美観を取り戻し、住まいへのダメージを防ごう!外壁塗装の水ぶくれ対策

いつの間にか外壁の表面にポコポコと膨らみがある……というお宅はないでしょうか。 これは「水ぶくれ」と言われるもので、再塗装のサインでもあるのですが、美観を損なうだけでなく、放っておくとなかなかやっかいな事態になることがあります。 そこで今回の記事では、わが家の美観を取り戻し、将来へのダメージをなくすためにも、外壁塗装の水ぶくれをどのように判断し、対処していけばいいのかを見てまいりましょう。


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なぜ、外壁に水ぶくれ(浮き)が起きるの? その原因は?


外壁の表面にぽっこりとドーム状に膨らんだ、見た目も気になる「水ぶくれ」。「浮き」とも言いますが、なぜこのような症状が起きるのでしょうか。対策を講じるためにもしっかりとその原因を知っておきましょう。

単なる経年劣化ではないかも?外壁塗装の水ぶくれの原因を探る

水ぶくれは、外壁材と上から塗られた塗膜の間に何かしらの原因で水や空気などが入り、塗膜が浮き上がる現象です。一つは経年劣化によるものと言われていますが、他にもいろいろな原因が考えられます。

■経年劣化
どうしても防げないのが経年劣化です。
塗料は古くなっていくと壁面との粘着力が弱くなって剥がれてしまい、そこに水や空気がたまって水ぶくれとなってしまいます。
また、経年と同時に雨風や紫外線による影響も重なって塗膜が少しずつすり減ったり、塗料の防水効果も薄れたりして、徐々に水や空気が侵入します。
侵入した水や空気は日光で外壁が温まれば、空気は膨張し、水は水蒸気となって膨らんで塗膜を持ち上げて浮き出てしまい、その結果、水ぶくれができてしまうのです。
外壁塗装のメンテナンスは、築8~10年を目安としてください。

■職人の施工不良
塗装を施した職人の技術不足やミス、塗装する前にいい加減な下地処理をしていたのもわりとある原因と言われています。塗装前の下処理とは、
・古い塗料をきれいに洗い落とす
・壁面に繁殖しているカビや汚れをしっかりと洗浄する
・壁面にひび割れがあれば、塗装を行う前に補修しておく
古い塗装を剥がして表面を滑らかにするケレンという作業があるのですが、この作業は手間がかかるために手を抜いたり、省いてしまう職人もいます。
また、表面にカビや汚れが残ってしまうと塗料が密着しにくくなり、特にカビを残したまま塗装してしまうと、繁殖して塗膜を浮き上がらせて水ぶくれの原因となるのです。
そのほかにも、
・塗料の希釈割合を間違えて塗装
・下塗り塗料の乾燥が不十分
・塗装を行う箇所や塗料に合った道具選びができていない
といった施工不良の可能性もあります。外壁塗装は細かな作業の積み重ねです。1つ1つの作業を、丁寧に手を抜かずに行う信頼できる施工業者や職人を選びたいものです。
■天候によるもの
屋外での作業となる外壁塗装は、天候の影響をダイレクトに受けます。
例えば気温5度以下だと塗料の乾きが遅くなります。すると下塗りの塗料の乾燥が不十分なまま重ね塗りすれば、水ぶくれができてしまうことになるのです。
また、湿度が85%以上の高いときには塗料は固まりづらくなります。はけの痕が残ったりして水ぶくれの原因に。
あと、作業中に雨が降ってきても塗装したとか。そうした天候管理も大切なことなので、余裕のある工事のスケジュールを設けましょう。

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外壁塗装の水ぶくれによって起きるリスクと対処方法


水ぶくれがあっても、「これくらい大丈夫では?」と放置していても元には戻りません。住まいにダメージを及ぼす危険もありますので、その対処法も知っておきましょう。

水ぶくれを放置したらどうなる?

■水ぶくれが広がる
水ぶくれ内部の水分が移動し、まだ密着している正常な外壁材と塗膜の間に侵食していき、周りの塗膜を浮かせてしまいます。最後は広い範囲で塗装がボロボロと剥がれ落ちることに。
■壁面内部にも被害 
水ぶくれ内部の水分や、そこから侵入した水分は壁面だけでなく、壁の内部へも浸透します。内部の木材に浸透すればそこから腐食し、腐食した木をエサとするシロアリが派生すれば、住まいそのものに大きなダメージを与えます。
■破れて剥がれ、外壁が劣化
水ぶくれを放置しているとやがて塗膜はパリパリと破れて剥がれてしまいます。すると下地部分が表にさらされ、雨や紫外線の影響をダイレクトに受けます。本来、外壁を保護する役割のある塗装がないので、保護機能が低下して雨漏りの原因になってしまうのです。
■美観が損なわれる
水ぶくれが広がれば、住まいの美観を損ねます。表面がぼこぼこして見た目は悪く、近隣にも不気味な印象を与えます。
■保証期間が切れる
外壁塗装には、保証期間が設けられています。何かトラブルがあっても無償で対応してもらえた保証期間が過ぎれば、当然、自費となります。
■放置した分だけ補修費が高額に
雨漏りにまで進展しまうと外壁塗装だけの補修では難しく、大掛かりな補修工事が必要となるかもしれません。
30坪の住宅の場合、外壁塗装の費用相場は60万円〜100万円、雨漏りとなれば下地の取り替え、腐食やシロアリが発生していれば、柱などの構造体にも手を加えることになり、補修費はかなりの高額になることを覚悟しなければなりません。

