塗装?それとも張り替え?劣化したサイディングのお手入れ

長年住まいを強い日差しや風から守ってくれるサイディング。 ただし、私たちが普段サイディングの状態をまじまじと観察する機会はそうありません。それでも、日々紫外線や湿気、汚れなどにさらされるサイディングは日々少しずつ劣化していきます。では、サイディングが劣化してしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。今回はサイディングの劣化によって起こる症状とともに、サイディングの劣化状況によって、再塗装すべきかそれとも張り替えるべきかといった、対処法の判断基準も紹介してまいります。


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サイディングが劣化するとどうなるの?

そもそもサイディングとは?

■サイディングとは?
サイディングは住まいの外壁の仕上げとして使用される、パネル状の板材のこと。
一般住宅にサイディングが使用されるようになったのは、窯業系サイディングが誕生してからで、それまではモルタルを塗った壁が使用されていました。このモルタル壁は、左官職人による施行が必要な上、乾燥までに時間がかかるのが難点でした。一方サイディングは、パネルを張り付けることで施工が完了するので、特別な技術なども必要なく施行時間も短縮できることから、広く普及するようになりました。

サイディングの種類

先述した窯業系以外にもサイディングにはいくつかの種類が存在します。

■窯業系サイディング
窯業系サイディングはその名の通り、セメント質や繊維質の素材を成形し、高温の窯で焼いて作り上げたいわゆる焼き物のサイディングです。その成形方法から、さまざまなデザインの実現が可能で、またコストも安く耐久性や防音製に優れています。

■金属系サイディング
金属系サイディングはアルミや鉄などの金属と断熱材から成り立っています。特徴としてはやや軽量で、地震などの際に揺れや落下しづらいという点が挙げられます。

■木質系サイディング
木質サイディングはそのまま無垢材を用いたサイディングを指します。趣のある外観とはなりますが、防火性や機密性の面でデメリットがあり、現在では使用されるケースは少なくなっています。

■樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニルなどを使ったサイディングです。日本ではあまり使用されていませんが、アメリカなど海外では主流となっている地域もあります。安価で、退色しにくいというメリットがありますが、日本では製品数が少なく、選べるデザインや規格が限られてしまうのが難点です。

サイディングに見られる劣化

サイディングは雨や風、紫外線に晒され続けるうちに、徐々に劣化していきます。
その耐用年数は、サイディングの種類によって異なるもののおおよそ15〜40年ほどとされています。サイディングが劣化すると、ひび割れができたり、表面の艶がなくなって退色してきたり、白く粉を吹くチョーキング現象が現れます。また住まいの環境によっては、サイディング表面に付着した汚れを栄養として苔が生えたり、カビが生じたりということもあり得ます。

サイディングの劣化を放置すると?

サイディングの劣化は、耐用年数の限界がきている場合にも起こり得ますが、日差しの強い方向や海風の当たる場所など、住まいの周囲の環境によっても起こり得ます。
劣化が見られる場合でも耐用年数内の7〜10年程度のものであれば、洗浄や塗り直し、シーリングの打ち直しといったメンテナンスで、症状が改善することがあります。
しかし、こうしたメンテナンスを行わないでいると、耐用年数を迎える前にサイディングの交換が必要になったり、最悪の場合はサイディングの内部に水分や汚れが浸透してしまい、住まいの躯体が腐食するといった悪影響が及ぶ場合があります。

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劣化したサイディングをきれいにする方法は?


それでは、劣化している兆候の見えるサイディングをメンテナンス&交換する場合どのような手順を経るのでしょうか。

サイディングの補修方法

■塗り直し
最も一般的なサイディングの補修方法は、サイディングの上から再度塗装を行い、塗膜を形成するというものです。塗り替えをする際にはまず、高圧洗浄機によってサイディングの汚れを落として素地を整え、必要に応じてコーキングを剥がして打ち直し、さらに下塗り、中塗、上塗といったように複数回塗膜を作って完了です。さらにサイディングの再塗装を行う場合、施行前に足場を組み養生する必要があります。施行期間はおおよそ1週間〜10日程度(天候によって異なります)です。

■そのほかの部分的な補修
サイディングの一部が劣化していたり、飛来物などによって破損してしまっていたという場合は部分的な張り替えで対処できることもあります。この場合、不具合のあるサイディングを撤去しサイディングを再度張り直します。この場合の作業時間の目安は、1週間〜2週間程となります。

劣化が進みすぎたサイディングは張り替えをしよう

住まいのサイディングが広範囲にわたってひどく劣化していたり、サイディングの耐用年数を超えてしまっていたりする場合は、サイディング全体の張り替えをおすすめします。なお、張り替え方法には、一般的な張り替えとカバー工法の2つがあります。

■カバー工法
既存のサイディングの上に、新しいサイディングを重ね張りする方法です。カバー工法は、後述する張り替えと比べて短期間で施工でき、また費用も抑えられるという点と、サイディングが2重になることによって断熱性や遮音性の向上が見込めるという点にあります。ただし、カバー工法を採用した場合は建物の総重量が重くなってしまうこと(耐震性が下がる)や内部結露が発生する可能性があるというデメリットも考慮しておく必要があります。なお、カバー工法の工期は2〜3週間ほどとなります。

■張り直し
張り直しは、既存のサイディングを撤去した上で、新しいサイディングを張り付けていくという方法です。張り直すことで得られるメリットとしては、サイディングの下の下地を補修できる点が挙げられます。サイディングの劣化や破損が激しく、下地まで影響が及んでいる場合はこちらの方法が適していると言えるでしょう。ただし、張り替えを行う場合、カバー工法よりややコストが嵩んでしまう点がデメリットとなります。サイディングの張り替えに必要な工期は3週間〜1ヶ月となります。

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サイディングの補修や張り替えにはどのくらいの費用が必要?


サイディングの劣化を見つけたら、いち早く対処を行いたいものです。その時に気にかかるのはやはり費用の問題、実際にナサホームに施工を依頼した場合どのくらいの費用が必要になるのでしょうか。

サイディングの補修費用

■ひび割れや釘の打ち直しが必要なサイディングの補修:5万〜10万円
■サイディングの一部張り替え:10万〜25万円
■外壁塗装:60万〜200万円(選択する塗料や外壁面積によって異なります)
■コーキングのみの打ち直し:12万〜20万円

サイディングの張り替え費用

■カバー工法:150万円〜
■張り替え:200万円〜

ナサホームの施工事例

■汚れにくく、メンテナンスも簡易な外壁サイディングの施工

外壁はケイミュー社のサイディングを施工しました。色あせしにくい、汚れにくい、メンテナンスしやすい等の特長があります。

この施工事例の詳細はこちら

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まとめ

サイディングの補修やメンテナンスは、劣化の具合はもちろん、住まいの大きさによっても大きく費用が異なってきます。そのため、正確な施工費用や工期を算出するためには、皆様の住まいを実際に事前調査する必要があります。ナサホームでは、こうした事前調査のご依頼も承っておりますので、ぜひご連絡ください。