正しく使えばメリットいっぱい! コルクタイルリフォームのススメ

コルクと言えば、ワインの栓だけでなく、キッチン用品やバッグ、靴、文房具など、用途は実に多岐にわたっています。特に今、建材として注目されているのがフローリング材の「コルクタイル」です。多くの有用な特性を持っているコルクは、住まいの快適性を向上させる建材として見逃せません。


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コルクタイルの基礎知識


コルクは、よく調べていくと素材としては私たちの暮らしを支えてくれる優れた特性を持っています。そのことを知れば、どんどん取り入れていきたいと思うはずです。

コルクタイルはどんな素材?

■コルク樫の樹皮が原料
「コルクタイル」とはその名の通り、コルクを使用して作ったタイルのこと。
現在では地中海沿岸に成育するブナ科コナラ属のコルク樫(かし)から剥がした樹皮が原料となります。ポルトガル産のコルクが最高品質と言われています。
■環境的にも優しいコルク樫
コルク樫は樹齢25年から30年あたりで分厚くなった樹皮を剥がします。最初に剥がした樹皮を「ヴァージンコルク」と言います。
剥がした後は伐採されることもなく、新しい樹皮が再生され、約9年おきに採取できるのです。200年ほどの樹齢が尽きるまで何度も採取できるので、環境的にも素晴らしい樹木として知られてきました。
■天然由来の多機能素材
コルクは1㎡当たり約4,000万個という気泡のある細胞から構成され、外からの衝撃を吸収し、熱を遮断する効果があります。機能的には弾力性、断熱性、防水性、防音性、防炎性、調湿性において優れた天然素材なのです。

コルクタイルのメリットは? デメリットもあるの?

多機能な天然素材としてのメリットだけでなく、デメリットも余すところなくお伝えしましょう。
〔コルクタイルのメリット〕
■抗菌素材でアレルギー対策になる
コルクタイルは腐食しにくい性質を持ち、赤ちゃんの天敵であり、住まいの天敵でもあるダニやシロアリなどの発生を防ぐ効果あります。
さらに表面は毛ばだちにくいので、ホコリも立ちにくく、喘息などのアレルギー対策にも適した素材といえます。
■弾力性があり、滑りにくいので安心
優れたクッション性と弾力性があるので、たとえ転倒しても衝撃を吸収し、ケガのリスクを軽減してくれます。しかも滑りにくい特性もあるので、走り回るお子さんや高齢の方にも安心です。転倒防止に役に立ちます。
■防音対策にも効果的
足音や物を落としたときの落下音の振動を吸収する防音性能も高いのです。騒音を抑えるので、飛び跳ねるお子さんがいるご家庭、特に集合住宅では効果を発揮します。
■水廻りに重宝する防水性
コルクは水を通しにくく、短時間で乾きます。その性質により例えばコーヒーをこぼしても浸透しにくいのでサッと拭くだけで汚れが取れます。お掃除の手間も楽。その優れた防水性、耐水性は水廻りの床材としても適しています。
■冬でもあたたかい防寒対策にも
断熱性と保温性が高く、適温を保ちます。冬は素足で歩いても快適に過ごせるので防寒対策にもおすすめです。
■耐火性があるのも安心
内部にあるたくさんの気泡には窒素が含まれており、燃えにくく、燃えても炭化膨張するので飛び火や延焼を抑える耐火性も高いのです。
■意外と長持ちしてリサイクルもOK
コルクタイルは、およそ50~70年はその特性を維持できると言われるほど丈夫。使用済みになってもリサイクルも可能で、環境意識の高まりに応じた建材でもあるのです。
〔コルクタイルのデメリット〕
■紫外線に弱い
太陽光、紫外線にあたると色あせしてしまいます。しかし、変色するだけでコルクタイルが持つ特性には影響しません。
■傷つきやすく家具の跡が残る
軟らかい素材だけに傷がつきやすいとも言えます。家具の跡が残る場合もあり気になるかもしれません。また、大きな衝撃よる傷の補修は、張り替える必要があります。
■施工できる業者が少な
自然素材の建材の扱いは難しく、慣れている業者は少ないと言われています。事前にコルクタイルの施工実績があるかを確認しておくことをおすすめします。

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コルクタイルが向いているのはこんな場所


コルクタイルの抗菌性やクッション性、防音性の高さからお子さんの部屋に使用するのが最適かと思われるでしょうが、その他にも利用効果の高い所はあります。また、避けたほうがいいという場所も。さらに詳しくコルクタイルを見ていきましょう。

