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自然素材の家とは?定義と特徴
一般的にリフォームなどで語られる「自然素材の家」とは、合成樹脂や化学接着剤に依存せず、木材や土、石、草木などの天然素材を中心に使用して建てられた住まいを指します。
この自然素材の主な特徴は以下の通りです。
◼️天然由来の建材を使用すること(無垢材、漆喰、珪藻土など)
◼️化学物質の使用を極力抑制していること(シックハウス症候群の原因物質を避ける)
◼️調湿・断熱・消臭といった自然の機能を活用していること
◼️経年変化による味わいを楽しめること
つまり「自然素材の家」は単なる見た目のデザインではなく、人の健康や快適さ、持続可能性を重視した住まいであるといえます。
自然素材の家のメリット
◼️健康的な住環境
自然素材は化学物質を含まないため、シックハウス症候群やアレルギー症状を抑制しやすくなります。特に、小さなお子さまや高齢者さま、デリケートなペットがいるご家庭にも安心して使用できます。
◼️快適な湿度調整機能
自然素材の壁材や床材などで使用されることが多い漆喰や珪藻土は吸放湿性に優れ、夏は湿気を吸い込み、冬は放出することで、結露やカビの発生を防ぎます。
◼️経年美化を楽しめる
無垢材の柱や天井、床は住まいとして使用する中で傷や変色が生じても、それが味わいとなり、年月を経るほどに深みが増します。
◼️断熱・消臭効果
セルロースファイバーなどの自然素材断熱材は保温性に優れ、漆喰やシラス壁は消臭機能も期待できます。
◼️環境負荷の低減
自然素材はリサイクルや廃棄がしやすく、持続可能性に貢献します。
自然素材の家のデメリット
多くのメリットがある自然素材ですが、これらを選ぶ際にはいくつか注意しなくてはならないポイントも存在します。
◼️初期費用が高い場合がある
無垢材や漆喰は施工に手間がかかり、材料費もやや高くなる傾向にあります。
◼️メンテナンスが必要
無垢材は反りや割れが発生する可能性があり、漆喰壁は汚れが目立つこともあります。
◼️施工技術に左右される
自然素材は扱いが難しく、施工品質は職人の腕に依存します。
自然素材の家で使われる代表的な建材
自然素材にはさまざまな種類があり、それぞれに特性と役割があります。
ここでは、自然素材の代表的なものを紹介していきます。
◼️無垢材
一本の木から切り出した天然木材です。
メリット:香りや質感がよく、断熱性・調湿性も高い。
デメリット:反りや割れが出る場合がある。
◼️漆喰(しっくい)
石灰や貝に由来するカルシウムを主成分とした塗り壁材です。
メリット:調湿性・消臭性・防火性に優れる。
デメリット:施工費が高く、職人技が必要。
◼️シラス壁
火山噴出物「シラス」を用いた塗り壁材で、漆喰のように使用されます。
メリット:高い調湿性・消臭性を持ち、カビにも強い。
デメリット:施工費が高め。
◼️ホタテ壁
ホタテの貝殻を焼成して粉砕したものを原料とした壁材で、こちらも漆喰のように使用されます。
メリット:高い消臭・抗菌効果を持つ。
デメリット:まだ普及率が低いため、施工事例が限られてしまう。
◼️珪藻土
珪藻という藻類の殻の化石を原料とした建材です。
メリット:高い調湿性、消臭効果を持つ。
デメリット:強度が低めで、割れやすい。
◼️セルロースファイバー
古紙をリサイクルしたエコロジーな素材で、主に断熱材として使用されます。
メリット:断熱・防音性能に優れる。
デメリット:施工技術にムラがあると性能差が出てしまう可能性がある。
◼️月桃紙(げっとうし)
月桃(熱帯・亜熱帯に自生するショウガ科の多年生常緑草)の繊維を使った素材で主に壁紙として使用されます。
メリット:高い防虫性・抗菌性を持つ。
デメリット:一般的なクロスに比べ高価になってしまう。
◼️ケナフ
アオイ科の植物繊維を利用した建材で、ボードや壁紙、畳床として使用されます。
メリット:サステナブルな再生可能資源で環境負荷が小さい。
デメリット:流通量が少ないため、価格が高くなってしまう。
◼️三和土(たたき)
土・石灰・にがりを混ぜて固めた床材で、土間や玄関先に使用されます。
メリット:耐久性・調湿性に優れる。
デメリット:施工に時間と技術が必要。
自然素材リフォームにかかる費用相場
注意点として自然素材はややコストが高くなる傾向があると述べましたが、リフォームなどで上手に取り入れることができれば、ランニングコスト面では、コスパが良くなるケースもあります。
費用の目安
◼️漆喰や珪藻土の塗り壁:1㎡あたり5,000〜1.5万円程度
◼️無垢フローリング:1㎡あたり8,000〜2万円程度
◼️断熱材(セルロースファイバー)施工:一戸建て全体で80万〜150万円程度
長期的なコストメリット
自然素材を使用した住まいでは以下のようなコスト上のメリットが得られます。
光熱費の削減:断熱・調湿効果により冷暖房費を抑えられる
健康コストの低減:アレルギーや呼吸器疾患のリスク軽減(医療費などの削減)
耐久性による修繕費の抑制:漆喰や無垢材は適切な手入れで数十年使用可能
ナサホームの施工事例
◼️銘木の飾り棚や木製の室内窓で個性が光るリビング空間
和室を一部リビングに取り込み、LDKを開放的な空間に改修しました。銘木の飾り棚や家具と馴染むよう塗装した特製の室内窓など、個性が随所に光るリビング空間となりました。
◼️愛犬と過ごす無垢床のリビング
ダイニングとリビングの間仕切壁を取り壊し、広々とした縦長のLDKに改装しました。念願だった無垢の木の床材(ウォールナット)を使用し、木のぬくもりを直に感じられる温かみのあるリビング空間へ。
◼️半独立型で目が届きやすいワークスペース
全面リフォームしました。お子様の将来を見据え夫婦の仕事スペースだけでなく、勉強スペースとしてデスクカウンターと収納棚を造作しました。半独立型なので、勉強や仕事に集中して取り組める空間になっています。
まとめ
自然素材の家は、健康的で快適な住環境を提供するだけでなく、環境への配慮や長期的なコスト削減といったメリットも持っています。ナサホームにも、健康的な自然素材を使用した住まいづくりのご要望が数多く寄せられています。自然素材を使用したリフォームをご検討中の方は、ぜひナサホームにご相談ください。皆様のご予算や空間づくりのご要望をお伺いしながら、建材選びや建具選び、デザインなどを一緒に考えご提案いたします。