寒い廊下を放っておくと健康にも悪影響が!?
暖房のおかげでリビングはあたたかくなったのに、廊下は寒いまま。温度差が激しいとヒートショックをひき起こす原因となり、命をも危険にさらしてしまいます。
冬に廊下が寒くなる原因と対策方法を調べてみましょう。
廊下が寒い原因は何? 寒いとどうなるの?
廊下が冷えるのは、廊下が冷気を溜め込みやすい場所であることが原因です。
古い戸建てやマンションなど、断熱対策が十分ではない家だと野外と変わらない気温になることも。さらに経年劣化で隙間風が入ると、凍えるくらい廊下が寒いという悪循環となります。
廊下には玄関ドア、窓、壁や床などから冷たい空気が入り込みます。冬場は寒さゆえに室内ドアを閉める方が大半で、部屋の中のあたたかな空気は廊下へ流れません。
また、廊下は日当たりが良くない場合が多く、日差しによりあたたまることもないのです。これでは、部屋と廊下の温度差はどんどん広がってしまいます。
ヒートショックの危険性も
室内と廊下の温度差が激しいと、ヒートショックを招く恐れが出てきます。
ヒートショックとは、急激な寒暖差で血圧の急変が起こり、失神・不整脈・脳梗塞などを引き起こす現象です。10℃以上の温度差があると危険が高まると言われ、あたたかな浴室と寒い脱衣所、暖房の効いたリビングと寒い廊下など、室内の寒暖差のある場所で起こります。
■玄関からの冷気
玄関は住宅の中でも特に寒くなりやすい場所です。
玄関ドアは鍵をかけて閉め切った状態でも、わずかな隙間から冷気は忍び込み、その冷気は玄関と繋がる廊下へと漂って溜まります。
住まいの開口部である玄関ドアは、家の気密性・断熱性を大きく下げる原因となっており、冬場は約60%もの空気が窓や玄関ドアといった開口部から出入りするのです。
玄関の断熱対策は必須といえるでしょう。
■窓からの冷気
窓は冷気の入り口であると同時に、室内のあたたかい空気が逃げ出す出口でもあります。
廊下の壁に窓があり、外気が直接あたるのなら尚更です。玄関ドアと同様に開口部である窓にも断熱性能、気密性能を高めるような対策を施しましょう。
現在の窓は気密性の高いサッシが多くなりましたが、窓には壁ほどの厚みはなく、断熱材も入っていません。
カーテンで窓からの冷気をある程度防ぐことはできますが、窓との温度差により結露が発生しやすくなってしまいます。寒さを防ぐなら窓の断熱リフォームが効果的です。
■壁・床下・天井からの冷気
基本的に壁、床下、天井には断熱材が使われており、外の冷気が室内へ伝わらないような構造になっています。しかし経年劣化や断熱材不足などが原因で、寒さが伝わりやすくなっていることがあります。
あたたかい空気は上へ、冷たい空気は下へいく性質があり、それが床を冷やす一因にもなります。きちんと断熱をしないと、床下からの冷気によって暖房をつけても足元だけが冷える「床冷え」が起きます。
床冷え対策として床の断熱リフォームを検討し、廊下のヒヤッとした冷たさを回避しましょう。
寒い廊下をあたたかくしたいのならリフォームはここ!
家の中なのに、夏は暑く冬は寒い廊下。あたたかくしたいけれど、家全体をリフォームするのは大変です。どこをリフォームすれば、一年通して快適な廊下に近づけるでしょうか。
廊下につながる玄関ドアを断熱リフォームして解決
廊下につながっている玄関ドア、および勝手口のドアを断熱性の高いものに交換。玄関ドアは内部に断熱材が入っているものを選びましょう。
既存のドア枠の上に新たなドア枠をかぶせる「カバー工法」なら、玄関ドアの断熱リフォーム工事は1日で終わります。
ドアのサイズや形が特殊な場合はカバー工法では対応できず、ドア枠ごと交換する「はつり工法」となり、やや高額になります。
廊下にある窓を断熱リフォームして解決
廊下にある窓の断熱リフォームの方法には、内窓の設置、窓交換、ガラスの交換の3種類があります。
■内窓の設置(1窓あたりの施工時間/約60分)
既存の窓の内側にもう1つ窓を取り付ける方法。インナーサッシ、二重窓とも呼びます。窓が二重になることで気密性が高まり、窓と窓の間に空気の層ができることで断熱性を発揮するのです。
断熱性能の高さだけでなく、施工時間は短く工事の手間もかからす、かつ費用を抑えやすいメリットがあります。
■窓交換(1窓あたりの施工時間/約2時間~半日)
窓をサッシごと交換する方法。古い窓の枠を活かし、室内側から新しい窓を取り付けるカバー工法で、雨戸や面格子などもそのまま使用可能。
断熱効果に優れていますが、費用がやや高めです。ただ、内窓は窓が二重になるため、開け閉めが面倒に感じる方にはおすすめです。
■窓ガラス交換(1窓あたりの施工時間 約30~60分)
