徹底解説、リフォームで解消する2階の暑さ

一戸建てに住んでいる方は、「夏になると、屋根に近い2階(最上階)の部屋が蒸し暑くなる」と思ったことがありませんか?夏だからお部屋の温度が上がるのは当たり前、熱気は上に上がるものだから、2階は暑くなるはず。と思いがちですが、実は住まいのつくりなどに問題があるのかもしれません。そして、もし家のつくりが問題であるのならば、リフォームでその暑さを和らげ、快適な住まいを実現できる可能性もあるのです。 今回は、家の2階、最上階が厚くなる理由と、その対策となるリフォーム方法について解説していきます。


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戸建の2階が暑くなる理由って?

住まいの2階以上の部屋が暑くなる理由

住まいの中で、2階の室温が高くなってしまう理由にはいくつかの原因が考えられます。
■空気の循環が悪くなっている
暖かい空気は、冷たい空気より軽いため住まいの上層階に集まります。この溜まった暑い空気が外へ逃げたり、家の中で循環できるような換気システムがあれば家の中の温度は一定に保たれるのですが、そうでない場合は熱がこもり、室内が暑いままとなってしまいます。

■窓やベランダからの太陽光
住まいの2階が南向きであったり、西陽が差し込むような環境にあると、太陽光の熱が住まいの中に入ってしまいます。またバルコニーやベランダ、物干し台がこうした2階にある場合も要注意。ベランダのコンクリートが太陽の熱を反射することで、お部屋の中はより暑くなりますし、反射しきれずにコンクリートに溜まった熱も、室温を上げる原因となります。

■屋根の熱が降りてきている
夏の日差しを最も多く受ける屋根。特に金属素材などが屋根に乗っていると、太陽光の熱を溜め込んで、その表面温度は80度を超えることも。この熱は住まいの天井裏を通って真下の部屋に伝わるため、住まいの上階の温度が高くなってしまいます。

2階の暑さと断熱の関係

放っておくとどんどんと住まいの中に入ってきてしまう夏の熱気。これを防ぐためには、熱が入ってくる経路を把握し、それぞれに断熱材などを使って熱を遮断することが肝要です。

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2階&天井付近の暑さは、リフォームで解消しよう


住まいの2階の温度上昇を抑えるために必要なのは、天井をはじめとした住まいの断熱性能向上。では、その断熱性能を上げるためには、どのようなリフォームを行えば良いのでしょうか。

屋根・天井裏の断熱

■天井裏の断熱
もっとも効果的に2階へ入ってくる熱を遮断する方法は、天井裏を断熱すること。天井裏には、十分なスペースがありますので効果の高い断熱材を分厚く敷き詰めることが可能です。さらに、屋根や屋根裏全体の断熱を行うよりも価格を抑えて施工することができます。ただし、天井裏物置などとして使っている場合は、断熱材を敷き詰めてしまうと、収納空間として使用できなくなるので注意しましょう。

■屋根裏の断熱
天井裏の断熱と合わせて、屋根からの熱を遮る方法として有効なのが屋根裏の断熱。この場合は、天井裏の場合と少し違い、断熱材を屋根裏に貼るだけでなく充填断熱(家の躯体の中に断熱材を詰めること)による施工も可能です。屋根裏断熱のメリットは、屋根裏を収納や居室空間として使用できるようになること。収納やロフトとして屋根裏を使用したい方はこちらが天井裏の断熱よりこちらがおすすめ。ただし、天井裏と比べて断熱しなければならない面積は大きくなるため、施工費用はやや割高となります。

窓周りの断熱

ベランダ周りや窓の外から住まいの中に入ってくる熱を防ぐのに有効なのが、断熱性の高い窓ガラスや樹脂サッシを使ったり、二重窓(内窓)を設ける方法。窓の断熱には外からの熱を通さないだけでなく、室内の熱を逃さない役割も果たしてくれるため、冷房で冷やした空気が家の中に留まりやすくなるといったメリットもあります。
窓周りの断熱に関しては、ナサホームマガジンでさらに詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

■「窓」断熱で省エネリフォーム!結露を防ぎ、空調の効果もUP!!

