和室の雰囲気にもぴったりと合う。引き戸リフォーム

家の老朽化やバリアフリーなど、さまざまな理由から襖を引き戸にリフォームしたいと考える方は多いのではないでしょうか。襖を引き戸に変えれば、部屋のイメージを変えたい、襖の張り替えが面倒などの悩みも解決するかもしれません。今回は引き戸のリフォームに注目してみましょう。


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和室の襖(ふすま)を引き戸にリフォームしたい


和室を仕切る建具の一つである「襖」。日本家屋に欠かせないものですが、和のテイストが強いデザインのものが多く、和室と隣り合う洋室の雰囲気を損なうこともあります。
一方、引き戸には多様なデザインがあり、和洋両方の雰囲気に合わせやすくなっています。
和室の襖を引き戸に交換するとしたら、どのようなものがふさわしいのでしょうか。

引き戸とは

引き戸とは、戸を左右にスライドして開閉する扉を指します。開く方向に物があると扉がぶつかってしまう開き戸と違い、戸の前後に物を置いても扉を開閉できるため、より広く空間を広く使うことができ、開放感を得やすいというメリットがあります。
引き戸にはいろいろな種類があり、それぞれに良さがあります。用途にあった引き戸を選びましょう。

■片引き戸
1枚の戸を壁に沿ってスライドさせて開け閉めする引き戸で、左右どちらかの一方向に動きます。複数枚の戸が連動しているタイプもあります。シンプルな構造と使いやすさが特徴です。

■引違い戸
襖のように2枚以上の戸を左右どちらにも開け閉めできる引き戸。戸口の幅が広く、どの扉からでも開け閉めできる点が便利ですが、戸2枚分の費用とスペースが必要になります。

■引き込み戸
スライドした戸を壁の中に収納できる引き戸。戸を壁の中に隠せるので見た目がスッキリし、壁沿いに家具を配置できます。ただ、戸袋にゴミが溜まりやすいという難点があります。

襖のトラブル

襖には、経年劣化によってどんな変化が起こるのでしょう。トラブルの内容とケースごとの対策を調べてみましょう。

■襖紙の劣化
襖は木の骨組みに襖紙と呼ばれる和紙などを重ね貼りした構造になっています。紙でできているため日光や湿気に弱く、大切にお使いいただいても汚れや破損が生じてしまいます。目安として、十年に一度は襖紙の張り替えをおすすめします。

■襖の動きが悪くなる
襖の動きが悪くなる原因のひとつは、襖の開け閉めを繰り返すことによる敷居のすり減り。この場合はロウやテープ、スプレーで滑りを良くすると簡単に改善できるので、一度お試しください。
また、襖と敷居の溝の間にはゴミやほこり、髪の毛などが詰まりやすく、それが襖の動きを悪化させるもととなります。襖を外して敷居の溝を掃除すると、動きがなめらかになります。
さらに、鴨居がなんらかの理由で歪んだり下がったりして、動きが悪くなるケースもあります。木製の鴨居は湿度によって形が変化しますし、周囲の梁や壁が下がると鴨居も下がるため、襖を動かしづらくなります。対処法としては鴨居部分か襖の上部をカンナなどで削ると、うまく動くようになるでしょう。

襖を美しく快適に保つには、手間もコストもかかります。襖が古くなったり建て付けが悪くなったのをきっかけに襖を引き戸に変えれば、張り替えの負担を解消できます。

和室のデザインに合う引き戸の選び方

どのような引き戸を選べば、和室の雰囲気に合わせやすいのでしょう。

■和洋折衷の便利な引き戸「戸襖」
戸襖とは下地材に合板などを用い、板戸仕上げにした襖のことです。洋室と和室を仕切るなら、洋室側は板材で仕上げ、和室側は襖紙を貼ると両方の部屋のイメージに馴染みやすくなります。

■ハイドアの建具を使う
おしゃれでモダンな和室にしたい方は、思い切って天井いっぱいまで戸になっている「ハイドア」タイプにリフォームしてみてはいかがでしょうか。ドアを開けた時に下がり壁がないため、家の中がスッキリとした印象になります。

