浴室暖房乾燥機の基礎知識
浴室暖房乾燥機(浴室換気暖房乾燥機ともいわれます)は浴室内に設置される設備で、浴室の換気と乾燥、さらに暖房の機能を兼ね備えたもの。
浴室の温度や調湿に使用できるだけでなく、乾燥機能を利用すれば浴室内で洗濯物を干すことも可能です。
浴室暖房乾燥機のメリット&デメリット
■梅雨時や花粉・黄砂の季節でも洗濯物が干せる
浴室内に洗濯物を干すため、雨の日や花粉の多い季節などでも洗濯物の乾燥ができるのがポイント。また浴室暖房乾燥機は、濡れた衣服を折り曲げたまま乾燥させるドラム式の乾燥機などと違い、浴室内に吊るして乾かすことができるためシワになったり縮んでしまったりといった失敗が起きにくいのが利点です。
また、浴室内をしっかりと乾燥させられる浴室暖房乾燥機なら、生乾きだったり匂いが発生したりといった困りごともありません。
■カビも防いでお風呂掃除も簡単に
お風呂掃除はカビとの戦い。湿気が残っているとそこからカビが発生してしまいます。浴室暖房乾燥機は、お風呂に入った後の浴室を換気したり、乾燥させることができるためカビの元になる湿気をなくし、カビ発生を抑えてくれます。
■浴室暖房&涼風で快適・安全に
浴室暖房乾燥機は多くの場合、暖房機能や送風機能が兼ね備えています。
冬は浴室を暖かく、天気や時期に左右されない浴室暖房乾燥機を使った風呂干しは、洗濯から乾燥までの動線が短く、物干し作業の手間を軽減してくれる強い味方。新築では標準装備となっていることも多い人気の設備です。快適な入浴空間を作り出してくれます。また高齢者などがいるご家庭では、冬の浴室で起こるヒートショックや湯船でののぼせなどを防いでくれます
浴室暖房乾燥機のデメリット
■干すスペースが限られている
浴室内に洗濯物を干すため、ベランダや物干し台などと比べて干せるスペースが限られてきます。1〜2人の家族であれば必要なものはほとんど干すことができますが、大家族であれば1回で干しきれないことも。
■お風呂を占拠してしまう
浴室乾燥中は当然ながらお風呂に入ることができません。
■浴室暖房乾燥機のフィルターは掃除が必要
浴室暖房乾燥機は乾燥中に空気中のゴミやホコリも吸い込んでいきます。フィルターにこうした汚れが溜まると乾燥効率が低くなってきますので、定期的なお掃除が必要になります。
気になるランニングコストは?
浴室暖房乾燥機が乾燥に使うランニングコストは、4時間で120〜200円ほど。
洗濯乾燥機やドラム式の乾燥機と比べてもやや高めとなっているため、毎日利用するというよりは、花粉の季節や雨の日など外に干せない日に活用したり、電気代の安い夜間に使用するのが賢い方法かもしれません。
そもそも浴室暖房乾燥機はリフォームで設置できるの?
浴室暖房乾燥機の設置というと、大きな工事が必要になりそうなイメージがありますが、実は既存の換気扇と交換するなどの方法でリフォームでも簡単に設置が可能です。ただし、設置スペースなどには一定の条件があり、一般的には40cm四方ほどの浴室暖房乾燥機が設置できるスペースがあること、照明と換気扇が近すぎないこと(浴室暖房乾燥機設置後に熱源が照明に影響するため)などが挙げられます。
リフォーム業者に相談する際には、自宅の浴室の写真などを見せながら相談してみましょう。
浴室暖房乾燥機の種類
浴室暖房乾燥機は、機能や使用する設置方法などによっていくつかの種類に分かれています。
設置方法による違い
■ビルドインタイプ
天井に埋め込んだり、天井に取り付けたりするタイプで、浴室のリフォームにも向いている設置方法です。特徴としては薄型で、浴室をすっきりとした見た目にすることができます。特に既存の換気扇を外したり、直接上から設置する天井付けのタイプは、リフォーム工事がしやすいのが魅力です。
■壁掛けタイプ
既存の喚気口を利用して壁に掛けるように設置するタイプの浴室暖房乾燥機。天井裏にダクトを通したりする手間がなく、リフォームに適した設置方法です。
熱源による違い
■電気式
「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」の2種類に分かれています。
電気ヒーター式は、本体のヒーターが発熱することで暖かな空気を作り出します。初期費用が安いのが特長ですが、その反面暖房効率が他の方式と比べるとやや低くなっています。
ヒートポンプ式は外気の熱を利用し、冷媒の圧縮・気化・蒸発を繰り返すことで暖房効果を獲得する「ヒートポンプシステム」を利用する方法。初期費用はやや高いのですが、暖房・乾燥の効果が高く、また省エネ効果も高いのが魅力です。
■ガス温水方式
外部に設置した熱源機で作ったお湯を循環させて温風を生み出す方法。熱源機の設置が必要なため初期費用はかかりますが、ランニングコストはやや低めで、暖房・乾燥効果も高いのが特徴です。ただし、厳冬期などはガス代がかさんでしまうことがあります。
浴室暖房乾燥機の寿命はどのくらい?
一般的には浴室暖房乾燥機の耐久年数は10年〜15年ほどと言われています。
この寿命は使用や維持管理によって異なり、使用回数が多かったり定期的にフィルターの掃除やメンテナンスを行っていない場合は、耐久年数が低くなることがあります。
設置にかかる費用は?
リフォームで浴室暖房乾燥機の設置を検討される方が一番気にされるのは、やはり費用のこと。実際に既存の浴室に浴室暖房乾燥機を取り付ける場合、どの程度の費用が必要になってくるのでしょうか。
後付けで既存の換気扇の場所に、浴室暖房乾燥機を設置する場合の費用
リフォームで浴室暖房乾燥機を設置する場合、浴室暖房乾燥機本体の費用が5~10万円、既存の換気扇の場所に取り付ける工事費用が3~5万円ほどで、(合計)8~15万円で設置が可能です。
ナサホームでの浴室暖房乾燥機リフォーム事例
■浴室暖房乾燥機付きのユニットバス
「空気もタイルも冷たい」とお困りだったお客様のご要望にお応えして、浴室暖房乾燥機付きのユニットバスにリフォーム。床は水を排水口へと誘導していく特殊なパターンが施されているため、翌朝には表面がカラリと乾きます。
■浴室暖房乾燥機とランドリーパイプ付のバスルーム
浴室での洗濯物干しを考慮して、浴室暖房乾燥機だけでなくランドリーパイプも設置したリフォーム事例です。「雨の日でも洗濯物が干せるようになった!」とお客様からお喜びの声をいただきました。
まとめ
浴室暖房乾燥機には形状や熱源によりリフォームに向いているものや、マンションや戸建てに向いているものなどが存在します。
また、浴室換気、浴室乾燥、浴室暖房、衣類乾燥、涼風、ミストサウナなど数多くの機能も登場してきています。浴室暖房乾燥機を選ぶ際は、こうした機能や形状、設置方法を検討した上で、家族のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
ただし、初めて浴室暖房乾燥機のリフォームをするという場合は、こうした選び方に戸惑ってしまうことがあるかもしれません。そうした時は、経験豊かなリフォーム業者にアドバイスを求めるのが賢い方法です。
年間8750件のリフォームを手がけ、数多くのお客様の声にお応えしてきたナサホームは当然、浴室暖房乾燥機に関する知識・経験も豊富です。お客様やご家族様の暮らしをもっと豊かにするための提案を行ってまいりますので、ぜひご相談ください。