造作家具と置き家具、どちらがいいの?
キッチンの収納の中でも造作で作られることが多いカップボード。いわゆる置き家具(既製品)と比べてどちらのメリットが大きいのでしょうか。まずは造作家具の基礎知識から解説していきます。
造作家具とは
造作家具とはリフォーム会社や工務店などに依頼をしてオーダーメイドで作ってもらう家具のこと。造り付けという名前の通り、壁に直接取り付ける形のものがほとんどです。
造作家具のメリット
■デザイン
造作家具は、自分好みのデザインで製作を依頼できるのが魅力。ただし、カタログなどで完成品の姿を見ることができないため、注文が難しいというのがデメリットとなることもあります。
■間取りに合わせた設計
造作家具は高さや幅、厚みなどを自由に設計できるため実際に、造作したい場所に合わせてピッタリとフィットするものをあつらえることができます。また壁に設置するためデッドスペースが生まれにくいというのもメリットとなります。ただし、造り付けとなるため移動が難しくなるというデメリットもあります。
■耐久性や機能性
耐久性や機能性に関しても作り付けであれば自由にオーダー可能。もちろん、収納をアップさせたり、スライド式にしたりといった機能を盛り込んだり、耐久力のあるこだわりの素材を使用するといった場合はコストが大きくかかってしまう場合もあります。
カップボードをキッチンに造作してみよう
では実際にカップボードをキッチンに造作しようと考えた場合にどのような点に注意をすればよいのでしょうか。
キッチンのカップボードを造作する際のポイント
■最重要は収納する物の数と量
造作家具は作り替えなどができないため、あらかじめその中にどのような食器をどれくらいの量、収納するかを想定して、カップボードの大きさや棚割を考えていきましょう。もちろん、今現在所持している食器や調理器具だけでなく、将来的に増えるであろうアイテムなど考えながら仕様を決めていくことが大切です。
■設置場所と動線にも意識を向ける
カップボードが壁に沿って設置され、床に固定されていることも多いことから作った後に移動するのは難しいもの。造作をするのであればキッチンでの家事動線を意識し、調理や片付けの中で自然にカップボードの位置まで移動できるような動線設計を行なってみましょう。また、使用する方の背の高さに合わせてカップボードの棚の位置などを調整しておくと使いやすさがアップします。また、カップボードの設置場所を考える上では、キッチンの形や冷蔵庫などの大型家電との兼ね合いも大切。冷蔵庫はカップボードと比べて開閉回数が多くまた開閉に必要な面積も大きいたため、カップボードと干渉しやすい家電です。
リフォーム会社のスタッフに図面を用意してもらいながら、どこに配置すれば快適に開閉ができるか、また一連の動作として炊事・片付けができるのかを模索してみましょう。
■コンセントなどを設置する際は数や位置を考える
カップボード内に、レンジや炊飯器・コーヒーメーカーなどの調理家電を置いたり、照明を設けたりする場合はコンセントが必要となります。実際にどのくらいの家電を置くか、またそれらを稼働させた場合電力供給に問題はないかなどを確認しながら、カップボードのどの位置にコンセントのソケットを設けるかを考えましょう。
カップボード上のレイアウトアイデア
カップボードの造作を依頼する上では、配置やデザイン以上に使い勝手や機能へのこだわりも大切になってきます。日々カップボードを使う上で、重要視したいポイントを以下に紹介しています。
■よく使うものは、目線より下のすぐ取れる位置に
お気に入りのコップや食器などは取り出しやすいように目線の高さよりやや低い程度の位置に配置できるように棚を工夫しましょう。またお箸やスプーンなどの細かな食器類は腰のあたりに引き出しを作って収納するのが便利。電子レンジなどの調理器具も同様に、腰から上、首より下あたりの手の届きやすい範囲に置けるようにすると快適に利用できます。鉄製の調理器具やホットプレート・圧力釜などの重量のある調理器具は、アップボードの足元に収納すると落下などの危険が少なく安全です。
■ゴミを置くスペースも確保しよう
カップボードの下部にスペースがあるようならば、ゴミ箱を収納できるように工夫するのもよい方法。キャスターと蓋のついたゴミ箱をカップボード内に収めておくことができれば、必要な時に取り出せ、不要な時すっきりと片付くスマートなキッチンが出来上がります。
■使い勝手は扉でも決まる
カップボードを利用する際に、両手が塞がった状態でも開閉できるワンタッチ式の扉や引き戸タイプで、開け放っても通路を塞がないものを選ぶものもおすすめ。ただし引き戸などは、お子さまなどが勝手に開けてしまう可能性もあり、観音開きにできる戸などは地震などの災害時に食器が飛び出してしまう可能性もあります、家族の構成や暮らしの要望などによって適切な開閉方法ができる扉を選びましょう。
キッチンにカップボードを造作する際の費用と実例
キッチンにカップボードを造作するための費用
カップボードを造作する費用については、その大きさや棚の数、コンセントの数などによって大きく異なりますが、価格を抑えて作るのであれば15万円程度〜。また、木材や大理石などの素材や機能にまでこだわり抜いて作るのであれば100万円を超えるものもあります。
10畳〜12畳程度のLDKであればおおむね50万円以下で、必要な機能を網羅した造作カップボードが出来上がると考えてよいでしょう。
ナサホームの施工事例
■カップボード付ホワイトのスイージーで北欧風キッチンに
ウッドワンのスイージーに交換しました。 初めてご訪問させて頂いた時から、お部屋のイメージで「このお客様にはこのキッチンがピッタリだ!」と確信を持ってご提案しました。 タイルやクロス、床材に至るまで隅々までご提案させていただき、ご満足のいく空間となりました。 一番のこだわりは造作した棚板で何度も色合わせをして、自然な仕上がりになりました。
この施工実績の詳細はこちら
■オーク無垢材のナチュラルなキッチンとカップボード「スイージー」
自然素材が好きなお客様だったので、ウッドワンのオーク無垢材キッチン「スイージー」をご提案致し、ナチュラルカントリーな空間に。カップボードも同じくウッドワンの無垢材で造作し、ナチュラルな雰囲気になりました。
■海外のアパートメントを彷彿とさせるカフェ風キッチン
既存のキッチン扉に木目シートを施して雰囲気を一新しました。ガラスパネルの取り付けでまるでカフェの厨房のようなキッチンに。家電やキッチン雑貨のサイズに合わせて造作した、タイルがアクセントになるオリジナルのカップボードも合わせて施工しました。
まとめ
造作家具は、単なる「設備」ではなく愛着のある家具となります。せっかくカップボードを造作するのであれば、併せて飾り棚(壁面収納)や、カウンターなどの造作も検討してみてはいかがでしょうか。ナサホームでは、既製品のキッチンユニットだけでなく、オーダーメイドキッチンのリフォームも数多く手がけております。その実績を活かしながら、皆様のご要望を伺い、理想のキッチンを実現するための提案を行ってまいりますので、ぜひ皆様の理想やご意見をお聞かせください。
参考:ナサホームマガジン
見せる収納でスッキリ。キッチンのオープン収納リフォーム