劣化を見つけたら早めの対処が肝心!外壁コーキング補修のポイント

サイディングやタイルの外壁の目地を埋めるコーキング。住まいを雨水や汚れなどの侵入から守ってくれるものなのですが、その耐久年数や補修方法に関してはあまり知られていません。 先述したように、コーキングは住まいの内部を守る大切な役割を持っていますので、外壁のコーキングが剥がれたり割れたりしている場合は、早めに補修しなくてはなりません。 今回は外壁のコーキングの基礎知識と共にその補修方法や価格について詳しくご紹介してまいります。


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コーキングの役割


外壁に施されたコーキングは、外壁に使われているサディングやタイルの隙間を埋めるためのもので、コーキングがあることで「外壁の下地の劣化」や「雨漏り」を防いでくれます。コーキングがない状態では、外壁の隙間から水などが浸入して外壁自体が劣化しやすくなります。また、素材を密着して繋ぎ合わせ、防水性も高いコーキングはモルタルやコンクリート、タイルなど外壁に使われる素材のひび割れを埋めるものとしても活躍します。

コーキングの寿命

一般的にコーキングの耐久年数は5〜10年ほどと言われています。
外壁の中には数十年もつものもありますので、外壁の補修やチェックとは別に定期的なコーキングの状態チェックと補修が必要になります。

コーキングが劣化したときに見られる症状

■ひび割れが見られる
コーキングに細かな亀裂が入っていたり、目に見えてわかる裂け目が見えたら要注意。
このひび割れや隙間から雨水が侵入しますので、早急に補修しましょう。

■剥離、落下している
ひび割れではなくコーキングが完全に浮いて剥がれ落ちるような症状の場合は、すでに内部に水が回っていることが考えられます。この場合はコーキングだけの補修では間に合わないことがありますので、リフォーム会社などに連絡をし、外壁内部のチェックを依頼してください。場合によっては、サイディング全体の取り替え、リフォームが必要になることもあります。

■隙間がある
コーキングは劣化が進むと、外壁との密着が弱まり隙間ができることがあります。この状態が進むと、やがてコーキングの補助剤が露出してしまうこともあります。当然こうした状況を放置すれば、外壁全体が劣化してしまうため、リフォーム会社による補修が必要となります。

■変色
外壁のコーキング周りが黒く滲んだような色になっている場合、水が回ってしまったのと思いがちですが、これはコーキングに使われる可塑剤による「マイグレーション」という現象。コーキングの劣化ではないため、すぐに補修する必要はないのですが、見た目が悪いという場合は、コーキングの打ち直しやサイディングの交換を検討しましょう。なおその際、リフォーム業者に必ず「コーキングには可塑剤が入っていないものを使ってください」と依頼しましょう。

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外壁コーキングの補修方法とは?


では、実際に外壁コーキングに劣化が見られる場合はどのような補修を行えば良いのでしょうか。補修方法には劣化の具合にあわせて2種類の方法があります。

増し打ち工法

外壁に打ち込まれている既存のコーキングの上から、新しいコーキングを重ねて打ち込む方法です。増し打ちのメリットは、比較的施工期間が短くすみ、またコスト的にも安くなることですが、施工に際してコーキングの内部に何が起こっているかを確認することができず、また既存のコーキング自体の強度を上げることもできません。
あくまで、コーキングを打って間もないときに起こってしまった、軽微なひび割れなどの補修手段として考えましょう。また、増し打ちのコーキングの耐久年数は長くて5年ほどと言われています。

打ち替え工法

打ち替え工法は、既存のコーキングを全て撤去した上で、新しいコーキングを充填していく方法です。コーキングの撤去と隙間の洗浄、補助剤の打ち直しなどが発生するため、施工費用は割高となりますが、コーキングが全て新しくなるので耐久年数は10〜15年となります。住まいの状態を良好に保つために、10年〜15年に1度は打ち替え工法によるコーキングのリフレッシュをおすすめします。

外壁塗装を併用する場合は…

コーキングの打ち替えのタイミングですが、外壁塗装時に行うのもおすすめです。
外壁塗装を行う場合、劣化の度合いに関わらず一度全てのコーキングを撤去する必要があるため、同時期に済ませてしまうとコストや手間を省くことができます。

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外壁コーキング剤の基礎の費用と施工費用

外壁コーキングと一口にいっても、工法の違いや使用するコーキング剤によってもその価格は異なってきます。ここではコーキング施工のおおよその相場と、シーリング剤の種類について解説していきます。

コーキング剤によっても費用は変わる

■アクリル系コーキング剤 平均的な価格:1mあたり500円〜
アクリルを素材として用いたコーキング剤は、安価なのが特徴なのですが他の素材のものと比べると変色しやすく、また耐久性も弱いのが特徴です。黒ずみなどが気になる方や、耐久年数を重視するのであれば、他の素材を用いたコーキング剤の使用を依頼しましょう。

■ウレタン系コーキング剤 平均的な価格:1mあたり600円〜
汚れや水に強いのがウレタン系コーキング剤の強み。その反面、紫外線などが当たる場所では劣化が速くなります。日当たりの良い外壁のコーキングには使用しない方が無難です。

■変成シリコン系コーキング剤 平均的な価格:1mあたり700円〜
変成シリコン樹脂を素材として用いたコーキング剤で、弾性があり衝撃に強く、耐水性もあります。変成シリコン系コーキング剤には、可塑剤が使用されていないものも多く、美観を保つためにも有用であるため、外壁用のコーキング剤として使用される事例が最も多いのがこのタイプです。

■シリコン系コーキング剤 平均的な価格:1mあたり900円〜
珪素(シリコン)を用いたコーキング剤で、紫外線や水による劣化が少なく、熱にも強いのが特徴です。価格は前述のものと比べると高くなりますが、その分耐久年数も高く、コストパフォーマンスの面では、シリコン系コーキングに分があります。

外壁コーキングの補修、打ち直しにかかる費用

外壁コーキングの補修は、前述のコーキング剤や住宅の構造・下地の劣化具合によっても大きく異なりますが、目安となる価格はおおよそ以下の通りです。

■増し打ち工法
増し打ち工法の費用はコーキング剤の価格(1mあたり500〜900円)に加え、足場の費用15〜20万円程度が必要となります。30坪二階建ての住まいであれば、25〜35万円程度となります。

■打ち替え工法
打ち替え工法の場合はコーキング剤の価格(1mあたり500〜900円)加え、補助剤や洗浄の費用(1mあたり400円程度)と、既存のコーキングの撤去費用(3万円程度)に加え、足場代が必要となるため、30坪二階建ての住まいであれば、35〜45万円程度となります。

ナサホームのコーキング打ち替えを含む施工事例

■雨漏り修繕と外壁屋根塗装

雨漏りでお困りの施主様に、雨漏りの補修に加え、一部浮いたサイディング貼替・外壁屋根塗装を提案いたしました。

この施工事例はこちら

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まとめ

普段注視することのない外壁のコーキングですが、劣化を放置しておくと大切な住まいに悪影響が及びます。皆さんも、定期的にサイディングの隙間を確認する習慣をつけてみてはいかがでしょうか。また、現在コーキングのひび割れや剥がれにお困りの方は、すぐにナサホームまでご連絡を。外壁塗装や補修に長けたスタッフが住まいの状況を確認した上で、迅速かつ適切な補修・リフォームの提案をいたします。