既存の窓のシングルガラスをペアガラスやトリプルガラスといた断熱窓に交換する方法。窓ガラスの間に空気の層を作り断熱する方法です。また、断熱においてはフレーム部分の断熱も重要なので、一般的なアルミより熱伝導率が僅か1,000分の1という樹脂フレームに交換するのもすすめです。
窓の断熱リフォームとしては安価なのですが、断熱窓は重量があるため、既存のレールが耐えられないケースもあるので、施工業者によく確認してもらいましょう。
廊下の壁・床下・天井を断熱リフォームして解決
■壁の断熱リフォーム
壁の断熱リフォームでは、充填断熱工法と断熱パネルの設置という二つの方法が主流です。断熱性能は断熱パネルのほうが優れていますが、値段もやや高めです。
・充填断熱工法:壁を剥がして断熱材を敷き詰める
・断熱パネルの設置:壁を剥がさず、既存の壁の上に高断熱性のパネルを張る
■床と天井の断熱リフォーム
床と天井の断熱リフォームには、充填断熱工法と吹込み工法の2種類があります。
充填断熱工法を採用することが大半です。吹込み工法は、床の天井もシロアリ対策が困難で障害物があると隅々まで吹き込むのが難しいため、あまりおすすめではありません。
また、肌に触れることの多い床は、床材の材質によっても体感が違います。無垢材やコルクなどの床材にすると、費用はかかりますが建材よりもあたたかみがあるため、断熱効果を得やすいです。
・充填断熱工法(敷き込み工法)
床:床材を剥がして断熱材を敷き込む
天井:綿状に成形した繊維系の断熱材を敷き詰める
・吹込み工法
床:床下に発泡プラスチック系の断熱材を吹きつける
天井:発泡プラスチック系の断熱材を機械で天井に吹きつける
廊下の寒さを解決するリフォーム費用の相場
寒い廊下を改善するリフォームには、いくらかかるのか、おおよその費用を調べてみました。
玄関ドアの断熱リフォーム費用の目安
■カバー工法(既存のドア枠に新しいドア枠をかぶせる工法)
断熱玄関ドア本体価格:40万〜80万円
設置費:8万~150円
合計:40万〜90万円
工期:1日
■はつり工法(ドア枠ごと交換できて仕上がりが美しい工法)
玄関ドア本体や部品などの材料費:30万~50万円
既存ドア撤去・処分費:1万~3万円
施工(外装・内装工事含む)費:15万~25万円
合計:41万〜85万円
工期:6〜8日
※バリアフリー対策も可能
窓の断熱リフォーム費用の目安
窓のリフォームを行うと、どのくらい費用がかかるのか、おおよその施工費用をご案内します。下記の費用は窓1箇所あたりのものです。
■内窓の取り付け:8万〜30万円
■ペアガラスへの変更:5万〜15万円
■トリプルガラスへの変更:10万〜25万円
■樹脂フレームへの交換:3万〜5万円
さらに、上記に加えフレームを変更する際に、窓周辺の壁を撤去・補強する必要がある場合は、25万〜50万円程度の費用が必要です。窓全体を取り替える場合は、5万〜50万円程度の費用となります。
参考:ナサホームマガジン
「窓」断熱で省エネリフォーム!結露を防ぎ、空調の効果もUP!!
壁・床下・天井の断熱リフォーム費用の目安
■壁の断熱リフォーム:30万~40万円
■床の断熱リフォーム:30万~80万円
■天井の断熱リフォーム:15万~25万円
例えば、6畳1部屋の天井裏に、充填断熱工法で断熱材を敷設したときの費用相場は15万円程度。断熱材+防湿フィルムの施工なら、25万円程度が目安です。
補助金について
窓のリフォームや壁・床下・天井の断熱工事をする際に、国や地方自治体の補助金制度や税制上の控除が受けられる場合があります。
断熱リフォームを検討されている方は各種補助事業や税制控除について調べられることをおすすめします。ナサホームでもご案内できますので、お気軽にご相談ください。
ナサホームリフォーム施工事例
■断熱材入り鋼板屋根
カラーベストの上から貼り増しできる、断熱材入りの鋼板屋根にリフォームしました。
■あたたかく生まれ変わった、家族が集う無垢床の我が家
ご高齢のご両親のそばで暮らせるように、実家敷地内にある母屋をリフォームしました。そのまま住むには家全体が寒かったこともあり、窓や一部の壁は断熱仕様に、床には木のぬくもりを直に感じられるウォールナットの無垢材を使いました。
まとめ
家の断熱性能を高め、廊下の寒さを和らげたい方は、まず手頃な玄関ドアと窓の断熱リフォームから検討してみてはいかがでしょうか。断熱ドアと断熱窓を組み合わせるだけで暖房の熱の流出を抑え、家の中をまるで魔法瓶のようにあたたかな状態に保つことが可能です。興味をお持ちの方は、お気軽にナサホームのショールームへ遊びにいらしてください。