水ぶくれを見つけたらどうするか

■塗装後、数か月や数年の場合
外壁塗装に使う塗料の耐久性は、10年前後です。ですから、新築や前回の塗装から数か月とか、数年で水ぶくれを発見したら、それは経年劣化ではなく、塗装不良の可能性が高いことが考えられます。
即時、担当した塗装会社や施工会社に連絡して再塗装してもらいましょう。
■10年ほど経過している場合
新築や前回の塗装から10年以上経っている場合に水ぶくれを見つけたら、それは経年劣化と考えてもいいでしょう。信用のおける専門業者に調査をしてもらうことをおすすめします。
■保証内容と保証期間が明確な施工会社を選ぶ
契約書に保証内容と保証期間がきちんと書かれてあるかを確認します。
さらに保証内容に、外壁塗装のほかに、補修工事やコーキング(外壁の継ぎ目や隙間を埋める施工)など、部位ごとに保証期間と内容が決めてあればベストでしょう。

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外壁塗装の水ぶくれを補修するリフォーム費用の相場は?


水ぶくれを補修する外壁再塗装にはどのくらいの費用が必要か、およその補修作業も把握しておきましょう。

外壁の再塗装作業の流れ

あらためて塗装する場合の作業工程を知っておけば、施主としてのチェックが働いて施工不良も防げますし、乾燥させることがポイントとなるので工期の時間確保も想定内となり、納得してリフォームが進められます。
1.古い塗膜をはがす
研磨紙やヘラを使って、浮いている水ぶくれはもちろん、剥がせる塗膜を全て剥がします。
2.高圧洗浄で汚れを落とす
カビ、苔、藻、汚れが残らないよう高圧洗浄機できちんと洗浄します。水だけで落ちない汚れには洗浄剤を使用するバイオ洗浄もあります。
3.しっかり乾燥させる
前述したように、十分な乾燥が大切です。天候の良い日を選び、時間を確保します。
4. 下塗り塗布、中塗り塗布、上塗り塗布
手間はかかりますが、下塗り、中塗り、上塗りと3回に分けることで美しい仕上がりとなります。もちろん、それぞれでしっかりと乾燥させます。

外壁塗装の水ぶくれを補修する費用相場

部分補修の場合の塗装代は1,600~5,000円/㎡ですが、一戸建て住宅30坪・外壁面積120㎡の補修を想定して試算してみました。また、主な塗料の費用相場も見てみましょう。
■塗料の単価相場(カッコ内は耐久年数)
ウレタン樹脂塗料:19.2万〜25.2万円(7~10年)
シリコン樹脂塗料:24万〜36万円(10~13年)
ラジカル制御塗料:26.4万〜42万円(10~15年)
フッ素樹脂塗料:42万〜54万円(15~20年)

■外壁補修の相場
塗料代:19.2万〜54万円
足場・養生・飛散防止ネット代:15.6万〜23.6万円
ケレン作業代:7.2万〜9.6万円
高圧洗浄代:1.2万〜3.6万円(バイオ洗浄2.4万〜7.2万円)
シーリング打ち替え:10.8万〜18万円
下塗り:7.2万〜9.6万円
中塗り:12万〜42万円
上塗り:12万〜42万円
廃材処理・現場管理費一式:4万~8万円
合計:89.2万〜210.4万円

■オリーブグリーンの屋根とやまぶき色の外壁塗装で明るい外観に

サイディング目地のコーキングが劣化し、サイディングも全体的に浮いている箇所を気にされており、浮き補修を行い、下地調整をしっかり施工した上からの塗装をご提案しました。

この施工事例の詳細はこちら

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まとめ

外壁塗装の水ぶくれは、そのままにしておくとただ悪化するだけで、気がついたら手に負えない状態になるかもしれません。発見したら、ただちに専門業者に調査してもらうことをおすすめしますが、どこに依頼したらわからない時はぜひナサホームまでご連絡ください。現在の住まいの状況を確認しながら、最適の再塗装プランをご提案させていただきます。