【工事場所】バリアフリーリフォームで出来る工事
バリアフリーのリフォームでは、転倒などの事故防止のために、さまざまな工事を行います。間取りごとに出来るバリアフリーの工事をみていきましょう。
玄関に出来るリフォーム
まずは玄関で出来るバリアフリー工事は以下になります。
1.手すりの設置
足腰が弱くなると、玄関で靴を脱ぎ履きしたり、段差を上がったりするときにバランスを崩しやすくなります。手すりを設置することで、転倒するリスクを下げることができます。
2.スロープの設置
要介護者が段差を上がるのがつらくなってきた、または車椅子での生活となった場合には、必要になるのがスロープの設置です。スロープの長さは、一般的に段差の高さの約8倍が設置の基準とされています。
3.椅子の設置
玄関に腰掛け用の椅子を設置しておくと、そこで靴の脱ぎ履きができるようになります。折りたたみ可能な壁付けベンチであれば、使わないときに場所を取らずに済むでしょう。
4.足元照明の設置
足元が暗いと転倒のリスクが上がります。転倒を未然に防止するためにも、人感センサー付きの自動点灯の照明を設置することができます。
5.ドアを引き戸に変更
車椅子での生活になる場合は、ドアを開き戸から引き戸に変更すると、車椅子の方でも自力でドアの開閉ができるようになります。
廊下、階段に出来るリフォーム
次に廊下や階段で出来るバリアフリー工事の代表例を確認しておきましょう。
1.手すりの設置
廊下や階段にも手すりを設置しておくと、足腰が弱ったときでも室内を安全に移動することができます。
2.廊下幅の拡張
車椅子での生活になることが予想される場合は、廊下幅の拡張を検討しましょう。車椅子で室内を移動する際には、手すりの出っ張りが邪魔になることもあるので、手すりを設置する場合は、廊下幅に余裕を持たせておくことも大切です。
トイレに出来るリフォーム
トイレで出来るバリアフリー工事は以下の通りです。
1.床材の変更
トイレの床材をアンモニアや水に強い床材、清潔さを維持しやすい床材に変更することで、「スリッパに履き替えなくても抵抗なく入れるトイレ」にすることができます。
2.和式トイレから洋式へ変更
トイレが和式のままであるなら、足腰に負担がかかりにくい洋式トイレに変更しましょう。
3.ドアを引き戸に変更
引き戸に変更することで、車椅子の方も自力で開閉しやすくなります。ドアの位置は便座後方か便座横に設置すると、便座までの移動がしやすいです。
浴室に出来るリフォーム
浴室で出来るバリアフリーは以下になります。
1.床材の変更
転倒を防ぐために滑りにくい床材を選ぶようにします。また、冬場の床冷えを防ぐ保温性がある床材を選ぶことも重要です。
2.浴室暖房乾燥機
脱衣所と浴室の温度差を緩和するために、浴室暖房乾燥機は効果的です。温度差による脳梗塞、心筋梗塞といったヒートショック対策をすることができます。
【安心】活用できる制度・補助金
実際にリフォームを検討しているものの費用が心配になる方は多いのはないでしょうか。次は、バリアフリーリフォームで活用できる、補助金などの制度について紹介します。
高齢者住宅改修費用助成制度
介護の予防や介護負担の軽減、自立した生活の支援を目的として、介護保険から工事費用の最大9割が支給されるのが、高齢者住宅改修費用助成制度です。
【支給額】
工事費用最大20万円の9割まで(18万円)
【支給要件】
1.「要介護・要支援」の要介護認定されている
2.改修する住宅の住所が保険を受ける人と同一で、実際に住んでいる
3.一定の介護リフォーム工事を行うこと
工事費用は、上限までであれば複数回に分けても助成金を受け取ることが可能です。
この制度は、基本的には一生涯で一度だけ受け取れるものですが、要介護の区分が3段階以上重くなったときや転居したときには、再び助成を受けることができます。
助成の対象となる介護リフォーム工事は、手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更、扉の取り替え、便器の取り替えなどです。
住宅特定改修特別税額控除
2009年4月1日から2021年12月31日までに、バリアフリーリフォーム工事をして居住することで、所得税の一部が減税されるという制度が住宅特定改修特別税額控除です。
助成金を受け取れる制度ではなく、投資型減税という住宅リフォームの所得税控除における制度のひとつになります。
【支給額】
住宅特定改修特別税額控除は、住宅ローンの利用がなくても受けられます。バリアフリーリフォームの場合は、控除対象限度額は200万円で、控除期間は1年(改修後、居住を開始した年のみ)です。
【支給要件】
1. バリアフリーリフォームの日から6カ月以内に居住していること
2. 控除を受ける年に合計所得金額が3,000万円以下であること
3. バリアフリーリフォームを依頼しているのが、要介護・要支援の認定を受けている本人もしくは同居している人である
これらの条件をしっかりと覚えておきましょう。
【気を付けて!】バリアフリーリフォームの注意点
では、バリアフリーリフォームの工事を行う際には、どういった部分に注意すると良いのでしょうか。
注意1.その人に合わせたリフォームを
バリアフリーリフォームの際は、要介護者はもちろん住んでいる家族全員のことを考えたうえで最適なリフォームを行うことが大切です。
たとえば、脚や手指の力が弱いのであれば手すりを設置したり、段差を解消したりすることが快適さにつながります。視力が衰えているのであれば、足元の照明を設置するなどが良いでしょう。
現在の状況だけでなく、家族の将来も含めてリフォーム計画を立ててください。
注意2.余力を残しておく
リフォーム後、実際に住んでみて変更したい部分が出てくる可能性もあります。一度にたくさん改修すると費用がかさんだり、変更できなくなったりすることもありますので、先々のことを考えた場合、いきなり大掛かりなリフォームをする必要はありません。そのときの必要に応じて、追加で工事をしていくと良いでしょう。
注意3.予算は明確に
リフォーム工事を大掛かりにしてしまうと、その後の生活資金に困るおそれがありますので、予算を明確にしておくことは大切です。
優先順位をつけておけば、希望する工事がすべてできないとしても、予算の範囲内で必要不可欠な工事を行うことができるでしょう。
注意4.業者選びは慎重に
業者を選ぶ際には、バリアフリーリフォームの実績が豊富な業者から選ぶことをおすすめします。施工実績が多い業者であれば、実際の施工例などを見せてくれますので、リフォーム後の状態がイメージしやすくなるからです。
また、具体的な予算と要望を伝えたときに、それに沿った提案をしてくれるところかどうかも、業者を選ぶ際の判断材料だといえるでしょう。
当社ナサホームでも、玄関・廊下・階段・浴室・トイレなど、バリアフリーリフォームを多く手掛けています。
リフォームに関する高い専門知識を持った担当者が、お客様のお困りごとについて丁寧にヒアリングを行い、予算・工期などご要望に沿った最適なプランニングをさせていただきます。
工事終了後には「工事保証書」を交付しますので、リフォーム後に何か気になる点があった場合でも、アフターメンテナンスに伺います。
バリアフリーリフォームの工事を検討しているという方は、お気軽にナサホームにお問い合わせください。
まとめ
玄関・廊下・階段・トイレ・浴室などをバリアフリーにリフォームすれば、要介護者の移動が楽になるだけでなく、転倒などケガのリスクを軽減することができます。
さらにバリアフリーリフォームの際は、費用を抑えることができるいくつかの制度もあります。改修費用助成制度や特別税額控除など、これらが適用対象なのかについても確認しておきましょう。
今回記事で紹介した注意点などを参考にして、家族全員が満足できるバリアフリーリフォームを計画してみてください。