意外と重要、湿気予防にも衣類乾燥にも活躍する浴室換気扇

単に湿気を排出するだけでなく、浴室換気扇は住まいの寿命にも貢献しているのをご存じでしょうか。ところが、おかしな音がしたりトラブルが起きて交換時期が来ているのに見過ごされがちです。 新しい浴室換気扇に交換するにはどのようなポイントがあるのか、種類や注意点も含めてお伝えしていきます。


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浴室換気扇の重要な役割


浴室換気扇には、どのような役割があるのでしょうか。正しい使い方も合わせてしっかりと理解しておきましょう。

浴室換気扇の役割&正しい使い方

浴室換気扇の役割や正しい使い方も含めて調べると、快適な暮らしに欠かせない設備であることがわかります。

■浴室換気扇の役割
・カビの発生を防ぐ
浴室は住まいの中で最も湿気の多い場所です。それだけカビの繁殖の好条件を揃えていると言えます。そこで入浴などで溜まった湿気を外部へ排出して湿度を下げ、カビの発生を防ぎます。
・悪臭を防ぐ
お風呂の排水口は、髪の毛、垢、洗ったあとの泡汚れなどが付着しやすく、悪臭の原因になりがちです。浴室換気扇はそうした悪臭を外へ排出するという役割もあります。
・住まいの劣化を防ぐ
お風呂場の換気が十分でないと、湿気は家中にめぐってしまうことも考えられます。住まいにとって湿気は大敵。シロアリや木材を腐らせる木材腐朽菌を発生させることにつながり、住まいの劣化を招くことになりかねません。
浴室換気扇は、お風呂場の快適性を保つことはもちろん、住まい寿命を長持ちさせる役割を担っているといえます。

■浴室換気扇の使い方
・24時間回し続けるのがおすすめ
実は浴室換気扇は24時間回し続けたほうが換気の効果が高まります。つまり、カビや悪臭の発生を防ぎ、住まい全体を長持ちさせるには、付けっ放しがいいのです。
〔でも電気代が気になる……〕
24時間回し続けると電気代が気になりますが、ひと月の電気代は、150〜400円が相場と言われています。最近では24時間換気モードなどの機能付きだと、ひと月60円程度という驚きの製品もあります。
・浴室ドアを閉めて換気扇をつける
浴室換気扇を回す時、ドアを開けたままだと浴室の湿気は脱衣所のほうへと流れてしまい、外へ排出できません。
浴室のドアはしっかり閉めましょう。そうすれば浴室内で空気が循環し、湿気は換気扇を通って速やかに外に排出されます。

浴室換気扇には2つの種類がある

浴室換気扇は主に「シロッコファン」と「プロペラファン」の2種類があります。

■シロッコファン
天井に設置されることが多く、ダクトを通して空気や湿気を排出します。
騒音が少なく、ダクトを利用するので窓のない浴室でも使えます。
ただ、羽根1枚1枚の隙間が狭いので掃除が面倒で、埃やゴミが付着しやすいのです。
また、プロペラファンよりは吸い込みパワーが劣ります。

■プロペラファン
壁付けタイプで、扇風機のような羽根で、吸い込んだ空気や湿気をダイレクトに屋外に排出します。
シロッコファンより掃除がしやすく、吸い込むパワーも強いです。
その分、音がうるさく(静音タイプも有り)、外の風の影響を受けやすくて風が強いと排出が弱まることもあります。

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浴室換気扇は交換できるの?


コンセントにつなぐタイプならDIYでも可能ですが、電気工事が発生することもあるので慎重に確認しましょう。

浴室換気扇は交換できるの?

・天井タイプと壁付けタイプの交換
コンセントにつなぐタイプには、天井タイプと壁付けタイプの2種類があります。交換手順は同じで、電源を切って、既存の換気扇を取り外し、新しい換気扇を取り付けます。
一見、簡単なように思えますが、電気が流れる部分の作業となるため危険性もあります。
・交換はプロに任せるほうが安全
DIYでもできるとお伝えしましたが、換気扇の交換作業では、電気工事士免許が必要となる場合が多いのも事実です。電源やアースなどの取付工事には、専門知識のある電気工事士でなければ触れてはいけません。
さらに脚立に乗って高い位置での作業となるので、ケガのリスクも伴います。
たとえコンセントにつなぐタイプであっても高所作業になることを考えれば、交換はプロに依頼するほうが安全安心ではないでしょうか。

