壁紙の裏がカビてしまったら?リフォーム&カビ対策で対処しよう

梅雨時や秋の長雨、冬の暖房による結露などで、気がついたら壁紙が剥がれて中からカビが・・・。住まいの困りごとのひとつであるカビの発生、カビは見た目が悪いだけでなく、その胞子を吸い込んでしまうことで、健康にも悪影響を及ぼします。 生えてしまった壁のカビはどのように対処すれば良いのか、また再びカビが生えないようにするためにはどのような対策をとればいいのか。 日々の暮らしの中でできる対処法とともに、リフォーム・リノベーションを通じて解決できる予防方法を詳しく紹介してまいります。


この記事は約6分で読み終わります。

壁のカビはなぜ生える?

カビ対策の前に住まいの中、特に壁にカビが生える理由についてまずはしっかりと理解しておきましょう。

カビが生えやすい条件

カビは菌の仲間で、胞子によって増えていきます。特に温度が5〜35℃ほどの湿気が多いところで繁殖しやすいのが特徴。特に梅雨時や秋の長雨や冬場に窓に発生する結露は、住まいの中の湿度を上げ、カビが生えやすくなる条件を作り出してしまいます。また、近年の気密性の高い家などでもカビが問題になることも多くなっており、これは室内の換気が十分にできず湿気が外部に逃げていかないからだと考えられます。

壁にカビが生えてしまたら?

住まいの壁にカビが生えてしまった場合、そのカビの侵食度合いによって、できる対処方法は変わってきます。

■壁紙の表面にだけカビが生えている場合
壁紙の表面にうっすらカビが見えるなど、比較発生状況が軽い場合は、洗剤や防カビ剤による対処が可能です。しかし、カビは目に見える場所以外にも繁殖していることが多く、住まいの中でカビのコロニーを見つけた場合は、カビの見えている範囲だけでなく、壁全体を視野に入れて防カビ対策をする必要があります。

■壁紙の裏やボードにまでカビが繁殖している場合
壁紙をめくった際にその裏側までカビが繁殖していたり、壁全体やその下にあるボードやコンクリートまでカビが発生している場合は、以下のようなやや大掛かりなカビ対策が必要となります。

①壁紙をすべて除去する
②カビが発生しているボードやコンクリートに対して、洗浄や薬品塗布によるカビ取りと防カビの対処を行う(場合によってはボードの取り替えなども行う)
③室内全体の防カビ対策を行う
④表面を防カビ処理した壁紙を貼る

こうした作業を行った場合、25〜30万円ほどの費用が必要となります。

防カビ壁紙に効果はある?

「カビを防ぐ」という効果をうたった防カビ壁紙ですが、残念なことにすでに発生してしまったカビの上からこうした壁紙を貼っても効果は期待できません。
すでにカビが生えてしまった壁に大切なのは、生えているカビの除去と再び生えさせないようにする工夫なのです。
さらに言えば、カビのない状態でこうした防カビ効果のある壁紙を貼ったとしても、住まいの中がカビの繁殖に適した温度や湿度である場合は、カビが発生してしまうことがあります。

目次へ

カビが生える前の対策が重要!

住まい中に生えるカビは、除去したと思っても少し残っているだけでまた繁殖を始めます。すでに生えてしまったカビには、専門業者による処理が必要になることも多く、どうしても対策費用がかさんでしまいます。大切なのは、壁や壁紙の張り替えやカビ除去の応急処置ではなく、湿気や水分を住まいに残さない「カビを生えさせなくする」環境づくりなのです。

二重窓の設置

壁にカビを発生させないようにと考えるのであれば、結露の防止を検討する必要があります。
特に冬場に室内と室外の気温差が大きい地域などで、窓枠が常に結露で濡れているという場合は窓やサッシを変更することで、結露の発生を抑えることができます。
窓の内側にもうひとつ窓を作る、「二重窓」にすることで窓と窓の間に断熱効果のある空気の層が生まれ、結露を防止してくれます。
リフォーム施工費用の目安:10〜15万円程度

