エコで家計も助かる節水・節湯水栓に変更しませんか?

省エネに効果がある、ガス代などの節約になると話題になっている節湯水栓。しかし、そもそも節湯水栓はどのような仕組みのもので、なぜ省エネに貢献してくれるのでしょうか。今回はその節湯水栓の基礎知識と共に省エネ効率から、既存の水栓からのリフォーム方法などについて解説してまいります。


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人気が高まる節湯水栓って何が良いの?

節湯水栓とは?

「節湯水栓」を簡単に説明すると、混合水栓のうち

➀センサーもしくはボタン付きの「手元止水機構」構造
②流水量を削減する「小流量吐水機構」構造
③中間水の流水を防ぐ「水優先吐水機構」構造

のうち1つ以上を有する水栓のことを指します。

混合水栓とはお湯と水を合わせて適温の水流を出す水栓のこと。台所などにある1つのレバーで温水・冷水・水量などを調整できる「シングルレバー水栓」、浴槽の上などにある温水・冷水の2つのハンドルを回しながら適温を調整する「混合水栓」、シャワーなどに使われるダイヤル式のハンドルで水温を調整し、レバーで水流を調整する「サーモスタット水栓」の3つが存在します。
この水栓には、水を使っている状態でも少量の温水が流れ出てしまう、ハンドルやレバーの操作を手で行わない限り水が流れ続けてしまうといった欠点があります。この欠点を克服するために開発されたのが節湯水栓なのです。

節湯水栓の3つの構造について

次は、節湯水栓の条件である「手元止水機構」、「小流量吐水機構」、「水優先吐水機構」について解説していきます。

手元止水機構(センサー)とはハンドルやレバーなどを操作することなく自動で水を吐水・止水ができる機構のこと。トイレや洗面所などの手をかざすと水が出て、数秒後に止まる水栓がこれにあたります。
なお、ボタン付きはボタンを押すことで、吐水・止水を操作できます。

小流量吐水機構とは、水圧を変えずに流水を調整できる機能のこと。シャワーなどの場合、水の勢いを強くする場合、これまではハンドルを操作し多量の水を流す必要がありました。小流量吐水機構はこの従来の方法ではなく、水に空気を含ませたり、シャワーや吐水口の穴の大きさを工夫することなどで、流水を調整できるようになっています。

水優先吐水機構は、シングルレバー水栓に搭載されることが多い機構で、冷水と温水が混ざり合った水の流出を軽減させるもの。使用時に冷水と温水が混ざりあう領域にレバーを合わせた際にクリック音などを鳴らすことで、給湯器の着火を防ぎガスなどの無駄遣いを防いでくれます。

節湯水栓にするとどのくらいのエネルギー節約になるの?

節湯水栓は3つの機構を組み合わせることで大きなエネルギー節約を行うことができます。その節約量は地域によって違うものの、50%近くに上ることも。ただし、適切な節湯水栓を選ぶためには、それぞれの水栓がお湯の量やエネルギーをどのくらい削減してくれるのか知っておかなければなりません。

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節湯水栓の選び方&リフォーム方法


では実際に、節湯水栓を選ぶ際にどのような指標を目安とすればいいのでしょうか。これについては一般社団法人の日本バルブ工業会と建築物省エネ法によって定義されているので、リフォームや水栓交換に際して製品を選ぶ際はその基準を参照するようにしましょう。

一般社団法人の日本バルブ工業会では「節湯A/節湯B」という2つの基準を設けています。

節湯A:手元止水機構があり、キッチン水栓であれば9%、シャワー水栓であれば20%(従来比)で温水の使用量を削減できるもの。

節湯B:小流量吐水機構がありキッチン水栓であれば17%、シャワー水栓であれば15%(従来比)で温水の使用量を削減できるもの。

一方で建築物省エネ法では「節湯A1/B1/C1」という3つの基準を設けています。

節湯A1:手元止水機構があり台所水栓であれば9%、浴室シャワー水栓であれば20%のエネルギーを削減できるもの。

節湯B1:小流量吐水機構があり浴室シャワー水栓において15%のエネルギーを削減できるもの。

節湯C1:水優先吐水機構があり、台所水栓、浴室シャワー水栓共に1〜29%のエネルギーを削減できるもの(削減基準は地域によって異なる。例:東京・大阪・京都の一部などは9%)。

節湯水栓はリフォームで交換可能です

現在使用している水栓を、節湯水栓に変更する方法は通常の水栓交換と同じ。
基本的にはまず止水栓を閉め、止水栓の上にある既存の配管と水栓を取り外し新しい蛇口を取り付け、逆止弁と給水ホースを接続し、止水栓を開けば交換は完了します。

節湯水栓をDIYで行わない方が良い理由

水栓交換の手順は意外と簡単であるためDIYで施工できそうな気がします。
しかし、水栓には給水方法などによってワンホール/ツーホール/壁付き/台付きなどいくつかのタイプがあり、また浴室やシャワー・台所や洗面所など設置場所によっても製品が細かに分かれています。また、仕様の違う水栓への交換は非常に難しいため、取り付ける水栓選びや施工には細心の注意が必要です。

特に節湯水栓の場合は、1箇所だけの交換というよりも住まい全体の水栓交換による経済&省エネ効果が期待されるものであるため、失敗を防ぎリフォームを成功させるためにも、信頼のおけるリフォーム会社に商品選びから施工までを相談しながら行うことをおすすめします。

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節湯水栓にまつわるお金の話


こちらでは節湯水栓の交換のために必要となる費用のご案内と共に、交換リフォームの助けとなる補助金についてご案内します。

節湯水栓の価格と変更するためのリフォーム費用

■キッチンや洗面所の蛇口交換
キッチンや洗面所の蛇口の交換費用は4万〜18万円程度。
水栓の費用は最もシンプルなもので3万点程度。水栓に浄水器やシャワー機能があるものであれば4万〜7万円、タッチレスセンサーがついたものであれば10〜15万円程度の費用となります。作業費自体は1〜3万円程度となります。

■浴室の水栓(浴槽用)
浴槽用の水栓の交換費用は3万〜5万円程度。
水栓本体の価格としては、浴槽に水を溜めるだけの水栓であれば2万〜4万程度、シャワーと一体になったものであれば3万〜7万円程度となります。

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まとめ

お財布にも地球環境にも優しい節湯水栓。現在水栓の交換を考えられている方には是非候補としてほしい設備です。なお、この節湯水栓のリフォームに関しては2023年現在、「こどもエコすまい支援事業」などの補助金が利用可能です。ただし、こうした補助金に関しては、それぞれに予算の上限や申請期間が存在しますので、リフォーム前にそれぞれの補助金が利用可能かしっかりと確認しましょう。また、DIYなどでの水栓交換は、施工後の水漏れや製品選びの失敗などに繋がりやすいため、できればプロのリフォーム会社に依頼するのがおすすめ。
こうした事業者であれば、住まい全体の水栓交換や補助金利用に関するアドバイスなども行ってくれるため安心。もちろん、ナサホームでもこうした皆様のご要望にお応えするプランニング・提案、そして施工を行なっておりますのでお困りの際はぜひお声がけください。