省スペースで開閉も楽々、室内&玄関の引き戸リフォーム

開き戸(ドア)は、居室内だけでなく玄関扉としても非常に人気があり、防音性などにも優れています。しかしその反面、開閉の音が気になったり、子供や高齢者、ペットなどと暮らすご家庭では、ドアに挟まって怪我をしてしまうなどの懸念も生じます。こうした背景から、お部屋や玄関の開戸を引き戸にしたいという施主様もいらっしゃいます。今回は、こうした引き戸をリフォームによって取り付ける際のポイントについてご案内します。省スペースで安全な住まい扉をお求めの方はぜひご確認ください。


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室内の引き戸リフォームのポイント


室内のバリアフリーや既存の扉が老朽化したことから、引き戸へのリフォームを考えている場合のポイントをご紹介。引き戸の種類やリフォームの方法などについても解説していきます。

引き戸のメリット

まずは、引き戸にリフォームすることで得られるメリットとデメリットについて知っておきましょう。

【引き戸リフォームのメリット】
■戸の開け閉めが簡単
■バリアフリーにつながる
■風通しが良く音も静か

引き戸はドアと比べて開閉に力が入らず、スムーズに開け閉めをすることが可能。
不意に閉まることで指を挟んでしまうということも少ないので安全です。さらに、ドア枠などで段差を作る必要もないので、歩行が難しかったり車椅子で室内を移動される方がいるご家庭でも気軽に利用できます。
設置に関しても横のスペースは広く取る必要がありますが、開閉時の空間を必要としないため家具などの配置は比較的自由になります。
また、引き戸を開け放つことで二間を一間として広々と使えるなど、空間広がりが出る他、ドアのように開閉時のバタンという音も発生しません。

引き戸のデメリット

続いては引き戸にリフォームする際の注意・留意点について解説します。

【引き戸リフォームのメリット】
■横方面に大きなスペースが必要
■引き戸の引き込みスペースは壁にならない
■気密性や遮音性が低い

引き戸には戸板をスライドさせて引き込むスペースが必要となりますので、スライドする横方面のスペースはドアの時よりも広く必要となります。また、この引き込みスペース内には、戸板が収納されるため壁にコンセントやスイッチを埋め込むことはできません。壁ほどの強度もないため壁に密着させる家具などの配置も不向きです。また、ドアよりも気密性や遮音性が低いため、隣室の音や匂いが気になるという場合や冷暖房の効率を重視するという場合はやや不向きです。

室内のドアを引き戸にリフォームする場合

現在ドアがある場所に引き戸を作る場合は、ドアそのものの形状を変更するため、間口を広げる壁の工事に加え補強行為などを行いった上で引き戸を取り付けることになります。ただ、壁の状況によっては大掛かりな工事をせずともリフォームが可能となることがありますので、下記を参考にリフォームの計画を立ててみましょう。

■方引き戸にリフォーム
ドアを方引き戸(一枚の戸板をスライドさせるタイプの引き戸)に変える場合は、ドアの形状を変えることなく、リフォームが可能。工期も短くなりますが、ドアの間口自体を広げることにはなりませんので、車椅子などが通過する際にはやや狭く感じることがあるかもしれません。

■引き違い戸にリフォーム
2枚以上の戸板をスライドさせるタイプの引き戸のことを、違い引き戸と呼びます。
多くの場合既存のドア枠よりも大きな面積が必要となるため間口を広げるための解体工事が必要となり、工期・費用なども片引き戸の場合と比べるとやや多くなることがあります。

■既存の引き戸を引き込み戸にリフォームする場合
壁の中に戸袋を用意して、そこに戸板を収納する引き戸を引き込戸と言います。間口を広げるための工事は最小限で済みますが、壁の中に戸袋を作るための改修工事が必要になります。

室内で引き戸を設けるのに向いている部屋とは?