こんな故障が見られたら浴室換気扇の交換を検討しよう

浴室換気扇の寿命は10年~15年が一般的ですが、それよりも早く交換時期が訪れることもあります。次のようなことが起これば交換を検討しましょう。

・スイッチを入れても換気扇が動かない
スイッチを入れても動かない原因の多くは、換気扇のモーターの寿命か、スイッチの故障です。
見分け方は、換気扇のカバーを外し、耳を近づけると「ブーン」と小さな音がしていれば通電しているがモーターは壊れています。音がしないのであればスイッチが故障している可能性が高いでしょう。

・換気扇から異音が聞こえる
スイッチを入れると「キュルキュルキュルー」とか「ブォーン」などと変な音が鳴っていたら、モーターの劣化やゴミ詰まりの可能性が高いです。掃除をしても音が聞こえるのなら交換のタイミングです。

・回っているのに吸い込んでいない感じがする
いつものように回っているのに、床や壁の乾きが遅いとか、臭いがいつまでも残っている──。これはファンの回転スピードが足りていないのです。原因は内部の機械が不具合を起こしており、交換が必要です。

浴室の換気扇の交換方法

交換をプロに任せた場合、その手順を知っておくことも大切だと思います。天井タイプで作業の流れを見てみましょう。

1.換気扇の電源を切りブレーカーを落とす
2.換気扇のカバーを外し、既存の換気扇本体を取り外す
3.本体に付いた電源コードとアース線を外す
4.新しい換気扇の電源コードやアース線をつなげる
5.ダクトを天井裏から引き出し、新しいダクト接続口をテープで巻いて固定
6.新しい換気扇の本体を取り付け、カバーを固定
7.動作確認

これらの作業を高所で行い、配線を間違えるとヒューズが飛んだり、漏電、感電、火災の危険が高まります。やはりプロに依頼するのが正解です。。

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より快適な浴室空間を、換気扇リフォームで叶えるために


浴室換気扇を新しく交換するのなら、より快適な浴室空間にするために乾燥機付きや暖房乾燥機付きもおすすめです。その場合の費用の相場もご紹介しましょう。

浴室換気扇の交換の際には機能アップも併せて考えてみては?

浴室乾燥機
換気扇をつけて洗濯物を干される場合もあるでしょう。それをより強化したのが浴室乾燥機です。いろいろなメリットがあります。

・密閉空間を利用するので、乾くのが速い
・室内干し特有の臭いの発生が少ない
・浴室内のカビの発生を抑える
・花粉症や黄砂、PM2.5などが洗濯物に付着しない

浴室換気暖房乾燥機
乾燥機能だけでなく、暖房機能によりヒートショックを低減させ、冬場の入浴を快適にさせます。
・乾燥機能によるメリットは同じ
・暖房機能で、あらかじめ浴室内を暖めることで高齢者のヒートショックのリスクを低くする
・涼風機能があり、のぼせるのを防ぎ、露天風呂のような感覚を実現

浴室換気扇の交換にかかる費用はどのくらい?

浴室換気扇の交換工事費用の相場は、0.8万〜2万円。プロに依頼しても意外とリーズナブルな価格といえるでしょう。
浴室乾燥機や浴室換気暖房乾燥機の工事費は、6万〜8万円が相場です。天井の開口部の拡大や電源の新規配線が発生することも。また、電気式よりもガス温水式のほうが少し高くなります。

本体費用の相場
・プロペラファン:0.5万~2万円
・シロッコファン:0.5万~4万円
・浴室乾燥機/電気式:4万~13万円
・浴室乾燥機/ガス温水式:9万~18万円
・浴室暖房乾燥機/電気式:7万〜15万円
・浴室暖房乾燥機/ガス温水式:12万〜20万円

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まとめ

浴室換気扇は劣化が目立ちにくい上、少々の異変があっても後回しにされがちです。しかし、住まいを長持ちさせる役割もあることを考えれば、トラブルが発生すれば速やかに対応する必要のある住宅設備と言えます。プロに交換の相談をしたいと思われましたら、ぜひナサホームまでご連絡を。最適なプランをご提案させていただきます。