まずは防音ガラスの特性と魅力を知ろう
静かな生活空間を実現させるのに効果的な防音ガラス。いくつか種類があるためその特性やメリット、デメリットもチェックしてみましょう。
防音ガラスとは?
2枚以上の板ガラスの間に、防音特殊中間膜を挟み込んだ合わせガラスのことを防音ガラスと呼びます。
ガラスを通過してくる透過音等によって起こる振動を熱に変換し、音の波を消滅させます。これにより、屋外からの音、屋内で生じる音を遮るというわけです。
「防音」の性能を持つ窓ガラスは他にもあるので見てみましょう。
■異厚複層ガラス
2枚以上の板ガラスの間に、乾燥空気やアルゴンガスを封入した中空層がある複層ガラス(ペアガラス)。
断熱性や結露予防に優れているのですが、防音効果についてはあまり期待できません。なぜなら中空層により共鳴透過現象が起きて音を増幅させたり、また、同じ厚みのガラスにより振動が共振して遮音が低下するのです。
そうした現象を防ぐのが、異なる厚さのガラスを組み合せた「異厚複層ガラス」です。
外側のガラスが厚く、室内側が薄いのが特徴で、高い防音効果が期待できます。
■真空ガラス
複層ガラスの一種で、中空層を真空にしたのが真空ガラスです。音は空気の振動で伝わりますので、真空により音の伝わりをカット。優れた防音性能があります。
防音ガラスのメリット・デメリット
屋外の騒音や室内の音漏れを防ぐ防音ガラスのメリットとデメリットを見ていきましょう。
■メリット
・外から聞こえる、車のクラクション、救急車のサイレン、宣伝カー、工事音などの騒音に悩まされることが激減し、快適性が増します。
・生活音を外に漏らすのを防ぐので、ご近所に迷惑をかけることもなくなり、また、プライバシーを守ります。
・製品によりますが、断熱・遮熱効果、防火対策にも期待できます。
・単層ガラスに比べると割れにくいので防犯対策にも有効です。
・割れても破片が飛び散りにくい安全性もあります。
■デメリット
・重たいので開け閉めがしづらいことも。
・製品単価が一般の窓ガラスより高額で、メンテナンスや交換の費用も高めです。
・ガラスだけでなく、サッシごとを交換したほうがいいケースもあります。
ガラスだけの交換では不十分?
室内外の音を防ぐ優れた遮音性能を持つ防音ガラス。実は、その防音ガラスにただ取り替えるだけでは、なかなか効果が見られない場合があります。
というのは現状のサッシには、かなり隙間が空いており、その隙間から音が入ってきてしまうのです。
そうした実態を踏まえつつ、防音ガラスを使った取り替えリフォームについて見ていきましょう。
防音ガラスに取り替えるリフォーム
防音ガラスに取り替えるリフォームは、次の2つが考えられます。ただし、マンションや賃貸住宅にお住まいの方は必ず先に管理会社に相談しましょう。
・防音ガラスに入れ替える
現状の窓のフレームはそのままで、ガラスの部分だけを防音ガラスに取り替えるリフォームです。施工時間は1つの窓あたり、1時間もあれば完了します。
外壁工事なども一切行わない手軽なリフォームですが、サッシの隙間対策をはじめ、引戸は隙間が生じやすいので気密性の高い引戸に替えるといったリフォーム工事を考える必要があるでしょう。
・二重窓にする(内窓の設置)
現状の窓枠の内側に、防音タイプのサッシ(以下防音サッシ)を付けて、そこに窓を取り付けて二重窓にするリフォームはおすすめです。
防音サッシは、樹脂などの材質を使って隙間を少なくした気密性の高いサッシ。しかも現状の窓と新しい窓の間にできる空間が内外から入ってくる音を低減させます。
さらに結露を防ぎ、夏冬のエアコンの効率を上げる省エネ効果、防犯効果もアップします。
注意点:二重窓=複層ガラス(ペアガラス)と混同されがちですが、全く異なるのでご注意ください。
サッシやカーテンなど窓以外も含めたリフォームを検討しよう!
