ナサホームの足場について

2023年の改正労働安全衛生規則により、工事現場の足場の安全基準が大幅に見直されました。
2024年4月からは新たな規則が施行され、これまでの足場が今後は違法となるかもしれません。
「その足場、違法ではないですか?!」そんな指摘を受けないためにも、この度の法改正で何が変わったのか?お客様への影響や法令に則ったナサホームの足場について詳しく解説します。

まず、足場とは?

「足場」とは、本足場や一側足場、棚足場、張出足場、移動式足場、脚立足場など、作業者を作業箇所の近くで作業させるために設ける「仮設の作業床」及び、これを「支持する仮設物」の事をいいます。

法的に足場などを設けなければならない場所は、労働安全衛生規則に「事業者は、高さ2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない」と定められています。

本足場(ほんあしば)とは?

本足場(ほんあしば) 建築物の外壁面等に沿って、支柱となる建地(たてじ)を二列設置して組み立てる足場のことで、二側足場(ふたかわあしば)と呼ばれることもあり、足場の基本形として広く使われています。
2本の支柱の間に作業板を渡すことから、比較的広い作業床を設置することができます。
また、手すりの設置も可能なことから、安全性や作業性の高さは一側足場よりも優れています。

一側足場(ひとかわあしば)とは?

一側足場(ひとかわあしば) 一側足場(ひとかわあしば)とは?
縦方向の支柱となる建地(たてじ)が1本であり、ブラケットという持ち出し用の部材を使用して作業床を設けることもあります。しかし、構造上手すりの設置が難しく、安全性や作業性は本足場より劣ってしまいます。

本足場の義務化について

2024年4月1日以降の工事現場において、以下の条件での本足場の設置が義務化されました。
このことにより、安全性に劣る「一側足場」の使用範囲の明確化をされています。
以下、厚生労働省パンフレットより抜粋
足場の設置いついて

幅が 1メートル以上の箇所※1において足場を使用するときは、原則として本足場を使用する必要があります。なお、幅が 1メートル未満の場合であっても、可能な限り本足場を使用してください。
つり足場の場合や、障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なとき※2は本足場を使用しなくても差し支えありません。

※1足場を設ける床面において、当該足場を使用する建築物等の外面を起点としたはり間方向の水平距離が 1 メートル以上ある箇所のこと。
※2つり足場の場合や、障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況によって本足場を使用することが困難なときは本足場を使用しなくてもよいのですが、十分な強度を有する構造にしなければなりません。

足場を必要とするリフォーム工事をする際は、上記の労働安全衛生規則(法令)をしっかり適用しているかどうかを確認することが重要になります。もし、この規則に従わない場合は、安全配慮義務違反とみなされ、罰則が課せられる可能性があります。

改正規則「本足場の義務化」の背景

なぜ足場の使用に関して安全規則が大幅に見直されたのでしょうか?
これは、建設現場において足場からの墜落・転落事故の割合が非常に多い事が挙げられます。

建設現場で使用する足場は、高所で作業を行うために重要な設備であり、その安全性の確保は最優先にされるべきものです。
しかし、一側足場は支柱が片側のみであるため、安定性に劣り、作業中にバランスを崩しやすい構造のため、これまで多くの労働者が墜落や転落事故に巻き込まれており、深刻な怪我や命を落とすケースが後を絶ちませんでした。
建設業の死亡災害事故の型別内訳を見ても、墜落・転落が全体の約4割を占めており、これを削減するために足場の墜落防止措置が大幅に見直されました。

この法改正を期に、更に建設業界全体が安全第一の意識を徹底し、作業者が安心して働くことができる環境を整えることが重要といえます。

建設業の死亡災害事故の型別内訳(2021年)
建設業の死亡災害事故の型別内訳(2021年)

したがって、この規則を遵守しているリフォーム会社は、作業員の安全にも配慮し、工事品質も重視している業者だということがうかがえます。

お客様(施主様)への影響

この義務化によるお客様への影響として「義務化に伴う、足場費用の値上げ」が挙げられます。
これまでの足場費用は、1m2あたり600円~1,000円程度が一般的な費用で、一般的な敷地(30坪)のお宅であれば、見積り額として約15万~25万円が一般的でした。これが、法改正にともない1m2あたり1,200円~1,500円程度となり、約30万~38万円ほど足場費用がとなります。また、これとは別にネット(飛散防止ネット)費用として、1m2あたり350円~500円(約9万~13万円)が必要です。

もし、これまでと同じ費用で対応しているリフォーム会社がいた場合、安全規則(法令)を正しく守っているのか確認しておくことが重要です。また、この命を守る安全基準を守れていない業者が、塗装などの品質基準を正しく守れているのか疑わしく思ってしまいます。

法改正を正しく適用している業者なのか?を判断するには

法改正を正しく適用している業者なのか?お客様側で判断するには、どうすればよいのかを知っておきましょう!

法改正についての内容を把握し、見積りなどに記載や説明があるかがポイントになります。

例えば、依頼を検討しているリフォーム会社のホームページや、書類などを確認したり、担当営業に直接確認したりするなどしてみましょう。
信頼できる会社であれば、法改正についての記載があり、担当営業が法改正について把握していることを確認することができるでしょう。

  • ホームページや書類の確認
  • 担当営業に確認

労働安全衛生規則に従わないとどうなるの?

労働安全衛生規則に従わないと、安全配慮義務違反とみなされ罰則「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が課せられる可能性があります。
このためリフォーム会社は、これら労働安全衛生規則に則った足場の設置を行う必要があります。

ナサホームの足場への取り組み

ナサホームでは足場を設置する際は、本足場の設置を行っています。また、本足場の設置が難しい場合では、規則に従い一側足場の使用範囲に基づいて設置しています。

二側足場です。この現場は建物側と外側共に手すりを2段取付けています。

一側足場です。この現場では手摺2段と肩の高さに墜落制止用器具を使用するための親綱を設置しています。

屋根廻りの足場です。屋根から滑り落ちないように、手すりを立上げ、屋根先と作業床との隙間を少なくし、また、墜落制止用器具を使用するための親綱を屋根上に設置しています。

宅内への引込み電線の保護状況です。足場の組立・解体時、また、足場上での電線近くでの作業時の感電を防ぐために電線の保護を設置しています。

一側足場の[悪い例]と[良い例]

まとめ

この度の足場に関する法改正が、建設業界全体の安全意識を高めると共に、労働者の安全を確保するために重要であるということをご理解いただけたのではないでしょうか。
みなさまの大切なリフォーム工事で事故が起こらないよう、施主様として「法令に基づいた見積りになっているのか?」を確認していただければと思います。
安全基準を守るということは、労働者が安心して作業が行えるということであり、その結果として品質の向上に繋がります。

ナサホームでは、こうした法令に則ったリフォーム工事を行っております。お住いのリフォームでお悩みでしたら、安心して当社へお任せください。