床の断熱

暑い空気は上に溜まりやすいため、太陽光などの影響ではなく、階下で熱が出ている場合は床下の断熱をすることで、2階の温度上昇を軽減できることがあります。床断熱の方法としては、床下に断熱材を施す床断熱工法が一般的。しかしながら、床からの熱気の侵入は、窓や天井などと比べるとごく僅かであるため、優先順位としては低くなります。
「窓も天井も断熱したのにまだ暑い」という場合の手段として考えましょう。

換気・排熱ファンの取り付け

部屋に熱気がこもってしまう理由は熱の侵入だけでなく、熱が逃げない構造になっているということも挙げられます。2階の暑い空気を屋根裏などに逃す形で排熱してあげることができれば、熱が循環して2階の温度が下がります。この場合使用するのは。天井に穴を開けて設置するタイプの換気扇。この方法のメリットは、冷房の冷たい空気は下に溜まるため、換気扇をつけていても外に逃げにくいため、冷房効率がアップする点。さらに、天井から屋根裏にかけて空気の通り道ができることになりますので、湿気もこもりにくく住まいの大敵であるカビや腐食が起こりにくくなるといった点も挙げられます。

ルーバードアや欄間ドアなどで風の通り道を確保

費用を抑えて熱気を外に逃したいというのであれば、住まいの中に風の通り道をつくるのも一つの方法。暑くなっている2階の部屋のドアをルーバーのあるものや欄間を設けたドアにすると、空気が流れやすくなり、熱気が家の中や開けてある窓の外に逃げていくようになります。ただし、この方法は住まいの2階が暑くなることの根本的な解決にはなりませんので、できれば断熱や換気といった有効な手段をとるようにしましょう。

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家の暑さ対策にかかる費用は?


暑くなりがちな2階の部屋を涼しく快適にするにはいくつもの方法がありますが、コスト面ではどのくらいの差があるのでしょうか。

夏の暑さ対策リフォームにかかる費用のまとめ

■天井裏に断熱材を敷き詰める:10〜50万円(60平米程度)
■屋根裏に断熱材を取り付ける:10〜70万円(60平米程度)
■内窓の取り付ける:8〜15万円
■窓ガラスをペアガラスへ変更する:5〜15万円
■トリプルガラスへ変更:10〜25万円
■窓の金属サッシを樹脂サッシへの交換する:5万円程度
■天井に換気扇を設置する:5〜10万円
■ルーバー付きのドアに交換する:6万円〜

※ただし、天井や屋根の断熱は使用する断熱材や天井高によって大きく上下します。あくまで参考としてご覧いただき、リフォーム会社に現地調査を依頼したうえで、見積もりを取るようにしてください。

暑さ対策だけじゃない!断熱工事によって得られるメリット

住まいを断熱することは、夏の熱い空気が家の中に侵入するのを防ぐだけでなく、同様に冬の冷気も防いでくれます。また十分な断熱を行った住まいは、冷暖房の効きも良くなり、結露や湿気にも強くなります。熱い部屋を解消する目的ではなく、一年を通じて快適に過ごすための施策として、リフォームに挑戦してみるのも良いかもしれません。

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まとめ

熱気がこもり暑くなりがちな住まいの2階(最上階)。不快なほどに暑くなってしまうのであれば早めのリフォームによる対処をお勧めします。
断熱材の設置や充填、二重窓などの施工には慎重かつ正確な技術が必要になりますので、こうしたリフォームをお考えであれば、確かな実績と技術を誇るリフォーム業者に依頼する必要があります。ナサホームでは、断熱・窓施工に関して数多くの実績を持っておりますので、その経験を活かし施工だけでなく、住まいの調査・施工方法の提案などからお客様と快適な住まいづくりに取り組んでまいります。