セルロースファイバー断熱

窓に加え、壁の内部にある断熱材の変更でも湿気対策は可能。断熱材の1種であるセルロースファイバーは、新聞紙から作られており結露に強いという特性を持っています。壁や天井の断熱材にこの素材を用いることで、結露に強く、カビの発生しにくい空間を作ることができます。
リフォーム施工費用の目安:50〜80万円程度

漆喰塗り壁

壁そのものにもカビが生えにくい工夫を凝らすことができます。伝統的な素材の漆喰は強アルカリ性のため、カビが繁殖することができません。使う場所自体は限られますが、和室などに用いることで大きな効果を発揮します。
リフォーム施工費用の目安:1〜2万円程度(1㎡程度)

床下換気扇の設置

地下水位や気候や周囲の高低差など土地によって発生する湿気は、家の床下に溜まっていきます。こうした床下の湿気は、家の基礎にカビを発生させるだけでなく、腐朽やシロアリの発生の元となります。もちろん住まいの中に湿気を呼び込むことも多く、押し入れや壁など家全体のカビ発生の元となることも。床下の湿気の対処法として考えられるのは床下換気扇の設置。床下の風通しを良くすることで、湿気が溜まりにくくなります。
リフォーム施工費用の目安:10〜15万円程度

調湿素材

湿気がこもりやすい場所には、調湿素材を使ったやタイルや建具を入れるのが良い対処法となります。調湿素材は湿気の多い時には水分を吸収し、反対に乾燥している場合は、水分を放出してくれるもので「エコカラット」などが有名です。

リフォーム施工費用の目安:5万円〜(設置面積によって異なる)

目次へ

カビのない暮らしで健康に

カビを放置してしまうと、住まいの見た目が悪くなったり、壁や基礎が傷むだけでなく、さまざまな健康被害が発生してしまうことがあります。住まいの中でカビの発生を見つけたら、すぐに対処するように心がけましょう。

カビのもたらす健康被害

■アレルギー性鼻炎
カビの胞子を吸い込み続けることによって、鼻水や咳、鼻づまり、くしゃみなどを伴うアレルギー性鼻炎が発症することも。対処を怠って慢性化してしまうと、治療に長い時間がかかります。

■気管支肺アスペルギルス症
アスペルギルスというカビの胞子を吸い込むことによって発症するもので、免疫力が低下していたり、カビに対してアレルギーがある場合発症しやすくなります。咳やたんのからみ、息切れや喘息のような症状が現れます。

■シックハウス症候群
カビもシックハウス症候群をもたらす原因のひとつと考えられています。鼻水、喉の乾燥や痛み、頭痛、湿疹など数々の健康被害が発生します。

ナサホームの施工事例

■結露や断熱に配慮した住み心地のいいシンプルモダンなLDK

LDKで加湿器を使われることが多いご家庭で、結露やカビを気にされていらっしゃいました。そこで、湿気を吸収するタイル「エコカラット」を施し、さらに窓を全て二重窓としています。
この施工内容詳細はこちら

■調湿・消臭効果のあるエコカラットによる寝室リフォーム

布を張ったようなテクスチャのエコカラットを使用した寝室のリフォーム。不快な湿気を抑えて結露を防止し、カビが好む湿度を抑えアレルギーの発症を抑える効果が期待できます。
この施工内容詳細はこちら

目次へ

まとめ

カビが住まいの中に発生してしまうと、大掛かりな対処が必要となってしまいます。
その前に、カビを発生させない工夫を住まいの中に行うことが大切。ナサホームでもお客様のご要望や住まいの形に合わせた、カビ対策のためのリフォームを提案してまいります。
年間8750件のリフォーム実績、これはお客様の要望に耳を傾けた回数であり、それぞれの住まいの形を見て、それに合わせた提案を行った回数でもあります。
この実績と提案力を、あなたにも。
湿気や結露、そしてカビとは無縁の住まいを目指すリフォームをご検討中なら、ぜひナサホームにご相談ください!