タイルの張り替えをすべきタイミングは?
タイルの張り替えの目安
タイルは陶器のような焼き物であるため、正しく用いれば数十年にわたって使用することができます。ただし、それはタイル本体でタイルを壁面に張るための接着剤は、10〜15年ほどで接着力が落ちてきます。
接着剤が劣化したタイル壁は、タイルの浮きや落下が起きやすくなるため、10年程度を目処に、リフォーム業者によるチェックとメンテナンスを受けましょう。
なお、こうした接着剤が劣化していく原因のひとつに、目地部分の割れやカビ、汚れが挙げられます。特に浴室や水廻りのタイル壁の目地を、汚れたままにしておくと、接着剤の劣化スピードが速くなりますので、普段からこまめに清掃しておくことがおすすめです。
タイルのひび割れ・劣化を放置すると?
見た目にわかるほど、壁からタイルが浮いていたり、ひび割れが見えていたり、あるいは目地の部分が汚れたままになっている状態を放置するとどうなるのでしょうか。
■外壁タイルの劣化を放置すると・・・
外壁タイルは非常に丈夫なためひび割れることは少ないのですが、下地のモルタルやコンクリートの膨張や収縮、地震による歪み、台風による飛来物の衝撃などでひび割れが起きることがあります。こうしたひび割れを放置すると、その割れ目から雨水が内部に侵入し、タイルの剥離を引き起こすことがあります。特に高所の外壁タイルが落下した場合、下を通行している人に大怪我を負わせる危険がありますので、やはり定期的な点検・メンテナンスは不可欠。また、タイルが剥離しなかった場合でも、内部に雨水が侵入し続けることで、雨漏りや建物内部に使われている木材の腐食などにつながります。
■屋内のタイルの劣化を放置すると・・・
タイルはその防水性の高さから、浴室や台所など水廻りで使われることが多いのが特徴です。当然、水がかかりやすい場所にあるため、ひび割れが生じた場合はそこから内部へと水が侵入していきます。放置することでやはり、タイルを張っている壁全体に水が回りカビや腐食の原因となるため早めの対処が必要です。
タイルのひび割れを業者に任せる判断基準
タイルのひび割れの原因や時期が明確であり、さらにその範囲が小さい場合は、ホームセンターで売られているパテやコーキングで、DIY補修が可能です。
ただし、原因が定かではないのにタイルが壁から浮き上がってしまっている場合や、剥がれたタイルの内側に水が既に入り込んでいる場合、ひび割れや破損が広範囲に見られたり、反対に一箇所に集中して何枚ものタイルに見られる場合は、リフォーム業者へ調査とリフォームを依頼しましょう。
場所ごとにみるタイル張り替えのポイント
従来工法のお風呂・お部屋の内装
在来工法のお風呂やリビングなどにタイルを用いている場合で、タイルにひび割れがありその範囲が大きいのであれば、まず張り替える部分とその周囲のタイルを目地と一緒に剥がし、下接着剤も除去して下地を平らにします。その上に再度接着剤を塗布し、タイルを敷き詰めていきます。
なお、壁や床の全面のタイルを張り替える場合、お風呂であればカビ防止機能のついたタイルで、石鹸や水垢が残りにくい釉薬を使った艶やかなタイルに変更してみるのも良い方法です。キッチンであれば、油はねなどに強く、掃除が簡単な磁器やガラス製のタイルもおすすめ。リフォーム会社の担当に相談する際、併せてタイル種類や品質やデザインに関しても相談してみましょう。
ユニットバスのお風呂
タイルを用いたユニットバスの場合は、メーカーオプションで用意されているタイルの壁材や床材を使って、張り替えをしていく必要があります。ただし、こうしたオプションが用意されていない場合は、ユニットバス全体の交換が必要になることも。
メーカーへの素材や在庫の確認、張り替えが可能かどうかの確認はリフォーム会社に相談しましょう。
玄関
玄関の床に使われるタイルを張り替える場合も、基本はリビングなどと施工方法は一緒。既存のタイルを撤去し、下地処理を行った上で新しいタイルを敷き詰めていきます。玄関の床タイルを全面張り替えする場合は、ポーチ部分は雨に強く、滑りにくい素材を選ぶとよいでしょう。また汚れが目立たない、暗めの色のタイルを選びましょう。
外壁
外壁にタイルが使われている場合の張り替え、まずハンマーを使い浮状態を調べた上で、電動カッターを使って張り替え部分を目地ごと切断。さらに、下地のモルタルを除去した上で接着剤を再度塗布してタイルを並べ、しばらく養生します。接着剤が乾きタイルが固定されたら目地にモルタルを充填して、再度養生します。
補修ではない張り替えは専門の業者に頼むべき
広範囲にタイルを張り直す場合は、タイル同士のバランスや目地を整えるための高い技術が必要になりますし、一箇所に集中して破損している場合は下地の調査や補修なども含めた施工が必要となることもあります。
また、張り替えをする前のタイルの除去に関しても、技術がない方がハンマーやスクレイパーを使ってタイルを剥がそうとすると、下地が傷ついてしまうなどの問題が発生しやすくなります。安全に確実に、住まいを長持ちさせることを考えるのであれば、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。
タイルの張り替えにかかる費用は?
