管理規約で制限がある
マンションのリノベーションは、たとえ分譲物件であっても自由にリノベーションすることはできません。必ず管理規約の制限に基づいた手続きを行い、規約の範囲内での工事に留める必要があります。
すべての分譲マンション購入者は、マンションの管理組合に加入しています。管理組合は住民共同の利益を守ったり、住環境を良好な状態で確保・維持したりするための管理規約を設けていて、すべての住民が遵守しなくてはなりません。
なかには分譲マンションを購入して賃貸に出している方もいるでしょう。そのような場合は、購入者だけでなく賃貸入居者も管理規約を守る義務が生じます。
マンションごと、管理組合ごとに規約内容は異なるため、入居時には必ず全体に目を通しておきましょう。
また、リノベーション時は管理規約に記載がなくとも、近隣住民への配慮も忘れてはなりません。
中古マンションはすでに住民同士のコミュニティが完成している場所でもあります。既存コミュニティでの生活をスムーズに始められるように、工事前後はマナーとしてあいさつをしましょう。
費用や期間の変動が大きい
リノベーションにおける費用や工事期間は、物件や工事内容によって大きく変動するものです。理由として、以下の点があげられます。
・リノベーション内容によって差が生じやすい
・建物の状態で工事内容が異なる
・劣化によって予想外の費用が発生する
リノベーションと一括りにいっても、内装を一新するものもあれば、間取りごと変更する大がかりなものまでさまざまです。工事の規模に比例して期間や費用が大きく変動することはもちろん、使用する素材によっても異なります。
また、リノベーションは中古物件に対して行うケースがほとんどです。建物の劣化状態によっては大々的な修繕が必要となり、施工計画の見直しが生じます。給排水管の劣化などで、別途費用がかかるケースも珍しくありません。
工事規模にもよりますが、目安として設計に1~3ヶ月、工事に数週間~3ヶ月はかかるとしてスケジュールを立てましょう。仮住まいの手配や費用を視野に入れることも必要です。
住宅ローンを利用できないケースがある
リノベーションは小規模なものであれば10万円から100万円台で行えるものもありますが、工事内容によっては1,000万円を超えるケースもあります。そのため、ローンを活用する方も多くいます。
しかし、中古物件を購入してリノベーションを行う場合、先に住宅のみを購入してしまうとセットローンが組めません。そのため、物件選びとリノベーションの相談は平行して進めるのが良いでしょう。
また、すでに物件を所有している場合、住宅購入時に使用した住宅ローンはリノベーションやリフォームに利用できない点にも注意しましょう。
所有している物件をリノベーションするときに申し込めるローンは「リフォームローン」です。リフォームローンにも「無担保型」と「有担保型」の2種類があるため、それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。
リフォームローンの詳細については、以下の記事で解説しています。
借り入れ金額の大小に関係なく、ローンを利用するには審査を受ける必要があります。ローン審査で確認されるポイントは以下のとおりです。(金融機関により多少異なります)
・完済時の年齢
・健康状態
・担保評価
・借入時の年齢
・勤続年数
・年収
ローン利用とともに覚えておきたいのが、リフォーム減税です。物件購入や中古物件の再活用を促すための制度で、「住宅リフォーム減税」「バリアフリーリフォームローン型減税」「省エネリフォームローン型減税」の3種類です。
リフォーム内容によっていずれかの減税制度を利用でき、数年間1~10%の減税となります。
建物の構造上の規制がある
リノベーション可能なマンションでも、建物の構造上の規制や管理組合の規制によって工事できない箇所があります。
以下の項目は共用部に影響があるため、基本的にリノベーションの対象外です。
・玄関ドアの交換
・ポーチ(玄関前)の改造
・窓の交換や位置の変更
・パイプスペースの移動
・バルコニーの改築
リノベーションできる範囲は、基本的に玄関ドアから内側の部分(間取りや水廻り、内装など)です。パイプスペースも内部の給排水管やガス管が共用部となるため、移動させることはできません。
このなかでも判断が難しいのが、バルコニー部分です。非常時の避難経路となっているため、どのマンションも基本的に物を置きすぎることは禁じられています。
たとえばウッドデッキ調にパネルを敷き詰めたい場合や、日よけを設置したいときなどは、管理規約に基づいた範囲内で行わなくてはなりません。一切を禁止しているところもあるため、必ず設計前に確認してください。
また、共用部ではない専有部分であっても、マンションによっては工事できないものもあります。たとえば基礎や柱は変えられないため、希望通りの間取りにはできないかもしれません。
ほかにも、マンションは1戸あたりの電気容量に制限が設けられています。IHや床暖房などを設置する際は、電気容量が不足しないか確認が必要です。
規制の範囲内であれば、リノベーションでできることは数多くあげられます。間取りや水廻りの位置の変更をはじめ、内装を好みのデザインに変更したり、コンセントやスイッチを使いやすい位置に移動したりと、さまざまな方法があります。
安心して中古マンションをリノベーションするには
安心して中古マンションをリノベーションするために、まずはメリットだけではなく注意点も十分に理解しておきましょう。設計面の規制はもちろん、スケジュールや資金計画も慎重に立てなくてはなりません。
ナサホームでは、リノベーションに特化したサポートを行っています。具体的なリノベーションの施工内容など細かくご相談していただけます。新築マンションにはない個性的なデザインや、ライフスタイルに合った住宅を実現します。
また、ナサホームではリノベーションとともに考えたいインテリアの相談やメンテナンス依頼まで、リノベーション施工後も充実したアフターフォローを提供しています。
中古マンションのリノベーションを検討している方は、ぜひナサホームへご依頼ください。
まとめ
中古マンションのリノベーションは、戸建て住宅の場合とは異なる注意点があります。事前に知っておくことでスケジュールの大幅な変更や、「購入した中古マンションで希望の施工ができなかった」などのトラブルを避けられます。
納得のいくリノベーションを行うためには、注意点も含めてサポートをしてくれる専門業者への相談が重要です。中古マンションのリノベーションについて相談したい方は、ナサホームへお気軽にご相談ください。