適正価格はどのくらい?外壁・屋根リフォームにおける足場費用について

屋根や外壁、窓など住まいの高所のリフォームを行う際に、欠かせないのが足場。 作業者たちが足がかりとすることで安全かつ正確に作業が行えるだけでなく、塗料の飛散を防止するための養生時にも活躍します。今回はこの足場の役割について再確認するだけでなく、その価格についても詳しくご紹介してまいります。 現在、住まいの中でも高所のリフォームをご検討中の方は、ナサホームマガジンのリフォーム解説や施工事例紹介と併せて、本記事もご確認ください。


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リフォーム工事で設置される足場の役割

足場とは

足場は建築物などの高所で作業する場合に、作業をする人材が足がかりとするための構造物(仮設設備)を指します。現在では金属のパイプや板などで構成されることが多いのですが、かつては木や竹などで構築されている時代もありました。なお、足場を設置する際には、労働安全衛生規則に則った仕様にする必要があります。

また足場と一口に言ってもいくつかの種類があり、地面から立ち上げるものを組み上げ足場といい、組み上げ足場の中でも凹凸の金具を用いて、金属パイプや水平材、斜材などを固定するものをくさび式足場、門型に溶接された建枠に金属パイプをはめ込み、そこに筋交や並行材を組み合わせて構築するものを枠組み足場、単管と呼ばれる直径48.6mmの金属パイプを金具で連結しボルトで締め上げながら構築し、このパイプそのものを足場とするものを単管足場と呼びます。

さらに、高層マンションなどの特に高い部分で作業をする際、屋上や梁から足場を吊るす形で構築するものは、吊足場と呼ばれています。

なぜ足場を組む必要があるの?

■安全に作業を行うため
足場の最も重要な役割は安全確保。高所での作業時に職人が転落してしまった場合、職人の身体的な怪我だけでなく、施主様にも精神的な苦痛を与えてしまいます。

■正確に作業を行うため
足場を組むことによって、高所での手の届く範囲が広がるため、より緻密な作業が可能となります。特に大切な住まいを汚れや雨風から守る外壁や屋根塗装の場合、塗りムラなどがあると後々、劣化などの問題を引き起こすことがありますのでやはり足場組は重要となってきます。

■養生などを通して近隣住人への影響を防ぐため
職人の足がかりとなるだけでなく、足場には飛散防止ネットの設置や養生シートの設置時にも活躍します。特に飛散防止ネットは塗料の飛び散りや屋根材、外壁材の落下などによって建物の下を通行している人々や近隣の住人、または近所の住まいに被害が及ぶことを未然に防いでくれます。

足場と一緒に必要となるモノ・コト

足場を組む際、そして解体する際にはいくつか注意しておくべきもの、用意しておくべき場所などがあります。一つは足場を組んだり解体するための十分なスペース。基本的には隣の建物との距離は50cm以上、離れているのが必須条件。しかし、場所によってこれ以下のスペースしかない場合は、事前に隣家などに声をかけて足場を組む許諾を得るようにしましょう。また足場を組み上げる際や、解体する際には材料を置いておくスペースも必要となります。トラック一台分ほどのスペースが取れるかどうかも合わせて確認しておきましょう。

さらに、足場を組んでの作業が長期間にわたる場合、足場を通じて隣家に部外者が侵入すると言ったことも起こり得ます。こうしたことを防止するために、場合によっては人感センサーによるライトやカメラを設置する必要があるかもしれません。

足場を安全に組むためには資格が必要?

足場を組むためには労働安全衛生規則に従った構築をしなくてはなりませんが、これに関して特別な資格は必要ありません。ただし、足場が5m以上となる場合は、足場の組立等作業主任者という国家資格が必要になります。
また、足場を安全に構築し作業を安全に進めていくためには、とび技能士や建築物等の鉄骨の組立等作業主任者などの職人がいると安心です。足場を組む際に気になるようであればリフォーム会社などに職人が保有している資格について確認してみましょう。

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こんなリフォーム&リノベーションの際には足場組みが必要

外壁の工事・塗装

均一な塗装やヒビや穴などの補修といった、繊細な作業が必要とされる外壁のリフォームには足場の構築が必須。2階程度のそれほど高くないと思われる場所であっても必ず足場を組むようにしましょう。なお、外壁のリフォーム時には、職人が安定した姿勢で移動できる板状の足場があるくさび式足場がおすすめです。

屋根の工事・塗装

屋根の上に上がってそこを足場とする場合は、場合によっては足場が必要とならないケースもあります。ただし、塗料を使用する場合や屋根材を交換するなどの、資材の取り扱いが必要な場合は、これらの資材や工具などの落下防止、塗料などの飛散防止のため足場組みが必要となります。

窓やシャッターのリフォーム

高断熱ガラスへの交換や内窓の設置、窓枠の取り替えなど建物の外部から、窓に手を加える際にも足場組みは必須。特に窓が大きく、玄関から搬入できないなどの場合は、安全に作業を行い、窓が落下しないように足場とネットの設置が欠かせません。窓のリフォームなどの場合はあらかじめ窓の大きさや、住まいの外から工事をしなくてはならないかなど、事前にしっかりと調査をしておくようにしましょう。

組み立てと解体にかかる時間は?

足場の組み立てと解体にかかる費用は、30〜40坪程度の戸建の場合であれば、おおよそ半日〜1日程度。ただし現地の情報が職人に伝わっていなかったり、細かな建物寸法を伝えていなかったり、資材置き場などが近隣に用意できない場合などは、さらに時間が必要となることもあります。事前にリフォーム会社とコミュニケーションを取り、足場組みのための準備を入念に進めておきましょう。

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足場を組む際の適正価格って?

足場を組むために必要となる費用の相場は?

足場の費用は足場を設けるための長さや飛散防止ネットの面積によって大きく異なるため一概に言うことはできませんが、多くの場合相場は以下の式によって求められます。

足場を設けるための面積=足場架面積

(家の外周+8m)×高さ

足場費用の求め方

足場架面積×(組み上げる足場材の相場+飛散防止ネットの相場)

なお、この際、組み上げる足場材の相場は1㎡あたり900〜1100円程度、飛散防止ネットは1㎡あたり200〜300円程度となります。

また、近年「足場費用を無料にする」というふれ込みで、リフォーム契約を取ろうとする業者が増えていますが、この場合リフォーム費用そのものに足場費用が含まれている場合があるため注意が必要です。適正なリフォーム費用で、住まいを手直しするためにも足場費用をしっかりと算出してくれる業者を選び、その上で相場からかけ離れた費用を提示されていないかの確認を行いましょう。

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まとめ

リフォームの費用の中の数字を見た際に、なかなかその役割が想像しづらい足場ですが、実際には品質の高い施工と、安全を確保するためには絶対に欠かせないものなのです。
ナサホームでも、皆様の大切な住まいと、職人の安全を確保するために足場の設置と明朗な費用提示を徹底しております。