられます。

参考:ナサホームマガジン
マンション&戸建で、窓を大きくするリフォームとは

マンション&戸建で、窓を大きくするリフォームとは?

■ドアの材質の変更
玄関や住まいの中でも奥まった部屋の採光が取れないという場合は、小窓のあるドアなどを採用することで、屋外からの光を室内に呼び込むことができます。

■吹き抜けを作る
あまり一般的な方法ではありませんが、天井高が高い住まいであれば天窓を作ったり、二階の居室や廊下と1階の部屋を吹き抜けで繋いでしまうことで、高い位置から光が入りお部屋の採光を高めることができる場合があります。

■室内窓を設ける
採光が悪い部屋の隣室が明るいという場合は、室内窓を設けることで隣室からの明かりを呼び込むことができます。また、室内窓だけでなくルーバーを使ったパーテーションや室内壁、可動式の間仕切りを用いることでも、隣室からの明かりを居室に呼び込むことができます。

参考:ナサホームマガジン
室内窓をリフォームで取り付けるとこんなメリットが!注意点は?

室内窓をリフォームで取り付けるとこんなメリットが!注意点は?

採光を考えるリフォームは換気対策にも

採光を良くするためのリフォームは、基本的に外部に開かれた場所を作る「窓」や部屋同士を繋げる「間仕切り」「吹き抜け」などの施策となります。
こうした方法をとることは、実は光だけでなく風も居室の中に呼び込むことになります。風が通る部屋は湿気が篭りにくくなるため、カビやダニなども発生しにくくなりますので、まさに一石二鳥といえるでしょう。

目次へ

それぞれのお部屋でできる採光のための取り組みって?


それでは採光を高めるための施策をとるために、どのくらいの費用が必要かを考えてみましょう。

採光のリフォームにかかる費用

■窓を増やす・窓を拡張する
既存の窓を大きくするためには、既存の窓を撤去し周囲の壁などを一旦取り壊して新たな窓を設置する必要があります。この場合の費用は1箇所あたり30〜50万円ほどとなります。また、窓の数を増やす場合も同様に30万円〜の費用が必要。この時、住まいの構造や耐力壁の位置によっては窓の拡張・増設ができないことがありますので、事前にリフォーム会社に構造計算などをお願いするようにしましょう。

■玄関ドアの交換
玄関ドアを交換する場合、間口の大きさを変えずにドアのみを交換するというのであれば、5〜10万円ほどの費用感となります。ただし、ドア枠ごと交換したり、開き戸を引き戸に変えるなどのリフォームを行う場合は50万円〜の費用が必要です。

■吹き抜けを作る
吹き抜けを居室内に作る場合の費用は、居室の大きさ・上部の部屋の位置や構造によって大きく異なりますが、おおよそ費用的には50〜250万円程度。正確な費用を知るためには、リフォーム会社に現地を確認してもらい、見積もりを計算してもらう必要があります。

■室内窓をつくる
室内窓を設ける場合の費用は小さなものであれば、15〜30万円程度。ただし人が通れるようなものを作るのであれば50万円以上のコストがかかることもあります。

ナサホームの施工事例

■間仕切のない全面採光で明るい住まい

建物の構造上、窓が少なく光が入りにくい間取りでした。そこで、間仕切りをなくし全面採光の建具を採用させていただきました。採光の建具は引き込み式のため、用途に合わせて使っていただけます。

この施工事例の詳細はこちら

■採光と採風にこだわった光溢れるLD


間取りを一新して、LDKを南北に配置することにより、広々としたリビングを確保しました。採風と採光に配慮した間取りとなり、光が溢れるご自宅へと生まれ変わりました。
この施工事例の詳細はこちら

目次へ

まとめ

家族の皆様が明るく、心から豊かに暮らしていくために意外と重要な役割を果たす光の問題。居室の中に光を通す方法はいくつも存在しますので、時にはその方法選びになやまれることもあるかもしれません。そんな時はぜひナサホームまでご連絡を。ご家族様それぞれの要望をお伺いし、さらに現在の住まいの状況を確認しながら、最適なリフォームプランの提案をさせていただきます。