ベランダの軒天から水が滴ってきたら…
ベランダやバルコニーの下に当たる部屋が水漏れしている、あるいは見上げたベランダの軒天から水が落ちてきているという場合はまず以下よりその原因や対処方法を考えてみましょう。
ベランダの雨漏りの原因とは?
軒天からの雨漏りの場合、その原因にはいくつかのものが考えられます。
■防水層の破損や劣化
ベランダやバルコニーの床に床材や防水コート材が使用されている場合は、経年劣化やものの落下の衝撃によって、これらがひび割れたり破損したりすることがあります。また、これらの防水層の耐久年数は通常10年ほどとされていますので、見た目に劣化が見られずとも一度検査をしてみることをおすすめします。
■コーキングの劣化
ベランダやバルコニーの床や壁の隙間にはコーキング材が充填されています。これらのコーキング材が雨水などによって劣化している場合、そこから壁・床の内部に水が浸透することがあります。
■笠木の劣化
ベランダやバルコニーの手すりなどにある笠木。本来は雨水の浸透を防止するものですが、この防水効果が落ちていたり、笠木そのものが割れたりしている場合はやはりその割れ目などから水が浸透します。
■排水溝の詰まり
ベランダやバルコニーには通常雨水を排出するための排水溝が備わっていますが、これが落ち葉や埃などによって詰まってしまった場合、雨水が逆流して床に溜まり、水漏れを起こすことがあります。
■勾配の異常
ベランダやバルコニーを使用し続けることによる劣化以外に、構造的な欠陥として床に設けられた勾配が十分でなく水が排水溝に流れることなく床面で止まってしまうことがあります。
ベランダの雨漏りを放置すると…
ベランダの雨漏りをそのままにしておくと、住まいの資産価値を下げるようなさまざまな悪影響が生じてしまうことがあります。
■漏電による火災リスクの向上
水が住まいの躯体内部に染み込み、電気配線を腐食させると漏電が起こり、電源が使用できなくなるだけでなく、漏電箇所から火災が起きるというリスクも高まります。
■カビなどによる健康被害
水が浸透して住まいの躯体となる木材が腐食するとそこにカビなどが発生します。このカビは家を侵食するだけでなく、アレルギーや喘息などの家族の健康被害をもたらす原因ともなります。
■シロアリなどの発生
劣化箇所や破損箇所から水が浸透すると、ベランダ内部の構造部分の湿度が高くなり、木材などが腐食することがあります。またこうした環境には、シロアリが集まりやすくなり、一度発生すると大掛かりな修繕や駆除費用が必要になってきます。
ベランダからの雨漏りを解消するための方法とは?
ベランダの床の補修
ベランダの床に経年劣化やひび割れがある場合は、床の下地や防水層を修理することで対処が可能です。比較的軽度な防水層のみの劣化の場合は、現状使用されている床の防水層に合わせてウレタン樹脂やFRP、防水シートの張り替えを行います。
すでに、下地まで劣化が及んでいる場合は一旦、防水層を剥がし下地を補修した後、再度防水処理を行います。
笠木の補修
ベランダの笠木が傷んでいる場合は、笠木を一旦撤去し新しい下地を組んだ上で防水シートを貼り、笠木を新たに設置します。
コーキングの再充填
コーキング材がひび割れている場合は、ひび割れた部分のコーキング材を剥がし再充填します。しかし、すでに軒下に水漏れが起こっているのであれば、多くの場合下地まで水がまわっていることが考えられますので、その際は床や笠木の修理と同様、下地の補修が必要となります。
ベランダの雨漏りを解消するためにかかる費用はどのくらい?
ベランダの軒下の雨漏りを解消する場合の費用は、劣化の度合いやベランダの面積によって大きく変わります。事前にリフォーム会社に調査と見積もりをされることをおすすめしますが、ナサホームで行っているこれら修繕・リフォームの費用の目安も合わせて掲載いたします。
ベランダの雨漏りの解消リフォームにかかる費用
■ 防水層の補修・やり直し:5万円〜
■ 下地を含めた床の修繕:25万円〜
■ 笠木の交換:25万円〜
■ シーリングのみの補修:1万円〜
ベランダの雨漏りには火災保険が適用される場合も
ベランダが雨漏りしている場合、その雨漏りの原因が“自然災害”によるものであれば、火災保険が適用されることがあります。
この場合の自然災害とは、強風や台風、地震などのことを指します。ただし、ベランダに起こっている不具合が自然災害由来であるかどうかを判断するのは非常に難しく、プロの判断が必要となります。
なお、火災保険の適用・申請に関しては、リフォーム・修理業者に調査・原因究明をした上で、該当箇所の写真と原因報告書、さらに修繕にかかる見積もりを提出してもらいましょう。さらに、この資料を保険会社や保険代理店に連絡の上で送付し、保険会社の現場調査を受ける必要があります。また、火災保険の申請や請求の期限は、原因となる災害の発生から3年以内となっています。
火災保険の適用を視野に入れなくとも、専門家の調査は必須
ベランダの雨漏りを見つけた際、ひび割れや劣化箇所が目に見えている場合でもDIYで補修せず、リフォーム業者や修繕業者に連絡しましょう。
リフォームや修繕を行う業者の場合、目視だけでなく、散水調査や特殊な薬剤を用いた発光液調査、場合によっては赤外線を使った調査などをおこなってくれるため目に見える一部分以外にも、同様に目に見えない箇所に亀裂や劣化が発生している箇所や、これから雨漏りしそうな箇所の早期発見にもつながります。
ナサホームでの雨漏り補修
■通気緩衝工法による雨漏り防止策
10年以上防水のメンテナンスをされていなくて、雨漏りが発生している状態でした。屋上、ベランダに対して通気緩衝工法による防水を行い、今後安心してお住まいいただける仕上がりになりました。
まとめ
軒下の庭や階下の部屋からベランダを見上げた際に、軒天に雨漏りの跡が見られると、思わず心配になってしまうもの。急いでリフォームの依頼をするのは大切なのですが、まずはその原因をしっかりと確かめて適切な修繕方法をとることが何より肝要です。
ナサホームでは各種の事前調査を含め、お客様のお悩みなども伺いながら、ベランダの修繕方法やお見積もりを提案して参ります。
まずは、お気軽にお住まいのお悩みをお聞かせください。