サイディングとは?
そもそもサイディングとは、住まいをはじめとする建築物に使用される外壁材のひとつで、仕上げに建築物の外壁に貼られるものを指します。
建築物における外壁の施工方法には、「湿式工法」と「乾式工法」の2つがあり、湿式工法はコンクリートやモルタル、漆喰、石膏、タイルなどを指し、乾式工法はパネル合板を使った既製品を、現場で貼り付ける方法を指します。サイディングはこのうちの乾式工法の一種なのです。
サイディングの種類
サイディングには大きく分けて4つの種類が存在します。
■窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントや繊維などを練って、板状に成形したサイディングのことで、現在日本の住宅外壁のうち7割近くを占めるメジャーな材質です。
窯業系サイディングは成形しやすく、また色などの調整も可能であるため、木目やコンクリート、レンガ、タイル、天然石など多彩な素材の質感を感じさせる表現が可能です。
窯業系サイディングのメリットは、このデザイン性の高さに加え、コストが安い点。さらに耐震性や防火性に優れています。ただしその反面、熱を吸収しやすく、気温が高くなる季節は外壁が熱を持ちやすいというデメリットもあります。
■樹脂系サイディング
アメリカやカナダで人気の高いのがこの樹脂サイディング。
その名の通り、素材として塩化ビニル樹脂を用いています。
厳しい環境の北米で採用されているその理由は、窯業系サイディングに加えて軽量であるにも関わらず、塩害や凍結にも強い点。俗に、メンテナンスフリーと言われるほど高耐久なのが特徴です。ただし、この樹脂系サイディングにもデメリットはあり、軽量であるがゆえに遮音性が低く、線路や道路沿いなど屋外で大きな音がする地域ではやや不向きです。
■木質系サイディング
木材を使ったサイディングのことを木質系サイディングと呼び、そのメリットとしては天然の木材の質感や2つとして同じ物のない木目のデザインを生かした、住まいの外観が得られること。また、熱で変形してしまうアルミや鉄と比べ、炭化しても形状の変わらない木材は意外にも熱に強いという特性を持っています。
木質系サイディングのデメリットは、水に弱い点。水分を含んだ状態が長期間にわたると、サイディング自体が腐ってしまう可能性があります。コーティング剤が塗布されている場合が問題ありませんが、これもメンテナンスが必要。また、完全な工業製品ではないため価格もやや高いのも難点です。
■金属系サイディング
アルミニウムやステンレス、ガルバリウムなどの金属を使って造られるのが金属系サイディング。金属であるため水に強く、また素材的にサビにくいのが特徴です。天候によって異なる気温程度ではそれほど、影響がないため比較的長寿命であることもメリットです。また、住まいの外壁にインダストリアルな素材感を加えたいという施主様にとっては、鈍い光沢を放つ金属系サイディングは魅力的な素材となります。
デメリットとしては、窯業と比べると防火性能がやや低いという点が挙げられます。
他の外壁との違い
「乾式工法」のサイディングと「湿式工法」の外壁を比べた際の違いは、その施工の簡便性。左官の技術が必要なコンクリートやモルタル、漆喰などの塗り壁と比べて、サイディングは、施工が簡単でその分施工費も抑えられるのが特徴です。
ただし天然の素材を使い仕上げられる、モルタルなどの塗り壁には高級感があり、サイディングと比べて、色あせ汚れに強いという特徴を持っています。
サイディングリフォームの方法
サイディングリフォーム施工について
サイディングのリフォームを行う際には「張替え工法」と「カバー工法」の2種類の方法があります。
■張り替え工法
張り替えは既存の外壁材を全て剥がしたうえで、サイディングを貼り付ける方法。リフォーム時に、外壁が劣化していたり傷んでいたり、従来の外壁自体の寿命が近い場合は、張り替え有効です。張り替えを行うことで、外壁の状態をリセットして、耐震・耐候性・耐水性を獲得できるのも大きなメリットといえるでしょう。
張り替えのサイディング工事にかかる費用は、延べ床面積120㎡の住まいの場合であれば200〜300万円程度。工期としては1〜1ヶ月半程度が必要となります。
■カバー工法
カバー工法は、既存の外壁を生かしたままその上にサイディングを重ねるように貼り付ける方法。張り替えのように一旦外壁を剥がす手間がないためコスト的には、低く抑えられます。カバー工法を選ぶ際は、既存の外壁の状態が良く、傷や劣化、水漏れないことが前提となります。万一、下地となる既存の外壁に瑕疵があった場合、修繕することができないことがデメリットといえるでしょう。
カバー工法の場合、同様に延べ床面積120m2の住まいであれば、施工費用は150万円〜200万円程度。施工期間は半月〜1ヶ月程度となります。
ナサホーム のサイディングリフォーム事例
ナサホームでは毎月数多くのサイディングリフォームを手掛けております。
その中の一例として、お客様よりご要望をいただき色あせしにくく、汚れにくく、メンテナンスしやすく、また耐震、防火、通気、断熱、遮音などの優れた性能を持つ「ケイミュー社」のサイディングを採用した施工例をご紹介いたします。
耐久性の高いサイディングにもメンテナンス必要
湿式工法と比べてメンテナンスの手間が少なく耐久性も高いサイディングですが、全くのメンテナンスフリーというわけではありません。
サイディングには使用されている素材によってメンテナンスが必要となる時期や寿命があり、これに従って施工を行ったリフォーム会社などにメンテナンス、あるいは再度のリフォームを依頼することで、住まいを安全かつ健全に保つことが可能となります。
サイディングの材質ごとのメンテナンス周期と寿命
■窯業系サイディング
メンテナンス周期:7〜15年
寿命(耐久年数):20〜40年
■樹脂系サイディング
メンテナンス周期:10〜25年
寿命(耐久年数):20〜50年
■木質系サイディング
メンテナンス周期:5〜10年
寿命(耐久年数):15〜50年
■金属系サイディング
メンテナンス周期:10〜15年
寿命(耐久年数):20〜40年
まとめ
軽く、強く、メンテナンスの手間も少ないサイディングですが、適切に使い続けるためにはメンテナンスが必要。
そのためには、責任をもってリフォームを行ってくれる業者選びが欠かせません。
ナサホームでは、お客様のご要望に合わせて、デザインやメンテナンス面から最適なサイディングを選定、提案するだけでなく、定期的なメンテナンスや再リフォームなども見据えた末長いお付き合いをさせていただいております。
「そろそろ住まいの外壁に傷や劣化が多くなってきた」「外壁からの雨漏りが心配」というお悩みをお持ちの方は、ぜひナサホームにご連絡を。
経験豊かで、技術力のあるスタッフが、お客様とそのご家族様の将来を共に考え、30年、50年先も、快適な住まいを実現するためのお手伝いをいたします。