洗面所・脱衣所の床材を選ぶ際に考えておきたいこと
洗面所・脱衣所の床は、滑りやすくて冷えやすく、それでいて湿気が多いので、他の部屋とは違う環境下にあるといえます。
それだけに見た目だけで選んで後悔する声をよくお聞きします。どのような点に注意して選べばいいのでしょうか。
床材選びでの後悔や困り事を共有しよう
まず、どんなことで後悔したり、困ったりしているのかを知ることで床材選びのポイントが浮かび上がってきます。
■デザインは良いのに水に弱い
例えばデザインが良くて他のフローリングよりも価格が安い、突き板(つきいた)フローリング。天然木から厚さ0.2〜0.6mmほどを削り出した薄い板ですが、これが水に弱いのです。水滴が染み込んでもなかなか乾かず、いつの間にかカビや雑菌が繁殖……。
特に夏場は高温多湿な場所となるだけに、手洗いや歯磨き、洗顔などで飛び散った水滴や石鹸の泡、皮脂汚れを放置しておくとカビの繁殖や腐食が進みやすくなります。
■ツルッと滑る危険地帯に
洗面所・脱衣所の床の上には水滴だけでなく、石鹸の泡、油分の多い整髪料や化粧品も飛び散ります。これに気づかずに放置しておくと足を滑らして転倒する原因に。家の中に危険地帯が発生してしまいます。
■冷たくて素足では過ごせない
冬場の洗面所・脱衣所の床は冷たくて裸足で過ごすのはかなり辛いことに。入浴後にじっくりと髪や肌のケアをしたくてもてスリッパがないと我慢はできません。足元にヒーターをわざわざ持ち込むことになります。
■白いカラーはしんどい
いつも清潔に保っていたい場所なので、清潔をイメージする白を基調とするカラーを選んで後悔、というのはありがちです。なぜなら白いだけに髪の毛1本でも落ちているとよく目立つのです。たった1本なのに洗面所全体が汚れているように思えます。
こまめに掃除をするのはいいのですが、少し神経質になるかもしれません。
後悔しないための床材選びのポイント
お手入れがしやすくて丈夫、滑りにくくて暖かい。そんな点に注目して床材を選ぶと後悔は防げるかもしれません。
■水に強くて耐水性の高い床材
お風呂を使用する時は蒸気が立ち込めて湿気が溜まりますし、洗面台で洗顔の最中には水滴が飛び散ることも考えれば、水に強い耐水性の高い素材であることは必須条件です。
■滑りにくく足元に優しい床材
住まいの中でも転倒リスクの高い場所なので、滑りにくい床材を選びたいもの。クッション性のあるタイプだと滑りにくくて足腰への負担も軽くなりますし、コルクなど「冷たさ」を緩和させる素材もあります。
ご年配の方がいるご家庭ならこうした点に注目してみましょう。
■お掃除などのお手入れがしやすい床材
洗面所は手洗いや歯磨き、洗顔、お風呂上がりに髪の毛を乾かしたり、出かける前に身支度したり、とにかく家族中が毎日何度も使うもっとも頻度の高い場所といえます。
それだけに床は汚れやすく清潔に保つためにもお掃除は欠かせません。
ですからサッと簡単な拭き掃除でお手入れが済む床材。これも大切なポイントです。
洗面所や脱衣所に向いている床材はどのようなもの?