場所ごとにみる工事費用
■お風呂・トイレなどの水廻り・キッチンやリビング
お風呂や洗面所・キッチン・リビングなどの室内、水廻りのタイルを張り替えの場合、全面張り替えをすると考えると、0.75坪ほどの浴室であれば壁面で6〜13万円ほど、床面であれば6万円ほどとなります。トイレの床などの場合は、5〜10万円程度、キッチンやリビングであれば30万円〜となります。ただし、張り替えを行う前に下地を作り直さなければならない場合や、使用するタイルのグレードによっても費用が異なります。なおユニットバスの場合はメーカーのオプション次第で工事の方法が大きく変わります。いずれの場合であっても、まずはリフォーム会社に調査と見積もり作成をお願いしてみましょう。
■玄関
玄関のタイルを張り替える際の費用は、1㎡あたり1.5〜3万円ほど。さらに、既存のタイルの撤去処分に、3万円ほどが必要となりますので、1.5畳ほどの玄関であれば10万円以下で施工が可能です。
■外壁
外壁タイルを張り替える場合は、施工費を含めて1㎡あたり1〜4万円程度の費用が必要。30坪程度で2階建ての住まいの外壁を総張り替えした場合の費用は300万円〜となります。
また、この場合も補修箇所や使用するタイルのグレード、工法などによっても費用は異なりますので、やはり事前の調査と見積もり作成をお勧めします。
ナサホームのタイルを用いたリフォーム施工事例
■日々の暮らしがワンランクアップ!ホテルライクな洗面空間
既成の洗面台から、カウンターが広い造作洗面台へ変更。施主様お好みの石目調のグレータイルを用いて、ホテルライクな空間を実現しました。
■3つのタイルが織り成すあたたかみのある可愛い玄関
玄関ニッチ、土間、玄関ポーチの壁にそれぞれ異なるタイルをアクセントに施しました。「ただいま!」というのが楽しみになるあたたかい玄関に仕上がりました。
■外壁用タイル【千陶彩】をアクセントにした開放的なリビング
間取り変更で広くなったリビングを白で統一しました。力強い陰影が特徴的な外壁用タイル【千陶彩】をアクセントに取り入れました。
まとめ
壁や床の下地や家の住まいにまで影響を及ぼす、タイルのひび割れや破損。
小規模のひび割れ程度であれば補修で対処できますが、大規模なひび割れなどがみられる際は、思い切って全面張り替えを行ってみるのも良い方法です。
全面張り替えの場合は、従来通りのタイルの壁や床に戻すのではなく、お部屋のイメージをガラリと変えるタイルデザインを選んだり、お掃除の手間を省く機能的な材質のタイルを選ぶなど、住まいの居住性を高めるための方法を考えてみましょう。
ナサホームでは、水廻りから外壁まで、数多くのタイルを用いたリフォーム工事を提供しております。その実績をもとに、お客様と共に考え、住みよく暮らしやすいタイルのある空間を提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。