子ども部屋や床だけでない! 様々な場所で活躍するコルクタイル

■卓越した防水性は、水廻りで発揮
先ほども触れましたが、「水を通しにくく、短時間で乾く」優れた防水性があるコルクタイル。となると、やはり水廻りの床材に使うのが効果的です。
・トイレ
ウレタン塗装やワックス塗装タイプのコルクタイルはより一層防水性が高いので、少々の汚れも雑巾で拭き取るだけで大丈夫です。
・脱衣所(洗面所)
お風呂上り、お子さんが動き回って床がびしょ濡れになってもさっと拭くだけで染みもできません。シンク、浴室、洗濯機がある脱衣所(洗面所)にもコルクタイルは最適です。
・キッチン
例えば手が滑って生卵を落としてしまった。カレーをこぼしてルーが床に。また、食器を洗った水しぶきが飛び散っていたり、生ゴミを捨てるときにゴミ箱からこぼれてしまったり。そんなときもコルクタイルなら楽にお掃除ができます。
■床だけでなく壁や天井にも使いたい
カビの原因となる結露の発生を抑えるコルクの調湿効果を期待して、最近、壁や天井に使用するケースが増えています。この場合は無塗装かオイル塗装がいいでしょう。
高い防音性により外に音が漏れにくいのでご近所の手前、あらゆるお部屋に向いているといえます。
■階段も最適
滑りにくく、弾力性を考えると階段は最適かもしれません。転倒を防ぎ、歩行音も少なく、しかも断熱性と保温性があるので冬でも素足で快適に上り下りができます。

ただし、用いる場所を間違えると後悔することも

・日当たりの良い場所
紫外線が当たると色あせしてしまうので、日当たりの良いリビングや、窓際は変色してしまう可能性があります。耐久性などに問題はないとはいえ、まだら模様になるのは気になるかもしれません。
・重たい家具には注意
重量があるものには弱いので、タンスなどの比較的に重たい家具を置くと跡がついてしまいます。防音性に期待してピアノがある部屋に使うのはいいのですが、ピアノは重たいのでそこは施工会社に相談しましょう。
また、キャスター付きなどの椅子だと、傷がつきやすいのでマットを敷くなどの工夫が必要です。
・リビングとの境目が気になる
キッチンの床にコルクタイルを敷くのは有効なのですが、リビングがフローリングだとその境目が気になるかもしれません。これもじっくりと施工会社に相談しましょう。

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コルクタイルを使用したリノベーション費用


それではコルクタイルのリノベーションに、どのくらいの費用や工期がかかるのか見ていきましょう。

コルクタイルの施工にかかる費用と日数

床の主な張り替えリフォームは、既存の床板の上に敷く重ね張りか、既存の床板を剥がして新規の床材を張る2種類があります。
■6畳部屋の新規張りの費用相場
・施工費:3万〜7万円(下地処理費や荷物移動費含む)
・養生費:0.5万〜0.8万円
・廃材処分費:0.5万〜1.2万円
・材料費:7万〜11万円
合計:11万〜20万円
重ね張りは、新規張りより簡単なので1万円ほど安く、6畳部屋だと合計10万〜19万円が相場です。
■6畳部屋の新規張りの工期
・工期:2〜4日

コルクタイルは一部のみの張り替えも可能

コルクタイルは、出入り口の足元だと剥がれたり、給排水管付近は漏水などで浮いてしまったり、また、大きな衝撃でキズがつくこともあります。
そういうときはコルクタイルの1枚は300mm×300mmのサイズが多いので、その部分だけ張り替えることもできます。大きな補修にはならないのでランニングコストもあまりかかりません。

ナサホームの施工事例

コルクタイルのリノベーションプランをこちらでご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
コルクタイルで曲線をつけた玄関ホール
コルクタイルの床に合わせたチップウッド柄のキッチン
コルクタイルの床であたたかみのあるトイレ

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まとめ

いかがでしたか。 コルクタイルのさまざまなメリットを有効に活用すれば、健康的で安心して暮らせる住まいが実現できそうです。でも、どんな種類を選べばいいの? どこに頼めばいいのかしら? と悩まれたときはぜひナサホームにご連絡ください。豊富なプランと施工実績がありますので、きっとお役に立てることでしょう。