床材選びのそれぞれのポイントに適した素材や種類にはどのようなものがあるのか。そして、リフォームを検討するタイミングも見逃してはいけません。
洗面所や脱衣所に使用されることが多い床材の素材と特徴
耐水があり、滑りにくく、冷たさを感じにくい。そしてできればデザイン性も欲しい。そんなご要望に適した床材をピックアップしました。
■クッションフロア
デザインが豊富で優れた耐水性があり、しかも安価なことからオーダーが多いのがクッションフロアです。発砲層があるため柔らかくその名の通りクッション性があります。
また、広くて長い塩化ビニール樹脂のロールシートなので、継ぎ目の少ない施工が可能です。
ただ、柔らかい素材なので傷がつきやすく、重たいものを置くとへこみ跡がつきやすい点は注意しましょう。
■フロアタイル
耐水性があるクッションフロアよりも強度があって丈夫な硬質塩化ビニール素材を使っているのがフロアタイルです。1枚毎のタイル状となっているので施工も簡単。
価格はクッションフロアより高価ですが、何よりも高いデザイン性が一番の特徴です。木目調から大理石のような石目調まで色柄だけでなく凹凸までまるで本物の素材のように再現。耐水性、強度、デザイン性を考えると一番のおすすめです。
■フローリング
リビングや廊下からつながる統一感を求めて、洗面所・脱衣所の床にフローリングが選ばれる場合があります。
天然木で作った無垢フローリングは、耐水性をつけるためにワックスがけなどの定期的なケアが必要です。
また、前述の突き板フローリングといった板やシートを張り合わせた複合フローリングでも、最近では耐水性、防汚性、洗剤などにも耐えられる性能を高めたものもあるのでリフォーム会社に相談してみましょう。
■コルク
床材にはコルクも人気を集めています。保温性が高いので温かみがあって裸足でも冷たさを感じづらいので冬は快適です。
さらに耐水性に優れ、ほどよい弾力性もあり、肌触りは良く、滑りにくいので安全。洗面所・脱衣所の床材選びの大切なチェックポイントをほとんどクリアする床材です。
洗面所や脱衣所の床材の張り替え・リフォームを検討するタイミング
洗面所・脱衣所の床の耐用年数は10年~15年です。耐用年数はリフォームするタイミングの目安になりますが、次のような劣化の症状を感じた時もリフォームを検討する時期と言えます。
■いつの間にかカビが繁殖
換気をよくしたとしても、カビにとっては繁殖できる最高の条件が揃っているのが洗面所・脱衣所です。薬剤を使って除去しても床材を傷めてしまう場合もあります。広範囲にカビが繁殖してしまったら、カビの発生しにくい床材に張り替えを検討しましょう。
■床が浮いている
湿気や結露、水滴などにより床は湿り、換気をすれば自然乾燥します。その湿りと乾燥を繰り返すことで床材の接着剤の効果はしだいに弱くなり、表面が剥がれて浮いてきます。
床を踏んでへこんだり、浮いていたりしていたら、交換を検討することをおすすめします。
■傷がある
クッションフロアなどは傷がつきやすいですし、他の床材でも経年劣化で傷が広範囲に広がっていたり、割れたりしていたら危険です。足をひっかけてしまい怪我のもとにもなるので、リフォームの時期がやってきたといえます。
■色の変色
経年劣化で色が変色したり、すり減ったりしていたらそれはもう床材の寿命。より耐久性のあるものに張り替えることをおすすめします。
床材リフォームの相場はどのくらい?
実際、洗面所・脱衣所の床の張り替え・リフォーム費用はどのくらいなのでしょうか。
床をリフォームする工法はおよそ2種類
一戸建ての平均的な洗面所・脱衣所の広さは3畳(約4.96㎡)ほどで、このサイズで床をリフォームする工法別の費用や素材別の費用の目安を見ていきましょう。
■張り替え工法の工事費相場
既存の床材を剥がして新しい床材に張り替えます。ただ、床を剥がすと下地の状況が分かり、腐食していたら下地の修繕費用が発生します。
施工費:4万~8万円
下地の修繕費用:10万〜20万円
廃材処分費:0.3万〜0.8万円/㎡
■重ね張り工法の工事費相場
既存の床の上に新しい床材を重ねて張っていきます。既存の床を撤去しないので、張り替えに比べて費用は安く、工期も短くて済みます。
施工費:3万~4万円
■床材それぞれの価格相場
・クッションフロア:0.4万〜0.5万円/㎡
・フロアタイル:0.6万〜1.2万円/㎡
・フローリング:0.8万〜1.1万円/㎡
・コルク:0.6万〜0.9万円/㎡
ナサホームの施工事例
■タイル貼り風のクッションフロアにより、レトロで華やかな洗面脱衣室
床はタイル風のレトロなデザインが印象的で、華やかなクッションフロアをお選びいただきました。
爽やかなホワイトの洗面化粧台と華やかな床で、明るく清潔感のある洗面空間となりました。
まとめ
今回、ご紹介した床材は4種類。それぞれの特徴を理解したうえで、あとはご家族のご意見で、どんな色やデザインにするのか、比較的選びやすいかと思われます。それでも悩まれた時にはぜひナサホームまでご連絡ください。現在の住まいの状況を確認しながら、ご希望を実現する快適な洗面所・脱衣所のリフォームプランの提案をさせていただきます。