窓の他に、防音サッシへの交換、カーテンにも防音対策に有効なものがありますので、それらを考慮したリフォームを考えてみましょう。
・サッシはそのままのカバー工法
サッシの隙間対策として、二重窓ではなく、窓ごと防音サッシに交換するリフォームがあります。ただ、サッシ枠は外壁の中まで入り込んでいるので、窓とサッシごとの交換となれば壁の一部を壊す大掛かりな工事になります。
そこで現状のサッシである窓枠はそのまま残し、窓のみを外して新しい防音サッシと防音ガラスの窓を取り付ける「カバー工法」というリフォーム方法があります。家の外側も内側も壊さずリフォームができるのです。
・防音・遮音カーテンに変える
特殊な織り方をして吸音効果を持たせたり、金属を使って特殊コーティングを施した、防音・遮音カーテンを利用するのもおすすめです。
窓にぴったりと覆うように取り付けるのがポイントで、カーテンボックスをリフォームで設置すればいいでしょう。
・30dBを低減できる防音シャッター
シャッターの設置も防犯性の高さから見てもおすすめです。もちろん、防音効果もかなり期待できます。
騒音レベルでうるさいと感じるのは、大音量のテレビやセミの鳴き声、救急車のサイレンやパチンコ店内の70dB〜80dB。
シャッターを設置すれば、図書館や昼間の閑静な住宅街の40dB〜50dBまで低減できると言われています。外でセミがうるさく鳴いていても、図書館レベルの静けさの中で過ごすことができるのです。
防音ガラス&防音リフォームを行うための費用は?
静かな住まいに有効な防音ガラスの取り替えをはじめとする防音リフォームに必要な費用はどのくらいになるのでしょうか。
防音ガラスに交換するのに必要な費用は?
ガラスのサイズや種類によって異なりますが、およその目安です。
◎窓1カ所の場合
・防音ガラス本体価格:3万〜10万円
・異厚複層ガラス本体価格:4万〜8万円
・真空ガラス本体価格:8万〜15万円
・二重窓(内窓)本体価格:7万~12万円
・施工費:3万〜10万円
◎2階建て一軒家の場合
窓1カ所だけ防音ガラスにしても、音は他の窓からも入ってきますので住まい全体で考えたほうがいいでしょう。
2階建ての一軒家でおよそ10カ所、相場として60万〜100万円を見ておきましょう。
防音ガラス以外で窓の防音をした場合の費用は?
既存の窓枠を活かした「カバー工法」と、サッシごと全て新しくする「はつり工法」があります。
◎カバー工法の目安(窓本体・施工費含む)
・小窓サイズ:5万〜8万円
・腰高窓サイズ:8万〜10万円
・掃出し窓サイズ:10万〜20万円
◎はつり工法の目安(窓本体・施工費含む)
・小窓サイズ:10万〜15万円
・腰高窓サイズ:20万〜30万円
・掃出し窓サイズ:30万~50万円
窓以外の防音リフォームは?
シャッターや防音カーテンはすでに触れましたが、室内音を外に漏らしたくないのなら床や壁も検討してみましょう。
◎窓シャッターの目安(本体・施工費含む)
手動:6万~16万円
電動:10万~35万円
◎防音・遮音カーテンの目安(1,000mm幅)
1,400mm丈:0.7万~1.7万円
2,000mm丈:0.8万~2.4万円
2,600mm丈:0.9万~3.4万円
◎防音フロアの目安(1部屋)
フローリングを剥がして基礎工事を伴う場合:20万〜60万円
フローリングの上に防音マット・シートを敷く場合:15万~30万円
◎壁の防音リフォームの目安
1部屋(壁4面):30万〜70万円
ナサホームの防音対策リフォーム
ナサホームではリフォームで解決できる住まいの防音対策について詳しく紹介しております。ぜひこちらのサイトもご覧ください。
まとめ
今回は住まいの防音対策として防音ガラスへの交換だけでなく、サッシの気密性も大切であることをお伝えしました。「静かさ」は今や快適な住まいの大切なファクターの一つ。その実現に向けて相談してみたいと思われましたら、ぜひナサホームまでご連絡ください。最適な防音リフォームのプランを提案させていただきます。