■子供やお年寄りがいる部屋
少ない力で開閉できる引き戸はお年寄りや子供でも開閉しやすく、段差も少ないためつまづきにくいのがポイント。将来的なバリアフリーを考える方はもちろん、小さいお子さんがいる家庭では引き戸をあけておくことで、子供の遊ぶ様子を見守りながら家事をすることが可能です。

■水廻り
脱衣所周辺やパントリー、キッチンなど湿気がこもりやすい場所にも引き戸が適しています。引き戸は通気性が高く、開け閉めも簡単であるため風通しを良くし、湿気を室外に追い出してくれます。

■家族やよく使うリビングなど
リビングやダイニングなど、開閉が多いお部屋はその開閉音が気になるもの。引き戸にすることで、開閉時の音を軽減することができます。また、リビングやダイニングに続く扉を引き戸にすることで二間を繋ぎ広々と使うこともできます。

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玄関に引き戸を作る場合


たくさんの荷物を玄関から運び入れる際などは、ドアの開閉の手間や間口の狭さが気になるもの。また、車椅子を利用される方の中には、玄関ドアの開け閉めが負担と感じられる方もいらっしゃるようです。他にも様々な理由がある中で、玄関のドアを引き戸に変える場合、どのような点に留意すべきでしょうか。

玄関の引き戸・開き戸の比較

■引き戸のメリットデメリット
玄関を引き戸にすることのメリットは、開閉に必要なスペースが少なく、また荷物や人の出入りに際して解放することができる点にあります。
一方、室内の引き戸と同じように気密性はそれほど高くなく、設置に必要な間口も開き戸(ドア)と比べて大きな面積が必要となります。

■開き戸のメリット・デメリット
開戸(ドア)は機密性・防音性が高く、錠などの種類も豊富なのがポイント。ただし、開閉のためのスペースが必要になる点や、開口部が引き戸と比べて狭く出入りがしづらいのが難点です。

玄関の引き戸と開戸、どちらが優れているの?

玄関の開戸、引き戸にはそれぞれメリット・デメリットがあり、リフォームに際してはそれぞれの家庭の事情に合わせて選ぶ必要があります。
例えば、バリアフリーを検討しているご家庭や大きいサイズの趣味の道具などを玄関から頻繁に出し入れするようなご家庭であれば引き戸が最適。
プライベートな空間を保ち、防犯対策を万全に講じたいというご家庭であれば、開戸にすることに大きなメリットがあります。

なお、玄関のドアリフォームに関しては
玄関ドアのリフォーム費用は?ドアの種類や選ぶポイントの記事でも詳しくご案内しておりますので、こちらも合わせてご確認ください。

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ナサホームの引き戸リフォーム事例&コストの目安

ナサホームの引き戸リフォーム事例

■引き戸を使ってフレキシブルに活用できる広々リビング

LDKと畳スペースの間に引き戸を設置。引き戸を開ければ広々としたスペースに、閉めれば、寝室として、遠方で暮らす娘さんのご家族が遊びに来た際には、寝泊まりができるスペースになります。

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■一本引きのスライドドア

バリアフリーを考慮した玄関ドアのリフォーム事例です。今回は一本引きのスライドドアを採用しております。スライドタイプのドアですので車椅子やベビーカーでも安心して使え、手に荷物を持っている時でも快適に開け閉めできます。

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■アルミフレームの室内引戸でお洒落な和室空間

リビングダイニングにつながるおしゃれな和室の設置に加えアルミフレームを用いた室内引き戸を設けることで、和洋折衷のデザイン性に優れた空間を作り出しました。

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引き戸リフォームにかかる費用

室内のドアを引き戸に変更する場合のリフォーム費用は、引き戸の種類や壁の改修工事の有無によって大きく異なります。それぞれのおおよその相場は以下の通り。

■片引き戸に変更:10〜25万円
■引き違い戸に変更:25〜40万円
■引き込み戸に変更:30〜40万円

一方玄関ドアを引き戸に変える場合の費用は室内と比べてやや高額になる傾向があります。
特に引き違い戸に変更する場合は、間口を広げるために玄関全体の改修が必要になることもあるため、まずはリフォーム会社に見積もりをとって金額を確かめてみることをおすすめします。

■片引き戸に変更:40〜60万円
■引き込み戸に変更:50〜100万円
■引き違い戸に変更::70〜80万円

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まとめ

開閉が簡単で、使う方に優しい引き戸。気密・防音性が高いドア。
リフォームに際しては、ご家族様の暮らしの要望を整理し、それぞれのメリット・デメリットを確認しながら最適な方法を選んでください。
もし、引き戸やドアの選択に悩んだり、引き戸の種類をどれにしようか悩んだ際は、ナサホームにご相談ください。年間8,750件を超える当社で実績と経験を積んだ専門スタッフが皆様の住まいの状態やお一人お一人の要望を伺いながら、扉リフォームのための提案をいたします。