キッチンにあると便利な勝手口
勝手口は、玄関とは別に設けられた入口のことで、多くはキッチンの近くに設けられますが、ときには洗濯場やお風呂場の近くに設けられることもあります。
「勝手口」の言葉の由来は、弓道の用語で右手のこと。弓を押さえる自由のきかない左手を押し手、自由に動く弓を引く右手は勝手と呼ばれました。
ここから、かつて台所(キッチン)の主人であった、女性が自由に使える場所ということで勝手口という名前がついたとされています。
勝手口のメリット
昔から活用されている勝手口には数多くのメリットがあります。
■ゴミ出しが簡単
水分の多い生ゴミが出るキッチンそばに勝手口があれば、ここを通ってすぐにゴミ出しをすることができます。家の中をゴミを持って歩く手間も、袋から漏れた水分で床を汚してしまうこともありません。
■通風と採光が可能
換気扇を回していても匂いがこもりがちなキッチン。勝手口を設けておくことで簡単に空気の入れ替えが可能となります。また、勝手口からは光が多く差し込むためキッチン全体が明るくなります。
■重い荷物を運ぶ手間を軽減
キッチンでは野菜や水など比較的重いものを使うことが多いもの。勝手口があれば、買い物から帰って玄関から居室を通ってキッチンに重い荷物を運ぶ手間なく、駐車場などからすぐにキッチンに荷物を持ち込むことができます。
■洗濯物干しにも活用できる
キッチン近くにランドリースペースがあり、かつ屋外に物干し場などがある場合も勝手口が便利。水を吸った重い洗濯物を運ぶ手間が軽減されます。またお子さんやペットが外で遊んで泥だらけになった場合の入り口として使えば、表玄関を汚さずに済みます。
■緊急時の避難にも
地震などの災害時や玄関から侵入者があった場合、勝手口があればそこから避難することが可能(ただし、勝手口が道路などへ続いている必要があります)。
勝手口のデメリット
色々なメリットのある勝手口ですが、その反面注意しなければならない点もあります。
■冬場は寒くなりがち
勝手口は通風が良いため冬は寒い外気がキッチンの中に入ってしまいます。そのため場合によっては暖房費がかかってしまうことも。また、降雪地帯の場合は勝手口の周辺に雪が積もり利用できなくなることもあります。
■防犯面には注意が必要
緊急時の避難に使える反面、外部からの侵入経路ともなってしまう勝手口。ドアには鍵をかけられるようにし、またセンサー照明や防犯カメラなどを設置するなどの配慮が必要です。
勝手口のリフォーム方法とは?
リフォームで勝手口を設ける場合、どのようなポイントを抑えれば良いのでしょうか。
方角・動線を考えよう
家事の効率を向上させてくれる勝手口。それだけにどこに勝手口を設けるかは重要なポイントになります。買い物から帰ってくるときの駐車場から勝手口までの距離や、ゴミ捨て場への距離、庭などへのアクセスのしやすさ、玄関や他の窓と勝手口を開けた際の空気の流れなど、生活する中で勝手口を使う際の家事・生活動線をしっかりと見極めた上で、勝手口の位置や方向を決定しましょう。
勝手口には土間が必要
勝手口は外と住まいをつなぐ入口のため、靴を着脱するための土間が必要です。またこの土間は、ゴミや荷物などを一時的に置いておくスペースとしても活用できますので間取り上で確認したり、リフォーム会社の担当に確認するなどして必ず設けるようにしましょう。
新たに勝手口を設ける場合
キッチンに勝手口をつけられるスペースがあるからといってすぐに勝手口ができるわけではありません。勝手口にしようと思うスペースの壁の撤去や内装、外装工事が可能か、まずはリフォーム会社に確認を取ってもらうようにしましょう。また、勝手口だけのリフォームではなく、キッチン全体や玄関などのリフォームの際に合わせて行うことをおすすめします。
勝手口のドアを変更する場合
防犯や隙間風などの対策には勝手口のドアの変更が有効です。現在ではピッキングされにくいディンプルキー対応のものや採光・採風機能のあるもの、断熱性の高いものなど数多くの商品が登場していますので、こちらもリフォーム会社の担当やパンフレットなどを見てあらかじめ目星をつけておきましょう。また、ドアの交換時には勝手口周辺に傷みやサビなどがないか、リフォーム会社の担当者と一度チェックしておくことを忘れずに。
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ナサホームのキッチン・勝手口リフォーム事例
■明るいベージュ色の対面キッチンと勝手口
壁付けだったキッチンを対面型にリフォームし、併せて奥に勝手口を設置した事例です。採光も良くなりキッチン全体が明るくなり、またゴミ出しなどの家事動線も効率的に設計でき、高評価をいただきました。
■ユーティリティースペースを造作して家事効率が向上したキッチン
効率的に家事を行いたいという施主様のご要望に応えるため、独立型のキッチンを対面型に。さらに勝手口までの通路にパントリーと家事スペースを設けて収納力をアップしています。
勝手口をリフォームするための費用はどのくらい?
■勝手口を新たに設ける場合
新たに勝手口を作る場合の費用は10〜25万円ほど。ドアのグレードや防犯対策によって費用は異なってきます。ただし、住宅の構造によっては壁の撤去や住まいの構造の変更が必要になることもあり、こうした場合は50万円以上の費用がかかることがあります。
また、住まいの築年数がかなり経過しており劣化が見られる場合は補強工事が必要となることもあります。この場合は状況によって費用が大きく異なりますので、まずはリフォーム会社に相談の上、見積りを取るようにしましょう。
■勝手口のドアを変更する場合
勝手口のドアのみを変更するのであれば、ドアのみであれば5〜8万円程度。通風機能や換気口を設ける場合はさらに10万円程度となります。
まとめ
住まいの家事動線をすっきりと整えてくれる勝手口。
さまざまなメリットは魅力的ですが、リフォームに際しては注意すべき点もいくつか存在します。キッチンのリフォームの際などに、リフォーム会社の担当者に現場を確認してもらいながら、住まいの状態やご家族様の暮らしの要望に寄り添ったプランを立ててもらうようにしましょう。
ナサホームでも年間8750件のリフォームで培った技術・提案力を駆使して皆様のキッチン・勝手口リフォームのための提案・アドバイスそしてリフォーム施工を展開しております。
家事動線に悩んでいる際や、キッチンのリフォーム方法で迷っているという場合はぜひ私たちにご相談を。