ひび割れてしまったクロスは早めに張り替えよう!

住まいの印象を決定づける壁紙。壁紙のデザインや色使い、テクスチャによって住む方の個性を表現できる素敵な内装ですが、クロスにも耐用年数があります。 しかも、クロスを張っている場所やお手入れを全くしないといった使い方をすると、想定より早くひび割れてしまったり、剥がれてしまったりすることもあるのです。そんなひび割れや剥がれが生じてしまったクロスの張り替えについて、費用や張り替え依頼などのコツをご紹介してまいります。


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クロスはなぜひび割れてしまうの?


住まいの美観を損ねてしまうクロスのひび割れ。実は放置すると思わぬ悪影響が出ることもあります。では、そのひび割れの原因はなぜ起きるのでしょうか。

クロスがひび割れてしまう原因

■クロスの縮み
寒暖差の激しい場所や湿気の多い場所のクロスは、膨張・伸縮を繰り返すことで裂けたりひび割れたりしてしまうことがあります。これらは特に塩化ビニルなどの樹脂素材のクロスで発生しやすいトラブルです。

■揺れや振動
クロスの周辺にドアや窓がある場合、頻繁に強い力で開け閉めするとその振動が壁に伝わり、クロスが動いてしまうことでひび割れにつながってしまうことがあります。また新築の木造住宅の場合は、施工後に木材が収縮したり動いたりすることでクロスがずれ、ひび割れを起こしてしまうこともあります。

■壁のトラブルや劣化
クロスそのものではなく、クロスの下にある壁がクロスのひび割れの原因になることも。壁材や天井板が経年劣化して板材の間に隙間が開いてしまったり、固定のためのビスなどが浮いてしまったりすると、ここからクロスがひび割れてしまうことがあります。また、室温の変化や乾燥などで石膏ボードがずれてしまった場合も同じく、クロスにダメージが集中しやすくなります。

■地震などの影響
地震によって、住まいの躯体が動いたり傾いたりしてしまうといったケースでもひび割れは発生します。ただしこうしたトラブルは壁紙そのものではなく、躯体から補修をしていく必要があります。

クロスのひび割れを放置すると…

壁や天井のクロスは、美しいデザインの空間を作るだけでなく、壁板や天井板を室内の汚れや湿気から守る役割も持っています。そのため、ひび割れを放置してしまうと、そこから湿気が壁の内側へと逃げてしまい、壁の内側や天井など住まいの基礎部分にダメージを与えてしまう恐れがあります。

注意したほうがいい&張り替えるべきクロスの症状

クロスのひび割れは、その症状によってすぐに対処すべきかそうではないかを見極めることができます。
例えば細いひび割れが縦に一本だけ走っている場合や、クロスの継ぎ目が少し目立つくらいの症状であれば、それほど気に病むことはありません。ただし、クロスの継ぎ目以外が大きく裂けていたり、ドアや窓の近くでもないのに、クロスが歪んだり破れたりしている場合は、クロスの張り替えが必要であると言えます。またこうしたケースでは、クロスの内部にもトラブルを抱えている場合がありますので、リフォーム業者に相談の上、現地を確認してもらい、適切な張り替え・修繕方法を提案してもらうと安心です。

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ひび割れてしまったクロスの対処方法


ひび割れてしまったクロスの対処方法の基本は、張り替え。ただし、クロスの下まで破損や劣化が及んでいる場合は、やや大掛かりなリフォームが必要となります。

クロスの張り替え方法

クロスを新たに張り替えてリフォームする際は、まず専用の薬剤とヘラ、接着剤を柔らかくするためのドライヤーなどを使用して既存のクロスを剥がします。その上で、壁面や天井の面積を計算し、クロスのサイズをカットし、水を含ませたスポンジで壁紙の裏面を湿らせて乾燥した糊を戻し、壁面や天井に張り付けていきます。
クロスを張り替え終えたら、なで刷毛やスクレイパーでクロスを撫で、クロスと壁面の間に残った空気を外に押し出していきます、その上で余分なクロスをカットし、はみ出た糊などを拭き取って、十分に乾燥させれば壁紙の張り替えは完了です。

深刻なクロスの補修方法

クロスのひび割れの下の石膏ボードなどが破損している場合は、壁紙を剥がした上で石膏ボードの状態を確認し、数ミリの小さな穴程度の軽微な損傷であれば補修用のパテなどを使ってひび割れを埋めていきます。ただし、石膏ボードのひび割れはコーキングやパテでは補修できませんので、こうした場合は既存の石膏ボードを取り外し新しいものと交換する必要があります。

クロスや石膏ボードの保守をDIYで行わないほうがいい理由

クロスの張り替えは、一見簡単そうに見えますが、歪みなく張り付けていくためには、熟練した技術が必要となります。また個人で、クロスや必要な道具を揃えるのも、簡単なことではありません。DIYで作業した結果、壁紙の継ぎ目で模様がずれてしまったり、下の石膏ボードが露出していたりしては張り替えの意味がなくなってしまいます。
また石膏ボードなどの補修・張り替えに関しても、破損や劣化の程度を自己判断してしまうと深刻な瑕疵を見逃して後々大きなトラブルに発展してしまうこともあります。
十分な知識や技術がない、もしくは不安があるという方は、リフォーム会社に相談した上で、施工を依頼するようにしましょう。

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クロスの補修&張り替え費用の相場


それでは、クロスの張り替えや石膏ボードの補修をした際に必要となる費用はどのくらいを想定しておけば良いのでしょうか。

クロスの張り替え費用

クロスの張り替えは、クロスの素材の費用によっても価格は変動しますが目安としては1mあたり1,200〜1,500円程度が相場となります。一戸建ての場合で6畳ほどのお部屋の壁や天井のクロスの張り替えを考えた場合、10万円前後の費用を想定しておきましょう。

石膏ボードの補修・張り替え

石膏ボードを撤去し新しいものへと張り替える場合の費用は、5万〜15万円程度。
石膏ボードの細かな穴の補修に関しては、2万~3万円程度となります。
ただし、ひび割れや破損が広範囲にわたる場合や地震などの影響で石膏ボードのさらに下の壁材や柱などに損傷がある場合は、さらに費用がかかる場合があります。
こうした深刻な状況の場合は、リフォーム会社に現地調査を依頼した上で見積もりを算出してもらいましょう。

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まとめ

クロスに生じたひび割れを発見して、不安を感じている方は少なくありません。
軽微なものであれば良いのですが、その判断を行うのも一筋縄ではいかないものです。こうした不安を解消し、心地よい住空間を取り戻すためにも、信頼のおけるリフォーム会社に相談し、クロスの張り替えや下地の補修を依頼できるようにしましょう。
また、クロスの張り替えを行うのであれば、この機会に機能性クロスを選んだり、アクセントクロスに挑戦してみるのも良い選択です。リフォームで現状復帰を目指すのではなく、さらに心地よくデザイン性にも優れた住空間を実現してみませんか?
ナサホームは、皆様のお悩みを解決し、さらに良い暮らしを目指すためのお手伝いをいたします。

なお、ナサホームマガジンでは壁や天井のクロス張り替えに関する情報や、アクセントクロスに関する情報も掲載しております。本記事と併せてぜひご覧ください。

参考:ナサホームマガジン
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