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和室における引き戸のリフォーム 3つの方法


「引き戸リフォーム」と一口に言っても、その内容は多様です。まずはご自宅にふさわしいリフォーム内容について確認しましょう。

引き戸にするリフォーム

引き戸にするリフォームは、次の3つが考えられます。
1:襖を引き戸に変える
2:従来の引き戸を新しい引き戸に変える
3:開き戸を引き戸に変える
引き戸を交換するには、ドア枠ごと交換する方法と、引き戸のみ交換するという2種類の選択肢があります。ご自宅の状況や予算に合う施工方法を検討してみてください。

引き戸への交換範囲

次に、どこまで交換するかを考えてみましょう。

■ドア枠ごと交換する
部屋全体の雰囲気を変えられます。ただし壁・壁紙の工事が必要なことがあり、工事期間が長くなる可能性があります。

■引き戸のみ交換す
既存の枠を活かすので費用は抑えられますが、引き戸と枠の色味・雰囲気などが合わない場合もあります。

最近では既存のドア枠の上に新しいドア枠を設ける「カバー工法」という選択肢もあります。大規模な交換工事が必要ないため、スピーディーなリフォームが可能です。

襖から引き戸へのリフォーム

襖を引き戸に交換する際、既存の襖の枠を活かすことができれば、大規模な工事は必要なくなります。
一方、枠から新しいものを設置すると、レールタイプや上吊りタイプの引き戸に交換することも可能になります。
ご自宅に最適な交換方法を選びましょう。

■レールタイプ
床に敷いたレール上で戸をスライドさせるもの。室内引き戸のなかでは一般的です。

■上吊りタイプ
天井・壁の上部にレールをつけ、戸を吊るしてスライドさせます。床にレールがなくフラットに仕上がるため、つまずく心配がない、掃除しやすいなどのメリットがあります。車椅子での移動もスムーズになり、バリアフリーにしたい方におすすめです。

引き戸の補修

引き戸は年月が経つうちに品質・性能が劣化し、扉が閉まりにくくなるなどのトラブルが起こる可能性があります。状態や原因によって補修内容は異なり、ご自宅で簡単に改善できるものから、大掛かりな修理が必要となる場合がありますので、こちらの記事を参考になさってみてください。

がたつく、閉まらない。引き戸に起こるトラブル&リフォーム方法

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引き戸へのリフォームや補修の費用はどのくらい?


引き戸へのリフォーム費用は、引き戸本体のグレードと施工内容で変わってきます。

襖を引き戸に変える費用は?

最近では襖サイズに作られた引き戸が市販されています。
枠をそのまま流用し、低価格の引き戸を選べば、予想よりもコストをかけずにリフォームすることも可能になります。

■ドア枠を流用
引き戸の価格:3万〜20万円
施工費(ドア枠流用):3万~10万円
廃材処分費:1万~3万円
養生・清掃費:1.5万〜2万円
合計:8万〜35万円
工期:半日〜1日

■ドア枠も交換
引き戸の価格:2万〜20万円
施工費(ドア枠交換):12万~15万円
廃材処分費:2~5万円
養生・清掃費:1.5万〜2万円
合計:18万〜42万円
工期:3日〜5日

引き戸を交換する際にかかる費用は?

引き戸から引き戸へ交換した場合の相場です。
ドア枠を流用し引き戸を交換:5万~20万円(工期半日〜1日)
ドア枠ごと引き戸を交換:10万~40万円(工期3日〜5日)

■カバー工法
既存のドア枠の上に新しいドア枠を設けるカバー工法の施工費の相場です。
施工費:9万〜14万円(工期1日)

引き戸のメンテナンス費は?

引き戸の部位で補修が必要となった場合の相場です。
・引き戸の面材のみ張り替え:3万~ 6万円
・塗装による穴の修繕:1万~3万円
・レールの交換:1万〜2万円
・戸車の交換:1万〜3万円
・鴨居や敷居を削る調整:2万〜3万円

ナサホームの施工事例

■戸袋のある引き戸ですっきりとした和室

リビングと間仕切るために引き戸を設置。戸袋を作り、すっきりとした印象になりました。

この施工事例の詳細はこちら

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まとめ

襖を引き戸に交換すると、部屋のイメージが一新されるだけでなく、家全体のスタイルに統一感を演出できたり、バリアフリー化を促進できます。今回ご紹介した引き戸の種類や費用を参考にしていただきながら、一度じっくりと検討なさってみてください。